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しおりを挟むこれから、愛の行為を始めようとするのに、泣き出しそうな表情の琉果。
拓真は、そんな彼の気持ちを汲み取った。
(今まで、薄汚い大人たちの食い物にされてきたのだ。無理もない)
そこで、医師に告げられていたように、あらかじめ彼に教えた。
「琉果。嫌になったり、苦しくなったりしたら、言って欲しい」
「えっ?」
「そうしたら、私はすぐに君から離れよう」
「あ、ありがとぅ……」
琉果は、拓真の言葉に救われた。
(良かった。気持ちに、余裕ができたみたい)
これからの時間に賭けていたのは、琉果も同じだった。
嫌いじゃない、拓真さん。
嫌いじゃない人に抱かれれば……。
(頭から離れない辛い記憶が、少しは薄くなるかもしれないんだ)
過去を乗り越えようと、琉果は頑張っていたのだ。
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