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しおりを挟む「せっかく、もっと仲良しになれると思ったのに……」
「ありがとう。でも、拓真さまがご紹介くださった、ご縁だから」
「拓真さんが?」
「お相手とは何度かあって、お食事したりもしたし。良縁をいただいたよ」
聞けば、拓真の愛人たちは皆、それなりの名家へ紹介されると言う。
拓真も、大切な預かりものでもある子息を、いつまでも囲っているわけではない。
頃合いを見て、似合いそうな相手を探して、紹介する。
社交界でも随一の富と権力を持つ花菱家の推薦なら、まず間違いはないと先方も喜ぶのだ。
「拓真さまの愛人、という地位は、一種のステータスなんだ」
「そうだったのか……」
「僕の実家は破産寸前だったから……本当に……助かっ……」
春馬は言葉を詰まらせ、ぽろぽろと涙をこぼした。
「しっかりして、春馬くん……もしかして、拓真さんのことを?」
「好きだった。大好きだったんだ、拓真さまを、愛してたんだ、本当に!」
琉果は、涙を流す春馬に寄り添い、その背中を優しく撫でることしかできなかった。
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