メビウスの輪を超えて 【カフェのマスター・アルファ×全てを失った少年・オメガ。 君の心を、私は温めてあげられるんだろうか】

大波小波

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第一章 出会い

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 そのカフェは、ショッピングモールのはずれにあった。
 メインストリートの、横道の奥にある純喫茶。
 そこは、表通りの賑わいも知らないように、ひっそりと営業していた。
 だが、赤レンガに囲まれた狭い花壇には、季節の花が咲いている。
 軒先には、可愛らしい苔玉がいくつか下げてある。
 潤いと安らぎのたたずまいが、優しく手招きしている。
「あれ? ここに、カフェなんかあったんだ?」
 梅ヶ谷 早紀(うめがや さき)は、思わず声を上げていた。
「ホントだ。こんな所で営業して、客なんか来るのかよ」
「ね、入っちゃう?」
「もっと、明るい店にしようぜ」
「いつもの『ラック・バーガー』とか!」
「新メニュー出た、ってSNSで見たぞ」
 友人らの声に、早紀は、ちょっとだけ迷った。
 それでも、何かに導かれる。
 このドアの向こうに、知らない世界が待っている気がする。
「奢っちゃうから、さ。入ってみようよ!」
 早紀は言葉と同時に、扉を開けていた。

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