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しおりを挟むさらに、事務所奥へ。
ドアを開け、応接室に入ると、そこに松下の言う所の遥が立っていた。
「お、おはようございます」
「おはよう」
夜なのに、おはようという挨拶。
この業界では、夜こそが朝なのだ。
ソファに掛け、了は遥を上から下まで眺めた。
柔らかな髪はナチュラルなマッシュで、ミルクティーのような色。
白い肌に、大きな瞳となだらかな鼻梁に、サンゴピンクの唇が映える。
すらりとした体は華奢で、腰が高い所についている。
申し分のない外見は、体にぴったりとした薄いアクアスーツで覆われていた。
肩を出した腕と、膝から下の脛までが露出している。
「南海 遥くん。事前に説明はあったと思うが、今の格好がそのまま君の制服だ」
「はい」
「着衣のままなら、君はお客様に何を要求されても拒むことはできない」
「はい」
まだ幼さの残る甘い顔だちをしていながら、その返事は歯切れがいい。
了はそこに好感を持ちながら、面接を続けた。
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