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しおりを挟む「せっかく、いい所だったのに。何て無粋な」
遠山は機嫌を損ねたが、遥は救われる思いだった。
だがしかし。
(了さん、事務所のモニターで、僕を見てるんだ)
途端に、かっと体が熱くなった。
(恥ずかしい)
こんな僕の姿を、セックスに溺れる様子を、了さんに見せたくない。
幸い興を削がれた遠山はそのまま果てて、ただれた時間は終いになった。
シャワーを浴び、新しい制服を着たところで、アナウンスが聞こえた。
「遥くん、302号室へお願いします」
今度は、了の声ではない。
「ご指名、もしかして」
指定された部屋へ行くと、果たしてそこには、了の姿があった。
「了さん」
「危うく遠山さんに、遥をさらわれるところだったな」
下を向いて、もじもじとハッキリしない遥を、了は怪訝に感じた。
「どうした?」
「僕の恥ずかしいところ、ずっとご覧になってたんですか?」
何を今さら、と了は思ったが、プロの商品らしからぬ純粋さに心を打たれた。
「悪かった。そんなつもりじゃなかったんだが」
勘弁してくれ、と了は遥の頬に手を寄せた。
「勤務時間内だ。キスしても、いいだろう?」
「やっぱり了さんは、意地悪です」
遥は、自分から了に口づけた。
舌を絡め、甘くて熱いキスをした。
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