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しおりを挟む「明日、九丈さんと食事をするよ」
「私もご一緒しますか?」
いや、と翔は首を横に振った。
「黒岩は、来なくていい。いや、来ないで欲しい」
翔の言葉に、黒岩は察した。
(翔さんは、その身すら九丈さんに差し出すつもりだ)
おのずと、黒岩はこぶしを固く握っていた。
「すまない。でも、こうするしかないんだ」
「翔さん。いや、翔」
翔は、ふぅっと黒岩の胸に顔を埋めた。
「……キス、してくれ」
「ご命令とあらば」
「そんな言い方、やめてくれ」
「翔……、いいのか。本当に九丈の家に入っても」
二人、夜景の美しいホテルの一室で唇を合わせた。
貪るように舌を絡め、愛し合った。
「明日はこの部屋で、九丈さんと」
「言わないでくれ、翔」
互いに、慌ただしく服を解いていった。
もつれる指で、ボタンを外した。
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