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1話 ミニトマト
しおりを挟む待ち合わせは、前回と同じ公園の時計塔下。
10分も前からそこのベンチに腰掛けて、志乃は章を待っていた。
ソワソワと、落ち着かない。
(大丈夫かな、章さん。ちゃんと、来てくれるかな)
ドタキャンとか、ないよね?
僕が事務所に内緒で、アフターデートしてること、バレてないよね?
自分が金のために体まで売っていると知れば、彼は驚き、軽蔑するだろう。
それだけは、避けたい。
(ああ、お願い。章さん、早く来て)
しまいには、両手を合わせて祈り始めた志乃だ。
しかし、定刻の5分前に現れた章の姿に、志乃の心にかかったモヤは消えて無くなった。
「章さん!」
元気に立ち上がり、両腕を振り上げた。
「ごめん、志乃くん。待たせた?」
「ううん。僕が勝手に、早く着いただけ」
ベンチに掛けた章につられて、志乃も再び座った。
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