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しおりを挟む「ね、章さんの友達って、何人くらい?」
「1人!」
「たった1人!?」
「量より質だよ!」
「その貴重な人は、誰!?」
「加瀬さん!」
堂々と宣言した章だが、途端に志乃は不安になった。
「お招きして、来てくれるかなぁ?」
「そこが、問題なんだよなぁ」
頭を掻きながら、章は加瀬の名刺を手に取った。
幹部クラスの極道である加瀬は、きっと忙しいだろう。
スケジュールは、1年先まで埋まっているかもしれない。
「ダメもとでも、誘ってみる。彼には、お世話になったからね」
「うん!」
こんな風に、手術のための検査の合間に、章と志乃は楽しい話題を探しながら過ごした。
検査を受け、一月が終わり。
また検査を受け、二月も過ぎ。
待機を経て、そして三月。
志乃と母は、ようやく生体腎移植の日を迎えた。
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