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しおりを挟むカテリーナが泣き真似をやめる前に、エディンは速攻で畳みかけた。
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「うぅ……えっ?」
「病床が、北側の離宮に移っておりました。寒さは傷によくありませんので、ぜひ南向きの部屋を頂戴したい」
「あ、あれは、その……そう! 温かな毛布を、ちゃんと支給しておりま……」
カテリーナが言い終わる前に、オアニアが口を挟んだ。
「あの毛布じゃ、この国の寒い夜はしのげませんねぇ。咳込んでる患者も、大勢いましたよ?」
すかさず、アルネが提案した。
「僕、良い場所を知っています! 父上が大切にしておられた、国王離宮はいかがでしょう!」
アルネの発言に、カテリーナは目に見えて嫌そうな顔をした。
彼が話していた通り、あの場所には豪華な噴水を造って、盛大なパーティーを開くつもりだったのだ。
「国王陛下が愛した場所に、負傷兵の療養所など……」
「なんと! カテリーナ妃は、さすが御心が広い! 快く承知していただけるのですね!?」
アルネがびっくりするくらい、エディンが大きな声を上げた。
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