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しおりを挟む「カテリーナ妃のお噂は、我が国にも伝わっております。美貌と知性を兼ね揃えた、素晴らしい御方と。その上、寛大でいらっしゃる」
カテリーナの機嫌を取るために、白々しいお世辞を並べながら、エディンはテーブルの下でアルネに伝えていた。
クロスで隠れて見えない手に、指文字で『笑顔、笑顔』と書いたのだ。
そこでアルネは、エディンに負けないくらいの良い顔を作った。
「国王離宮へ移れば、怪我や病気で苦しむ人たちも、すぐに治るでしょう! さすがは、カテリーナ様!」
そしてオアニアが、最後に押し切った。
「慈悲深いカテリーナ妃のご芳名はエレニ砂漠を越え、ダマビアまで響き渡ると思いますよぉ!」
すっかり鼻高々になってしまったカテリーナは、その場でエディンが用意していた約定書にサインをした。
三人は、ようやく顔を見合わせて笑顔になった。
幸先の良い、攻略成功の第一歩だった。
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*******
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