わがまま子息は七回目のタイムリープで今度こそ有能執事と結ばれる! ……かな?

大波小波

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 部屋を降りて、一階の大広間へ行けば、まだシェフが居る。
 栄養のバランスを考えて作られた、ちゃんとしたディナーが食べられる。
 しかし昴は、そんな気になれなかった。
 のんびり食事を摂る気が、しなかった。
 パンをモグモグさせ、ワインで喉へ流し込みながら、彼はやはり暁斗のことを考えた。
 美しい僕には、質素すぎるこの食事。
「それもこれもみんな、暁斗のせいなんだ!」
 そこで、ふと彼の言葉が思い出された。

『そういえば、私も最近ご無沙汰です。今夜あたり……』

『どうです? 御一緒に』

『そうではなくって。一緒に遊郭へ遊びに行きませんか、という意味です』

 昴は何だか、そわそわと落ち着かなくなってきた。
「行くのかな、妓館に」
 あの長い髪を解いてベッドに散らし、黒曜石のような瞳で抱かれる遊女や陰間を見るのかな。
 何とも言い難い悔しさが、昴の胸に湧いてきた。
「えぇい、もう! 暁斗なんか!」
 いつもなら1杯で済ませるワインを、2杯3杯とあおる、昴だ。
 そして、すっかり酔っぱらってしまった彼は、ふらりと立ち上がると部屋を出た。
 行き先は、暁斗の住まい。
「暁斗みたいに美しい男が、妓館遊びなんかしちゃいけないんだ!」
 ちゃんと清純な恋人を持って、心から愛して……愛して……。
「ん? あれ? 僕は、何か大切なことを忘れてるような?」
 7回目の死に戻りで、今度こそ暁斗と結ばれたい。
 これが、ラストチャンスなんだ。
 酔った頭では、そんな大事なことを考えるのは難しい。
 ただ昴は、その酩酊した思考のまま、執事の間へと乗り込んだ。

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