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1話 ぬくもりと、ときめきと

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「城嶋さん、身の回りのものを買いに行きましょう」
「え?」
「部屋着とか、パジャマとか。オーラルケアの用品とか!」
 未悠の放課後を待ち、健は作業着のまま彼と家路についたが、途中でそんなことを言われた。
「いや、そんな。ガッツリ居つくわけじゃないし」
「居ついちゃってください!」
 はしゃぎながら手を引く未悠に連れられて、健は彼の買い物に付き合った。

『冬だから、温かい服がいいですよ』
『デンタルフロス、要りますか?』
『枕、買いますよね』

 天然の毛皮があるので、服はコットンで構わない。
 歯は丈夫なので、フロスは要らない。
 枕は無くても、熟睡できるから。

 そう遠慮する健を置いて、未悠は楽しくショッピングだ。
「何だか、悪いなぁ。マンションに着いたら、代金を清算するよ」
「いいんです。僕が準備したかっただけですから」
 そして、上質の肉をたくさん買って帰った。

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