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しおりを挟む今夜は予定がある、というのは嘘ではない。
丈士は石川と連絡を取り、彼の息がかかったクラブで会っていた。
「例のブツ、そろそろ収穫してもよさそうです」
「相良の腕の良さは逸品だな。花屋にでもなったらどうだ?」
「御冗談を」
「明日の午前中にでも、組員を寄こそうか」
「午前は反対! 丈士さん、僕とエッチして疲れてるだろうから」
ぎょっとして、丈士と石川は振り向いた。
そこには、七瀬がニコニコと立っていた。
「相良の知り合いか?」
「え、あ、まぁ。同居することになりまして」
丈士の返事に、石川は険しい顔になった。
「ブツのことも、話したのか」
「口は堅い奴です。ヘマはしません」
真剣に会話する二人の間に、七瀬はマイペースでぐいぐいねじ込んでくる。
「僕も、何か飲んでいい?」
「ああもう、好きにしろ」
「やったぁ!」
強面の石川を見ても動じない七瀬に、彼は興味を持ったようだった。
「ずいぶん肝の据わった子だな。名前は?」
「藤丘 七瀬で~す」
運ばれてきた酒を飲みながら、七瀬は石川とお喋りを始めた。
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