俺の小悪魔は悪魔 ~反社見習い×悪魔見習い 七瀬を救うためなら俺の存在が消えてしまっても構わない~

大波小波

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(ずいぶん楽しそうだな)
 ちびちびとウイスキーを飲みながら、丈士は二人をチラ見していた。
 キャッキャと笑う七瀬に併せて、石川もニヤけた顔をしている。
(あんな石川さんの表情、初めて見た)
 いつもは、ほとんど無表情。
 笑う時には、口角をあげるだけ。
 そんな石川が、歯を見せて笑っている。
(七瀬マジック、か)
 思えば自分も、一度寝ただけなのに、同じ屋根の下に住まわせることになったのだ。
 七瀬の魅力のなせる業、といおうか。
 悪魔的魅力、とでもいおうか。

「ねえ! 石川さんのアドレス、教えてもらっちゃったよ!」
「良かったな」
 もうこれ以上、七瀬と石川のイチャイチャを見たくも無かったので、それを機に丈士はソファから立ち上がった。
「石川さん、明日の午前中でOKです」
「そうか。じゃあ、若い者を寄こす」
「石川さん、またね~。バイバ~イ」
 強面の石川が、手まで振って七瀬を見送った。

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