死んだと思ったら異世界に

トワイライト

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「ところでクリス達は何処に向かってるんだ?」

同行していたがクリス達の口から目的地を聞いたことは無かったな。

「そう言えば黒騎士さんには伝えて居ませんでしたね、私たちは試練の祠と呼ばれる場所に向かっているんですよ」

「試練の祠?」

ユグドラシルオンラインの時はそんな場所聞いたことないぞ?

「はい、私たち王族は15歳になったときにこの試練の祠に行き、世界を救った龍神であるユウヤ様に祈りを捧げる決まりとなっているのです」

なんだと!?春香、翔子…俺はいつの間にか神格化されていたみたいだ。

少しの間現実逃避をしていた俺だが、現在の俺の目標は250年の間で変化したユグドラシルの世界を見て回る事だ。

自分が祀られているという場所が有るなら見てみるのも一興というものだろう。

「そうなのか、それがもうすぐ着くと」

「はい!そうなんです、私たちは試練の祠で祈りを捧げ、ソコに置かれている物を1つだけ持っていく事で成人の儀とするんです」

成る程、王族限定の成人式みたいなものか?

「そうなのか?」

「黒騎士さんは知らなかったのですか?」

「何分ずいぶんと田舎に居たのでな、俗世には疎いのだよ、出来ればスルーしてくれると嬉しい」

俺の説明でクリスは納得してくれた様だが、ロベルタは少し俺の事を疑っているみたいだな。

この反応をみる限りこの儀式は世間一般的にも浸透している儀式の様だが、怪しまれる前に話題を転換しなければ。

「それはそうと、クリスは俺を何で同行させようとしたんだ?助けてもらったお礼がしたいという事だけでは無いのだろう?」

俺がそう聞くと先程までと一転緩い雰囲気が引き締まる。

「はい、黒騎士様は既に知っているでしょうけど、私には刺客が仕掛けられています」

「ああ、暗殺者教団だったか?」

「ええ、こう言っては何ですが私は才能が有ります」

おおう、自分で才能が有るとか言うのは日本ではあまりないから少し新鮮では有るな。

だが、クリスに才能が有るというのは分かる。

少しの間しか一緒に行動して居ないが、盗賊に襲われた時に俺が逃げようとしていると判断した時の判断力や騎士達の忠誠心を維持し続けるカリスマは相当備えていると言っても良いだろう。

「この国では王族で一番才覚が有るものが国を束ねるべきという理念の元に王を決めています。
なので他の王族候補には良く思われていない為、こういう護衛の数が少なくなるチャンスを逃すわけが無いのです」

普段厳重な警備をすり抜けるのは難しいから警備が緩い時を狙うという訳だな。

「試練の祠に行くまでは最低限の戦力、食料で行軍をして、指揮能力や現場で食材を調達する能力や、町で身分の低いものと接する機会を作るという目的が有ります」

普段王族として過ごしていく中では得られない能力を得たり、伸ばしたりする事を目的にしているわけか。

「それで、戦力が心もと無いから俺を護衛として同行させようとした訳だな、お礼をしたいと言えば守らざるを得なくなるから」

「はい、利用して居たことは認めます、ですが貴方と居た1日は本当に楽しい日々でした、王族のしがらみを忘れられる程に」

王族として生まれたクリスには常に王族としての対応が求められるという事か…しかも周りには自分と対等な者は居ない。

地球では貴族制度は無かったが、やはり貴族は貴族で色々とあるのだろう。

「だが、どうして俺を間者だと思わなかったんだ?」

明らかに正義とは反対の様な格好をしている俺をクリスは1度も疑った事は無かった。

「私には特別な何かが有るのです、それは他人の私に対する害意が分かります。
ですが貴方にはそれが無かった。
私が貴方を信じた理由はそれだけです」

相手の害意が分かる?何か特殊なスキルか何かか?まぁここまで来たんだから最後まで付き合うんだけどな。
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