死んだと思ったら異世界に

トワイライト

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俺の展開した結界はどんどんと大きさは小さくなっていく。

「大丈夫そうだな…」

結界はだいぶ小さくなり、もうすぐ邪神を完全に包めるだろう。

内側から悪魔が攻撃していて結界がガンガン揺れているが今の所壊れるような様子は無いからな。

「これぐらいなら…」

これぐらい小さくなったのなら結界ごと転移させても大丈夫だろう。

俺は一応エリクサーで魔力を回復させてから転移魔法を発動。

悪魔は無事結界ごと異空間に転移した。

「ふぅ、これで大分戦いやすくなるな」

俺は部屋から出て自分にも転移魔法を発動させ、異空間に転移する。

「ギャァァァァ!!!」

異空間に転移した瞬間、耳を劈く叫び声が聞こえた。

俺は咄嗟に耳を塞いで音の発生源の方を見るとそこには触手を振り回して暴れている悪魔の姿が有った。

「コイツは…」

俺は目の前に居る悪魔の姿に見覚えが有った。

「邪神か…」

その身は人の形を保っていなく、心臓の様にドクン、ドクンと脈動している肉塊に無数の触手を生やしている。

そして肉塊に付いている無数の目はぎょろぎょろと高速で動いている。

クトゥルフに出てくるモンスターの様に見ているだけでSAN値が削られそうな見た目で、先程まで人型の悪魔だったとは想像できないほどだ。

そう、目の前に居る悪魔だった者は昔に俺が倒した筈の邪神にそっくり…いや、邪神そのものが居た。

大きさは昔戦った邪神よりふた回り程小さくなっていて、その身から溢れ、視認できる程の負のオーラは随分と小さく感じた。

やっぱり本来の邪神の力の5分の1だからなのだろう。

だが、大きさや力は小さいが、どうやらあの悪魔は邪神の力に呑まれて邪神になってしまったらしい。

「ギャァァァァ!!!」

しかも理性も無くただその場で叫びながら暴れていて俺に気づく様子もない。

「可笑しいな」

俺が擬似ブレスを放った時、悪魔の周りに漂っていたモヤの様な物が邪神の力なのだろう。

あの悪魔は邪神の力に呑まれ、その身を邪神へと変貌させた。

そのまでは良いだろう、邪神の力は身に余るだろうし、そもそもあの邪神の力5分の1とはいえを吸収して正気を保っていられる訳がないからな。

現在俺は邪神の目の前に立っているのに邪神は俺に攻撃を仕掛けてくる様子は無い、ただ周りに無差別に破壊行為をしているだけだ。

悪魔はあの部屋では触手で俺の事を攻撃していた。

なのに異空間に転移させただけで俺に攻撃をして来なくなる理由が分からない。

目の前の邪神からは既に悪魔の意思は感じられず、既にあの悪魔の存在は完全に消失しているのは確実だ。

先程までは俺に攻撃してきて、今は俺に攻撃をしてこない。

その違いは何だ?

俺はさっきまでの悪魔とこの邪神の違いを少し考え…そして俺の中で答えがでた。

先程までの攻撃には俺が触手を踏んで大勢を崩した時に攻撃してきたり、追撃をしてきたりと理性的な攻撃をしてきたが、今の邪神はただ本能に従って破壊行為をしているだけだ。

つまりは先程まで有った理性が今は消えて本能で動いているという事だろう。

だとすればあの部屋に居た時、つまり俺に攻撃してきていたのは悪魔が完全に邪神に乗っ取られていなかったという事か。

「おっと」

俺はこちらに向かって飛んできた触手を後ろに跳ねる事で回避する。

いきなり飛んできた攻撃に俺を狙ったのかと思い邪神を見る…が、邪神は俺に気づいた様子は無い。

どうやら暴れている過程で俺に攻撃しただけだったみたいだ。

「じゃあやるか」

邪神が俺のことを認識していないなら好都合だ。

俺は邪神から距離を取り、龍神の杖に魔力を流していき、擬似ブレスの準備をする。

「アアァァァァ!!」

杖に魔力を流している間にも邪神から目を離さない。

たまに飛んでくる攻撃を避けながら俺は遂に龍神の杖に魔力を流し終えた。

龍神の杖に流した魔力は俺の魔力の半分。

万が一仕留めきれなかった時の為に半分は魔力を残しておいた。

俺は杖を邪神の方に向ける。

「吹き飛べ!」

そして擬似ドラゴンブレスを発射。

杖から先ほど撃ったものとは比べ物にもならない規模の擬似ブレスが放たれる。

「ギャァァァ!!…」

俺の総魔力の半分を込めた擬似ブレスは邪神を包み込みながらも直進していく。

「やったか?」

そして擬似ブレスが消える。

先程まで邪神が居た場所を確認するが、其処には肉片1つすら存在しなかった。
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