109 / 280
109
しおりを挟む
「彼女さんの事、お好きなんですね」
男性の笑っている姿を見た俺はそう思った。
「おうよ!アイツはな…」
男性は俺とヤヨイに付き合っている女性の事を話してくれた。
どんな事をしたとか、どんな所が可愛かっただとか
「それでな、俺が家を出る時に裾を掴んで、「気をつけて下さいね」って言った時の顔が本当に可愛くて…っと、俺の話はこれぐらいにしよう、これ以上喋ってたら止まりそうにねぇ、それで、兄ちゃん達が2人で公国に向かってる理由は?」
公国に向かう理由、何処かで聞かれるだろうと思っていた俺は、ヤヨイと2人で考えた理由を話す。
まぁ2人で考えたと言っても俺が考えた理由におかしい所が無いかをヤヨイに聞いただけだがな。
「俺たちは王都でダンジョンに潜っていたんですが、大分お金が貯まったんで他の国に行こうって感じで、何処に行こうか悩んでたら、丁度この依頼が有ったので」
「そうなのか、観光か…公国は良い所だから楽しんでくれよなって言いたいんだが…」
「何か有るんですか?」
俺は男性に質問をする。
「ああ、最近なんだか物騒な噂が流れているんだ、公国が他の国と戦争をするって言う噂がな」
「本当ですか?」
話を聞いた俺は驚く。
「俺もさっき聞いた話なんだが、公国が食料を買い集めているみたいなんだよ、別に自国で取れている分でも充分に食べていけるはずなのに…しかもこの馬車に乗ってるのもモンスターの素材だって言うじゃ無いか、馬車に積んでいる素材の量を考えたら噂が本当なんじゃないかって考えちまう」
「そうなんですか…」
まさかの情報だ。
「買われている食料も嗜好品の類では無いのですか?」
ヤヨイは男性に聞く。
「ああ、この依頼人が他の商人と話していた内容を聞いたから間違いは無いだろう」
自国で充分賄える筈の嗜好品ではない食料を買い集める、そして大量の魔物素材か…断言は出来ないがこれは…
「話を聞いて考えて見たんだが、これは十中八九」
「戦争が起こりますね」
俺の言葉に被せる様にヤヨイが断言する。
「となるとこの馬車に乗ってる素材は研究目的じゃなく装備の開発に使われる可能性が高いって訳か…」
男性は少し表情を暗くする。
やっぱり自分の祖国が戦争をするかもってなったら暗くなるか。
「戦争が起こるなら彼女さんを連れて他国に避難した方が良いですよ」
「まぁそうだよな…アイツを危険な目に遭わせる訳にもいかねぇし…よし、家に帰ったら直ぐに他国に渡る準備をする事にしよう」
「そうですね、それが良いと思いますよ」
ヤヨイは男性の言葉に賛同する。
「でも、戦争の原因ってなんだ?」
俺は疑問に思った事を口に出す。
現状考えた所では、公国が戦争をする可能性は高い。
だが、何故公国が戦争をしようとしているのかが分からない。
何か国交で何かが有ったと言う可能性が考えられるが、国民に被害を与える戦争を起こす程の失敗などそうそう起こる事では無い。
相手側のトップを侮辱したとか、国を貶める様な事を言ったり、したとか?
だが、今まで国交を結んでいた国をいきなり侮辱したりなどはしないだろう。
「それは俺にもわからねぇ」
冒険者の男性も戦争が起きるかもしれないと噂になった理由を知らないらしい。
まぁ戦争の理由は一旦置いておいて、次は公国が何処と戦争をするかだ。
「それで、公国は何処と戦争を起こすかも知れないと噂されているのですか?」
ヤヨイが男性に質問をする。
「それか、俺が聞いた商人達の話だと今モンスターの素材や食料を買い集めているのは公国と教国だって言ってたぞ」
成る程、同時期に食料と武器や防具の素材となる物を買い集めていると…どうやら公国が戦争をしようとしているのは教国で間違い無いだろう。
邪神の力を処理する前に新しい問題が出てきたな。
男性の笑っている姿を見た俺はそう思った。
「おうよ!アイツはな…」
男性は俺とヤヨイに付き合っている女性の事を話してくれた。
どんな事をしたとか、どんな所が可愛かっただとか
「それでな、俺が家を出る時に裾を掴んで、「気をつけて下さいね」って言った時の顔が本当に可愛くて…っと、俺の話はこれぐらいにしよう、これ以上喋ってたら止まりそうにねぇ、それで、兄ちゃん達が2人で公国に向かってる理由は?」
公国に向かう理由、何処かで聞かれるだろうと思っていた俺は、ヤヨイと2人で考えた理由を話す。
まぁ2人で考えたと言っても俺が考えた理由におかしい所が無いかをヤヨイに聞いただけだがな。
「俺たちは王都でダンジョンに潜っていたんですが、大分お金が貯まったんで他の国に行こうって感じで、何処に行こうか悩んでたら、丁度この依頼が有ったので」
「そうなのか、観光か…公国は良い所だから楽しんでくれよなって言いたいんだが…」
「何か有るんですか?」
俺は男性に質問をする。
「ああ、最近なんだか物騒な噂が流れているんだ、公国が他の国と戦争をするって言う噂がな」
「本当ですか?」
話を聞いた俺は驚く。
「俺もさっき聞いた話なんだが、公国が食料を買い集めているみたいなんだよ、別に自国で取れている分でも充分に食べていけるはずなのに…しかもこの馬車に乗ってるのもモンスターの素材だって言うじゃ無いか、馬車に積んでいる素材の量を考えたら噂が本当なんじゃないかって考えちまう」
「そうなんですか…」
まさかの情報だ。
「買われている食料も嗜好品の類では無いのですか?」
ヤヨイは男性に聞く。
「ああ、この依頼人が他の商人と話していた内容を聞いたから間違いは無いだろう」
自国で充分賄える筈の嗜好品ではない食料を買い集める、そして大量の魔物素材か…断言は出来ないがこれは…
「話を聞いて考えて見たんだが、これは十中八九」
「戦争が起こりますね」
俺の言葉に被せる様にヤヨイが断言する。
「となるとこの馬車に乗ってる素材は研究目的じゃなく装備の開発に使われる可能性が高いって訳か…」
男性は少し表情を暗くする。
やっぱり自分の祖国が戦争をするかもってなったら暗くなるか。
「戦争が起こるなら彼女さんを連れて他国に避難した方が良いですよ」
「まぁそうだよな…アイツを危険な目に遭わせる訳にもいかねぇし…よし、家に帰ったら直ぐに他国に渡る準備をする事にしよう」
「そうですね、それが良いと思いますよ」
ヤヨイは男性の言葉に賛同する。
「でも、戦争の原因ってなんだ?」
俺は疑問に思った事を口に出す。
現状考えた所では、公国が戦争をする可能性は高い。
だが、何故公国が戦争をしようとしているのかが分からない。
何か国交で何かが有ったと言う可能性が考えられるが、国民に被害を与える戦争を起こす程の失敗などそうそう起こる事では無い。
相手側のトップを侮辱したとか、国を貶める様な事を言ったり、したとか?
だが、今まで国交を結んでいた国をいきなり侮辱したりなどはしないだろう。
「それは俺にもわからねぇ」
冒険者の男性も戦争が起きるかもしれないと噂になった理由を知らないらしい。
まぁ戦争の理由は一旦置いておいて、次は公国が何処と戦争をするかだ。
「それで、公国は何処と戦争を起こすかも知れないと噂されているのですか?」
ヤヨイが男性に質問をする。
「それか、俺が聞いた商人達の話だと今モンスターの素材や食料を買い集めているのは公国と教国だって言ってたぞ」
成る程、同時期に食料と武器や防具の素材となる物を買い集めていると…どうやら公国が戦争をしようとしているのは教国で間違い無いだろう。
邪神の力を処理する前に新しい問題が出てきたな。
0
あなたにおすすめの小説
狼になっちゃった!
家具屋ふふみに
ファンタジー
登山中に足を滑らせて滑落した私。気が付けば何処かの洞窟に倒れていた。……しかも狼の姿となって。うん、なんで?
色々と試していたらなんか魔法みたいな力も使えたし、此処ってもしや異世界!?
……なら、なんで私の目の前を通る人間の手にはスマホがあるんでしょう?
これはなんやかんやあって狼になってしまった私が、気まぐれに人間を助けたりして勝手にワッショイされるお話である。
セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~
空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。
もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。
【お知らせ】6/22 完結しました!
外れスキルは、レベル1!~異世界転生したのに、外れスキルでした!
武蔵野純平
ファンタジー
異世界転生したユウトは、十三歳になり成人の儀式を受け神様からスキルを授かった。
しかし、授かったスキルは『レベル1』という聞いたこともないスキルだった。
『ハズレスキルだ!』
同世代の仲間からバカにされるが、ユウトが冒険者として活動を始めると『レベル1』はとんでもないチートスキルだった。ユウトは仲間と一緒にダンジョンを探索し成り上がっていく。
そんなユウトたちに一人の少女た頼み事をする。『お父さんを助けて!』
優の異世界ごはん日記
風待 結
ファンタジー
月森優はちょっと料理が得意な普通の高校生。
ある日、帰り道で謎の光に包まれて見知らぬ森に転移してしまう。
未知の世界で飢えと恐怖に直面した優は、弓使いの少女・リナと出会う。
彼女の導きで村へ向かう道中、優は「料理のスキル」がこの世界でも通用すると気づく。
モンスターの肉や珍しい食材を使い、異世界で新たな居場所を作る冒険が始まる。
転生特典〈無限スキルポイント〉で無制限にスキルを取得して異世界無双!?
スピカ・メロディアス
ファンタジー
目が覚めたら展開にいた主人公・凸守優斗。
女神様に死後の案内をしてもらえるということで思春期男子高生夢のチートを貰って異世界転生!と思ったものの強すぎるチートはもらえない!?
ならば程々のチートをうまく使って夢にまで見た異世界ライフを楽しもうではないか!
これは、只人の少年が繰り広げる異世界物語である。
アラフォーおっさんの週末ダンジョン探検記
ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
ある日、全世界の至る所にダンジョンと呼ばれる異空間が出現した。
そこには人外異形の生命体【魔物】が存在していた。
【魔物】を倒すと魔石を落とす。
魔石には膨大なエネルギーが秘められており、第五次産業革命が起こるほどの衝撃であった。
世は埋蔵金ならぬ、魔石を求めて日々各地のダンジョンを開発していった。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
転生したらスキル転生って・・・!?
ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。
〜あれ?ここは何処?〜
転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる