死んだと思ったら異世界に

トワイライト

文字の大きさ
202 / 280

202

しおりを挟む
受付嬢と話をしてから少し経った時、執務室のドアが開いた。

ガチャ!という音と共に執務室には今回の目的の1人で有る修羅が入ってきた。

「帰ってきたか…待ってたぞ」

入ってきた修羅に俺はそう声を掛ける。

「っ!」

俺に声を掛けられた修羅は驚いた様な反応をしてこちらに向けてパンチを放ってきた。

「おいおい、危ないじゃ無いか」

俺は修羅のパンチを振り向いて正面から掴み声を掛ける。

この威力、俺が止めなかったら部屋の中が大変な事になっていたぞ。

「主殿!…申し訳ございません!」

俺にパンチを受け止められた修羅は一瞬驚いた顔をして俺の顔を見る。

そして俺の顔を確認した所でさっきより驚いた顔をして…そしてすぐさま土下座をし始めた。

「修羅、顔を上げてくれ、それで?何が有ったんだ?」

俺は土下座をしている修羅にそう声を掛ける。

先ずは修羅に顔を上げさせて事情を聞かなければいけない。

修羅がいきなり俺に殴り掛かってくるとは思えないし、そもそも修羅の反応的に俺がここに居るのを知らなかった様な反応だったからな。

「本当に申し訳有りません!執務室に入ったら気配もしないのにいきなり声が掛かったので賊が入り込んだのかと…まさか主殿だったとは…この修羅、腹を切って謝罪を」

修羅はそう言って何処からか取り出した小刀で腹を…って!

「待て待て!いきなり何を言い始めてんだ!」

俺は馬鹿な事をやろうとしている修羅を止める。

「ですが!自分の主君に手を出すなど部下の恥!もうこうするしか…」

そう言えば修羅って武人設定だったな、だから切腹って…戦国時代じゃあるまいし

「俺は別に怒ってないから気にするな…それより、何かあったのか?」

帰ってきて部屋に入った瞬間に声が掛かる…そんな状況だったら驚いて手が出てしまうのも仕方ないかも知れないけどそれにしてもまぁまぁな威力で攻撃していたからな。

まぁ修羅は不器用だったからいきなりの事で加減を誤ったなんて事もありそうだけどな。

「いえ、今回は本当に私のミスです、用事を終えて安心した時に気配の無い場所から声が掛けられたので反射的に手が出てしまいました…」

気配が無い?…そう言えば…

俺は転移する前に掛けた気配遮断の効果を消し忘れていた事に気付いた。

でも可笑しいぞ…確かさっきエステラや受付嬢、冒険者達は俺の事を認識できていたな。

気配遮断の効果が上手く発動していなかった?いや、大通りを歩いているときはエステラ以外は俺を認識していなかったし、実際に今も修羅は俺に気づいていなかった。

となると考えられるのは…ユグドラシルオンラインと気配遮断の効果が変わっているという事か。

確かにスキルの効果がユグドラシルオンラインと違うスキルがあるというのは知っていたがまさか気配遮断も効果が変わっていたなんて…コレは後で検証する必要があるかもしれないな。

変更された部分を知らなくて何かを失敗しましたなんてなったら嫌だからな。

まぁ気配遮断については置いておくとして、修羅と話をする事にしよう。

「修羅、すまない!それ俺の所為だ、気配遮断を消し忘れてた」

俺は修羅に謝る。

「いえ…主殿に気づかなかった私が悪いのです、それに咄嗟の事とは言え主殿に手を出してしまうとは…本当に…」

修羅はそう言って落ち込んでしまった。

「まぁまぁ、気にするなって!俺も気配遮断を消し忘れてたって言うのも有るし、どっちも悪かったって事で手を打とうぜ」

俺は落ち込んでいる修羅にフォローを入れる。

「そう言ってもらえるとありがたいです…」

そう言った修羅の顔はさっきより少しだけ明るくなっている様な気がした。

よし、後少しって所だな。

「まぁ気にするな!失敗は誰にでも有るし、俺もいきなり自分でも気配が感じられない奴から声が掛かったら咄嗟に攻撃しちゃうと思うぞ、それに、失敗したなら次はしないように気をつければ良いだけだ」

「そうですね、気をつける事にします」

よし、修羅へのフォローはコレぐらいで良いだろう。
しおりを挟む
感想 11

あなたにおすすめの小説

男が英雄でなければならない世界 〜男女比1:20の世界に来たけど簡単にはちやほやしてくれません〜

タナん
ファンタジー
 オタク気質な15歳の少年、原田湊は突然異世界に足を踏み入れる。  その世界は魔法があり、強大な獣が跋扈する男女比が1:20の男が少ないファンタジー世界。  モテない自分にもハーレムが作れると喜ぶ湊だが、弱肉強食のこの世界において、力で女に勝る男は大事にされる側などではなく、女を守り闘うものであった。  温室育ちの普通の日本人である湊がいきなり戦えるはずもなく、この世界の女に失望される。 それでも戦わなければならない。  それがこの世界における男だからだ。  湊は自らの考えの甘さに何度も傷つきながらも成長していく。  そしていつか湊は責任とは何かを知り、多くの命を背負う事になっていくのだった。 挿絵:夢路ぽに様 https://www.pixiv.net/users/14840570 ※注 「」「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています。

異世界に転生した俺は英雄の身体強化魔法を使って無双する。~無詠唱の身体強化魔法と無詠唱のマジックドレインは異世界最強~

北条氏成
ファンタジー
宮本 英二(みやもと えいじ)高校生3年生。 実家は江戸時代から続く剣道の道場をしている。そこの次男に生まれ、優秀な兄に道場の跡取りを任せて英二は剣術、槍術、柔道、空手など様々な武道をやってきた。 そんなある日、トラックに轢かれて死んだ英二は異世界へと転生させられる。 グランベルン王国のエイデル公爵の長男として生まれた英二はリオン・エイデルとして生きる事に・・・ しかし、リオンは貴族でありながらまさかの魔力が200しかなかった。貴族であれば魔力が1000はあるのが普通の世界でリオンは初期魔法すら使えないレベル。だが、リオンには神話で邪悪なドラゴンを倒した魔剣士リュウジと同じ身体強化魔法を持っていたのだ。 これは魔法が殆ど使えない代わりに、最強の英雄の魔法である身体強化魔法を使いながら無双する物語りである。

セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~

空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。 もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。 【お知らせ】6/22 完結しました!

スライムに転生した俺はユニークスキル【強奪】で全てを奪う

シャルねる
ファンタジー
主人公は気がつくと、目も鼻も口も、体までもが無くなっていた。 当然そのことに気がついた主人公に言葉には言い表せない恐怖と絶望が襲うが、涙すら出ることは無かった。 そうして恐怖と絶望に頭がおかしくなりそうだったが、主人公は感覚的に自分の体に何かが当たったことに気がついた。 その瞬間、謎の声が頭の中に鳴り響いた。

異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める

自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。 その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。 異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。 定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。

荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明

まったりー
ファンタジー
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。 そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。 その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

処理中です...