役立たずの最強治癒(?)使い

焼肉

文字の大きさ
20 / 54

作戦会議

しおりを挟む
入り口から入ってきたロイさんとおばちゃんは「おう」やら「あら」やらとこちらを見て軽く手を振ってくる。こちらも軽く頭を下げ挨拶する。

2人が村長の隣にくるとルナさんが口を開く。

「突然の呼び出し本当にすいませんでした。どうしても伝えねばならぬことがありましたので...」

宿のおばちゃんがニヤニヤしながら俺を見て「あらあらルナ様。そちらのお兄さんと付き合うことにでもなったのかぃ?若いっていいねぇ」と茶化してきた。

ルナさんは顔をボッと赤くしたが首を振り少し怒って否定している。
そんなに否定されると落ち込みそうだ。しょぼ~ん。
おっとふざけてる場合じゃないな。軽く咳をする。


ルナさんもこちらに気づいたようでオホン。っと改めて真剣な眼差しで3人へ語り出す。

「どうやらオークの軍団がこのアーベル村を襲いにくるらしいのです。今日集まっていただいたのは対策と相談をさせていただこうと思いまして」

村長が鋭い眼光でルナさんの様子を見ている。「その情報はたしかか?」と切り返してきた。

するとロイさんが口を開いた。
「確か北の山のほうで先日オークが2体確認されたというのを聞いたな。
帰ってきた連中は腕利きだったから問題なかったが確かにこの辺りでオーク、しかもそれが複数などかなり珍しいと思っていたんだ。そのあたりの絡みがあるのかもしれんな」


ふむ。っと村長が顎に手をやり考えている。

「私達としてはオークの軍団の規模も分からない以上村人と共に避難するべきかと思いますが」
ルナさんが俺の意見を述べてくれた。


3人は顔を見合わせ不敵に笑いあっている。なにかヤバい雰囲気があるぞ。
「ベルゼル腕がなるわね!」おばちゃんが村長に向けて言葉を投げかける。
ロイさんを見ると腕をまくり肩を鳴らしている。
村長は「よし!久しぶりにひと暴れしようかね」などと言っている。


おいおい。まじですか?ベテラン冒険者が1匹倒すのも苦戦すると話を聞いたのにそれが軍団としてくるんですよ!?

「ちょっちょっと待ってください。危険です。3人、仮に冒険者を入れたとしても20人ほどです。不確定な相手に危険過ぎます!」ルナさんが真剣な顔で抗議する。


「な~に。この村の連中はほとんどみんな元冒険者だ。そんなやわじゃね~よ。といってもルナちゃんが赴任してくる前だからかなり前だけどな」

村長さんそんなことはじめて知りましたよ。確かにみんな覇気がある気はしたけどな。

しかし...。

「危険じゃないですか?死人が出ると思いますが...」俺はつい口を出してしまった。

「危険?それは冒険者をしていたときから当たり前だ。それよりも俺達はここまで皆と共に育て上げてきたこの村を魔物なんぞに渡すほうが命をくれてやるより悔しいわ」


...。
そうか。俺は最近きたばかりだがこの村には歴史があるのだ。
それも村全員で作り上げた宝なのだ。それを危険だ。逃げろは確かに失礼だな。俺はここの人達が好きだ。俺だけ逃げるなんてありえない。

俺は決意をしルナさんを見る。
ルナさんも俺を見ると力強い目で頷いてくれた。お互い覚悟を決めていた。

「分かりました。僕になにが出来るか分かりませんが村を助ける手助けを少しでもやらせてください」

3人は驚いた顔をしていたが、ありがたいと頭を下げてくれた。
俺には治癒魔法は使えないが少しでも役に立てるなら少しでも被害が少なくなるよう手助けをしよう。



そうして軽く作戦会議をする。
情報をまとめるならおおよそ北からオークはくるのだろう。しかし必ず北から来るとは限らないもしかしたら山をすでに迂回していて北以外から攻めてくる可能性もある。
そのため村の北には1番強いという村長改めベルゼルさん。
東と西にはロイさんと宿のおばちゃん改めリゼさんがそれぞれ。
南は崖と川が流れているだけなのでこの布陣で行くことにした。
あとはそれぞれの布陣に冒険者と村人の混合チームを配置し軍団が来たところで合流するという感じだ。もちろん現れる前に位置が掴めるのがベストなので探索パーティーはこのあとすぐ編成して送るそうだ。

俺とルナさんは村の中央に位置する教会にて子供達の保護と怪我人の治癒ということだ。


俺も戦闘に出るように言ったがレベル1のやつはかえって足手まといになりえるので治癒使いとして治癒に集中してほしいということだ。
治癒魔法が使えないと言ったが子供達を頼むと言われた。
そこまで言われてはこれ以上こちらから言うことは出来なかった。任された仕事を責任持ってやらなければな。


そうして大まかな作戦を決めたところで解散になった。
ベルゼルさん達は村人と冒険者に声をかけにルナさんは子供達に説明をしに行く。
俺は宿に向かい干してある薬草をセンズにしていく。俺には治癒魔法が使えない。
少しでも被害が抑えられるようやれることはやっていかなければな。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

聖女の、その後

六つ花えいこ
ファンタジー
私は五年前、この世界に“召喚”された。

最初から最強ぼっちの俺は英雄になります

総長ヒューガ
ファンタジー
いつも通りに一人ぼっちでゲームをしていた、そして疲れて寝ていたら、人々の驚きの声が聞こえた、目を開けてみるとそこにはゲームの世界だった、これから待ち受ける敵にも勝たないといけない、予想外の敵にも勝たないといけないぼっちはゲーム内の英雄になれるのか!

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

クラス召喚されて助かりました、逃げます!

水野(仮)
ファンタジー
クラスでちょっとした騒動が起きていた時にその場に居た全員が異世界へ召喚されたみたいです。

処理中です...