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第5話 猫型スパダリ(王様・ドS)
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次の日、わたしは王の間に謁見を許されていた。
な、なぜ?
理由はよくはわからずとも、とりあえずひざまずいていた。
「おい」
王様が言った。
「お前、なんでひざまずいてるの?」
周りを見渡すと、だれもひざまずいたりしてなかった。みんな立ってる。というか、ひざまづいてるわたしを物珍しげに見ている。
「えっ?いいんですか?」
わたしが思わず聞く。
「いいも何も、ウチそーいうのじゃないから。ほら、椅子の位置だって低いでしょ?」
確かに、王の座ってる椅子は何の変哲もないものだし、高いところに置かれてもいなかった。わたしと王の間に段差はなかった。
「あっ、はい」
わたしはちょっと照れ笑いを浮かべながら、立ち上がった。
王様はフッと笑った。その仕草がまたよく似合う、高貴な感じのする猫型の人だった。某猫型ロボットとは違い、顔も体つきもスッキリしている。美とはこういうものだ!と体現しているかのようだった。
「頭が高い!」
「ハッ!」
王様が歯切れよく言った。見惚れていたからか、わたしはついついまたひざまづいてしまった。しかも、返事までそれっぽく言って。
「あっはっは!こいつ、おもしれー」
愉快そうに王は笑った。高貴さが瞬時に吹き飛んだ。どこかの悪ガキのようだ。わたしはちょっと辱めを受けた気分になって、ムッとした。
「王!」
そこへ王の横に立っていたいかにも賢そうなトナカイ型の人がたしなめて、紙の資料を王に一枚渡した。
「あー、はいはい。さて、オグマ・ミカン。お前は転生者だな?」
王がズバリ言った。
「いやー、どうなんですかね?」
わたしは自信なさげに答えた。
「たしかにここはわたしの知らない世界なんですけど」
朝起きて、鏡を見た。転生だといのなら、生まれ変わってなければいけないのでは?と思った。つまり、見た目も何かしら変わっているのでは?と。しかし、どこも変わっているところは見当たらなかった。
「転生というか、転移なんじゃないでしょうか?」
わたしは嫌な予感がしていた。異世界行った→いきなり王から呼び出しがある。コレ、面倒事押し付けられるパターンじゃね?そして、チート的な能力があればいいが、今の所わたしにはそれが見当たらない。ということは、とてつもない苦難がこれから待ち受けてるんじゃなかろうか?
内心、戦々恐々としていた。
「いや、間違いない」
王はキッパリと言った。あっ、この人ゴリ押し我が道を行くタイプとみた。
「報告によると、お前は昨日ずいぶんアグレッシブに転がって街中に入ってきたが、全くの無傷。これは聖女の加護が施されていると見るべきだ」
「いや、聖女の加護が何なのかはわかりませんが、痛かったはずです」
わたしは昨日打ったはずの頭をおさえた。
「まだこれまでの経験の感覚と、肉体の感覚にズレがあるだけだろう。どれ、試してみるか。アルス!」
王が力強く唱えると、石畳の隙間からニョキニョキと茨が生えてきた。
「うわ、うわわわわ」
逃げようと思っても、足にすでに絡みついていた。すぐに全身に絡みついて、拘束されてしまった。
王が近づいてくる。
「どうだ?痛いか?」
拘束されたわたしに顔を近づけて、ドSにニヤァと聞いてくる。
「いた、いたい?アレ?痛くないです」
わたしは驚きながら答えた。茨には無数の棘があったが、それがわたしの肌に刺さることはなかった。
「ふむ、さすがだな」
王が頷くと、茨はしおしおと枯れてしまった。
王が席に戻り、足を組んで座って言う。
「さて、そんなお前にしかできないことを頼みたいのだ!」
王が言う。どうも聖女の加護とは、無敵バリアのようなものらしい。これはいよいよマズい展開になってきた。
「これは火急を要する国の一大事なのだ。国が滅ぶやもしれん」
マジトーンだ。となりのトナカイさんも深く頷いている。
なんだ?冒険か?魔王でも倒してこいっていうのか?マズい展開になっているのはわかるが、展開の速さについていけず、わたしはただただ聞き入るしかなかった。
な、なぜ?
理由はよくはわからずとも、とりあえずひざまずいていた。
「おい」
王様が言った。
「お前、なんでひざまずいてるの?」
周りを見渡すと、だれもひざまずいたりしてなかった。みんな立ってる。というか、ひざまづいてるわたしを物珍しげに見ている。
「えっ?いいんですか?」
わたしが思わず聞く。
「いいも何も、ウチそーいうのじゃないから。ほら、椅子の位置だって低いでしょ?」
確かに、王の座ってる椅子は何の変哲もないものだし、高いところに置かれてもいなかった。わたしと王の間に段差はなかった。
「あっ、はい」
わたしはちょっと照れ笑いを浮かべながら、立ち上がった。
王様はフッと笑った。その仕草がまたよく似合う、高貴な感じのする猫型の人だった。某猫型ロボットとは違い、顔も体つきもスッキリしている。美とはこういうものだ!と体現しているかのようだった。
「頭が高い!」
「ハッ!」
王様が歯切れよく言った。見惚れていたからか、わたしはついついまたひざまづいてしまった。しかも、返事までそれっぽく言って。
「あっはっは!こいつ、おもしれー」
愉快そうに王は笑った。高貴さが瞬時に吹き飛んだ。どこかの悪ガキのようだ。わたしはちょっと辱めを受けた気分になって、ムッとした。
「王!」
そこへ王の横に立っていたいかにも賢そうなトナカイ型の人がたしなめて、紙の資料を王に一枚渡した。
「あー、はいはい。さて、オグマ・ミカン。お前は転生者だな?」
王がズバリ言った。
「いやー、どうなんですかね?」
わたしは自信なさげに答えた。
「たしかにここはわたしの知らない世界なんですけど」
朝起きて、鏡を見た。転生だといのなら、生まれ変わってなければいけないのでは?と思った。つまり、見た目も何かしら変わっているのでは?と。しかし、どこも変わっているところは見当たらなかった。
「転生というか、転移なんじゃないでしょうか?」
わたしは嫌な予感がしていた。異世界行った→いきなり王から呼び出しがある。コレ、面倒事押し付けられるパターンじゃね?そして、チート的な能力があればいいが、今の所わたしにはそれが見当たらない。ということは、とてつもない苦難がこれから待ち受けてるんじゃなかろうか?
内心、戦々恐々としていた。
「いや、間違いない」
王はキッパリと言った。あっ、この人ゴリ押し我が道を行くタイプとみた。
「報告によると、お前は昨日ずいぶんアグレッシブに転がって街中に入ってきたが、全くの無傷。これは聖女の加護が施されていると見るべきだ」
「いや、聖女の加護が何なのかはわかりませんが、痛かったはずです」
わたしは昨日打ったはずの頭をおさえた。
「まだこれまでの経験の感覚と、肉体の感覚にズレがあるだけだろう。どれ、試してみるか。アルス!」
王が力強く唱えると、石畳の隙間からニョキニョキと茨が生えてきた。
「うわ、うわわわわ」
逃げようと思っても、足にすでに絡みついていた。すぐに全身に絡みついて、拘束されてしまった。
王が近づいてくる。
「どうだ?痛いか?」
拘束されたわたしに顔を近づけて、ドSにニヤァと聞いてくる。
「いた、いたい?アレ?痛くないです」
わたしは驚きながら答えた。茨には無数の棘があったが、それがわたしの肌に刺さることはなかった。
「ふむ、さすがだな」
王が頷くと、茨はしおしおと枯れてしまった。
王が席に戻り、足を組んで座って言う。
「さて、そんなお前にしかできないことを頼みたいのだ!」
王が言う。どうも聖女の加護とは、無敵バリアのようなものらしい。これはいよいよマズい展開になってきた。
「これは火急を要する国の一大事なのだ。国が滅ぶやもしれん」
マジトーンだ。となりのトナカイさんも深く頷いている。
なんだ?冒険か?魔王でも倒してこいっていうのか?マズい展開になっているのはわかるが、展開の速さについていけず、わたしはただただ聞き入るしかなかった。
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