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第6話 先輩ガチャって仕事において超重要
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そこは王の居城の一室にあった。とても広い部屋で、壁をぶち破ってさらに広くしていることがわかる。
その部屋を所狭しとフワフワモコモコのキッズたちが走り回っていた。
「か、かんわいいい~!」
わたしは思わずため息をもらしながら言った。
「そうか。それは良かった」
王は満面の笑みでそう言った。
「じゃ、あとは頼んだぞ」
そう言って立ち去ろうとする。
「ちょっ、ちょっと待って」
わたしは思わず、たなびくしっぽをつかんだ。
「こらー!」
すると、瞬時に頑固親父みたいに王は振り返って怒った。
「不埒者め!触っていいところと悪いところの区別もつかんのか!」
「ひー!ごめんなさい!わかりませんでした!」
「まったく!で、なんだ?」
「あっ、はい。頼むって、何をですか?」
「察しの悪いやつめ」
王がふんすとため息をつく。
「この子どもたちの面倒をみて欲しいのだ」
「えー!」
わたしは驚いて言った。
「魔王討伐とかかと思った」
「何を時代錯誤な」
王が顔を歪めて言う。
「そんなものに血道を上げて何になる?そんなことよりも、子どもの面倒をみるということは、何をおいても大切なことではないか?」
一瞬で、王から後光がさした気がした。
「やります!」
ガシッと王の手を掴み、わたしは言った。
「お、おう、そうか。それは良かった」
じゃ、頼んだぞ!と言い、王はさっさと行ってしまった。
でも、行ってから気づいた。
あれ?引き継ぎは?
とゆーか、正直、この子たちをどう面倒みたらいいかわからん。
しかも、まさかのワンオペ?
「こんにちは!」
足元に小さなアルマジロ型の人がいるのに気づいた。
「あっ、こんにちは」
わたしもあいさつを返して、しゃがんだ。
「サティといいます。ミカンさんですね?」
小さな手を差し出してくる。
内心かんわいいい~!と悶絶しながら手を握った。
「どうも」
なるべくキリッとして。
「新しい人が来てくれて助かります。しかも、転生者!これは期待大です!」
サティさんが言う。
「あの~」
「はい?」
「転生者ってポピュラーなものなんですか?」
転生って概念がそもそもこの世界では一般的でリアルなものなのか?疑問に思った。少なくともわたしの元いた世界では、それはファンタジー的なものだ。
「ええ、そうだと思いますよ」
けど、サティさんはあっさり言った。
「なんでもお隣の世界では、異世界転生ものというフィクションが特定地域で流行っているらしくて、実際に転生できるものならしてみたいという若者も相当いるとか」
「はぁ、どうもそのようですね。わたしもあんまり詳しくはないのですが」
「じゃあ、スカウトしてもいいだろう!ということになりまして、たまに聖女様が出掛けて行っては有望そうな若者をひっか、ゲフンゲフン、連れてくると聞いていますが」
スカウトだったのか。ひっかけられたのか。そんなポップな感じだったのか。
「えっ、てゆーか、聖女ってあのおばあさんだったの?」
わたしは驚いて言った。
「ああ、なんでも向こうに馴染みやすい格好をしているとか。聖女様はそれはもう神々しいお姿を普段はされていますよ」
そうなのか。想像つかない。
「さっ、それよグフゥッ!」
目の前にいたサティさんが、横から何かに衝突されて吹っ飛んだ。その何かは風のような速さでまたどこかに行ってしまった。
「サティさーーーん!」
わたしは思わず叫ぶ。
サティさんは丸まって、転がってもどってきた。
「ふぅ、まったく、ヤンチャな小坊主たちだこと」
何事もないようにしゃべり始めたが、口からは血が垂れていた。
「だ、大丈夫ですか?」
「ああ、口の中が切れただけよ」
平気、平気と言うサティさん。なんというか慣れっこだ。
「いつもなら瞬時に丸まるんだけど、今日は遅れてしまったわ」
口を可愛らしいお手々でワイルドに拭う。
「先輩としてお恥ずかしい」
先輩だったのか。わたしはそこでようやく認識した。
「一緒に頑張りましょう!わからないことがあったら教えますし、わたしも色々至らない点が多々あります。間違いがあったら遠慮なく指摘してください。教え合って行きましょう!」
サティ先輩は小さな手を胸の前で握りしめた。
理想の先輩キターーー!
しかも、可愛い。
わたしは握りしめられたサティ先輩の両手を包みこんだ。
「ハイ!一緒に頑張りましょう!」
その部屋を所狭しとフワフワモコモコのキッズたちが走り回っていた。
「か、かんわいいい~!」
わたしは思わずため息をもらしながら言った。
「そうか。それは良かった」
王は満面の笑みでそう言った。
「じゃ、あとは頼んだぞ」
そう言って立ち去ろうとする。
「ちょっ、ちょっと待って」
わたしは思わず、たなびくしっぽをつかんだ。
「こらー!」
すると、瞬時に頑固親父みたいに王は振り返って怒った。
「不埒者め!触っていいところと悪いところの区別もつかんのか!」
「ひー!ごめんなさい!わかりませんでした!」
「まったく!で、なんだ?」
「あっ、はい。頼むって、何をですか?」
「察しの悪いやつめ」
王がふんすとため息をつく。
「この子どもたちの面倒をみて欲しいのだ」
「えー!」
わたしは驚いて言った。
「魔王討伐とかかと思った」
「何を時代錯誤な」
王が顔を歪めて言う。
「そんなものに血道を上げて何になる?そんなことよりも、子どもの面倒をみるということは、何をおいても大切なことではないか?」
一瞬で、王から後光がさした気がした。
「やります!」
ガシッと王の手を掴み、わたしは言った。
「お、おう、そうか。それは良かった」
じゃ、頼んだぞ!と言い、王はさっさと行ってしまった。
でも、行ってから気づいた。
あれ?引き継ぎは?
とゆーか、正直、この子たちをどう面倒みたらいいかわからん。
しかも、まさかのワンオペ?
「こんにちは!」
足元に小さなアルマジロ型の人がいるのに気づいた。
「あっ、こんにちは」
わたしもあいさつを返して、しゃがんだ。
「サティといいます。ミカンさんですね?」
小さな手を差し出してくる。
内心かんわいいい~!と悶絶しながら手を握った。
「どうも」
なるべくキリッとして。
「新しい人が来てくれて助かります。しかも、転生者!これは期待大です!」
サティさんが言う。
「あの~」
「はい?」
「転生者ってポピュラーなものなんですか?」
転生って概念がそもそもこの世界では一般的でリアルなものなのか?疑問に思った。少なくともわたしの元いた世界では、それはファンタジー的なものだ。
「ええ、そうだと思いますよ」
けど、サティさんはあっさり言った。
「なんでもお隣の世界では、異世界転生ものというフィクションが特定地域で流行っているらしくて、実際に転生できるものならしてみたいという若者も相当いるとか」
「はぁ、どうもそのようですね。わたしもあんまり詳しくはないのですが」
「じゃあ、スカウトしてもいいだろう!ということになりまして、たまに聖女様が出掛けて行っては有望そうな若者をひっか、ゲフンゲフン、連れてくると聞いていますが」
スカウトだったのか。ひっかけられたのか。そんなポップな感じだったのか。
「えっ、てゆーか、聖女ってあのおばあさんだったの?」
わたしは驚いて言った。
「ああ、なんでも向こうに馴染みやすい格好をしているとか。聖女様はそれはもう神々しいお姿を普段はされていますよ」
そうなのか。想像つかない。
「さっ、それよグフゥッ!」
目の前にいたサティさんが、横から何かに衝突されて吹っ飛んだ。その何かは風のような速さでまたどこかに行ってしまった。
「サティさーーーん!」
わたしは思わず叫ぶ。
サティさんは丸まって、転がってもどってきた。
「ふぅ、まったく、ヤンチャな小坊主たちだこと」
何事もないようにしゃべり始めたが、口からは血が垂れていた。
「だ、大丈夫ですか?」
「ああ、口の中が切れただけよ」
平気、平気と言うサティさん。なんというか慣れっこだ。
「いつもなら瞬時に丸まるんだけど、今日は遅れてしまったわ」
口を可愛らしいお手々でワイルドに拭う。
「先輩としてお恥ずかしい」
先輩だったのか。わたしはそこでようやく認識した。
「一緒に頑張りましょう!わからないことがあったら教えますし、わたしも色々至らない点が多々あります。間違いがあったら遠慮なく指摘してください。教え合って行きましょう!」
サティ先輩は小さな手を胸の前で握りしめた。
理想の先輩キターーー!
しかも、可愛い。
わたしは握りしめられたサティ先輩の両手を包みこんだ。
「ハイ!一緒に頑張りましょう!」
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