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第18話 デイジー、弟子を奪い返しにいく①
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「アレキサンダー!お願い乗せて!」
わたしが声をかけるとアレキサンダーは待ってましたといわんばかりに大木から勢いよく飛び出してきたわ。
「あれ?お姉ちゃんどこ行くの?」
そこへちょうどシャロワとベニマルがやってきたの。手にはアレキサンダーの食事と本日のおやつを持っている。
「あ、今日お客さんいないですね。ひさしぶりにみんなでお茶しませんか?」とベニマルがほがらかにほほ笑む。
「すまん!ふたりとも、ルーファスを奪い返しに行ってくる!今日のところは帰ってくれ!行け!アレキサンダー!」
だけど、わたしの号令はむなしく空に響くだけだったわ。
アレキサンダーはシャロワの手にある食事に吸い寄せられていったから。
「あ、ちょっ!ルーファスが心配じゃないのかっ!?」
「アギャ?」
「ここぞという時にわからないふりするんじゃない!」
「ねえ!お姉ちゃん、どういうこと?」
シャロワが聞く。ベニマルもとなりで心配げな顔をしている。
アレキサンダーはもう完全に羽をたたんでお食事モードだ。
「アレキサンダー!お座り!」シャロワが言うと、アレキサンダーはお行儀よくちょこんと座っちゃったわ。
「お姉ちゃん、話してくれないとアレキサンダーは貸さないよ」
わたしはアレキサンダーの背中からしぶしぶ降りるほかなかったの。
「ルーファスお兄ちゃんがさらわれたってこと!?あの“凶兆のセイフリッド・アームストロング”に!?」
話を聞いたシャロワが驚愕してた。ちなみにこれまでの交流のなかでルーファスが男の子であることを二人は知っていたわ。その時も驚愕していたけど、今回もおなじくらい驚愕してた。
「いや、さらわれたかっていうと微妙なんだけど…」
「でも、脅されてたんでしょ!?」
「まあ、そうね」
「なあ、シャロワ」とベニマル。「凶兆のセイフリッド・アームストロングってなんだ?」
「そんなことも知らないの!?このゼファニヤで暮らすなら、関わりを持っちゃいけない人間の一人よ」
「知らないなあ」牧歌的にベニマルが言う。この子のこういうところ好き。
「有名な話があるわ。社交界でバカな貴族が絡んだのよ。最古の魔法使いのお手並みを拝見したいものですなあって。そしたら、庭を指さして『木の葉でカエルを潰して見せましょう』って言うのよ。でも季節は冬が始まろうとしていてカエルなんているわけないの」
「う、うん」
途端に怪談じみた雰囲気を感じるわ…。わたし、怖いの苦手なのよね。
「貴族が『いもしないカエルを潰して見せるとは、さすがは最古の魔法使い。禅問答ですかな?』と言って笑いものにしたの。それがその貴族の最後の言葉よ。セイフリッドは貴族をカエルにしてしまったの。カエルになった貴族は必死に逃げたわ。それを楽しそうに木の葉をゆらめかせて追い回して、結局潰してしまったの」
「…貴族はどうなったの?」
「当然死んだわ。しかも死んでもカエルのままという不名誉な形でね」
「そんなの周りが黙ってないんじゃないか?」
シャロワはベニマルの問いに首を振った。
「最古の魔法使いの一人よ。結局その貴族の死体自体は出ていないし、だれも罪には問えなかったわ」
「…なるほど。それは関わっちゃいけないね」
「そうよ!なんせちょっと魔法を見せてくれっていうだけで無惨に殺されちゃうんだから!この話で一番恐ろしいのはそこよ!わたしたちとは倫理観ずいぶんちがうのよ!」
わたしは客の貴婦人が『“凶兆のセイフリッド・アームストロング”を見ちゃった。今日は速く帰らなきゃ!』と言っていた理由がよくわかったわ。
「よし!じゃあ、はやくルーファスお兄ちゃんを助けに行きましょ!アレキサンダー!いつまで食べてるの!はやく飲みなさい!」
「ちょ!?ちょちょちょちょっと待ったー!」
「え?なに?」
わたしの叫びにシャロワは怪訝な顔をする。ベニマルもだったわ。
「いやいや、話の流れおかしいでしょ!?関わっちゃいけないんでしょ?帰りなさいよ」
「やだ」
「やだって…」
「わたしは貴族よ。友人が関わっちゃいけない人に関わろうとしているなら、身を挺してでも助けるものよ。そのくらいの矜持、幼くても持っています」
毅然として言われてしまったの。そしてさっさとアレキサンダーの背中に乗り込んでしまう。
ポカンとしているわたしにベニマルが言ったものよ。
「まあ、いざとなったらボクが守りますから」
「…なんかずいぶんうれしそうじゃん」とわたしが言うと「はは、やっぱボクのご主人様はカッコいいなって思いまして。惚れ直しました」とベニマルはのろけた。
「は、はあ!?なにバカなこと言ってるの!?」とシャロワが慌てる。「しかも、お姉ちゃんに向かって…!」
「直接言ったほうが良かったか?」とベニマルは余裕の笑みでシャロワの隣に乗り込んだの。
「は、はあ!?バッカじゃないの!?」
「あー、ハイハイ」
このままでは痴話げんかに見せかけたイチャイチャが始まってしまうわ。いや、もう始まってるか。いつもならじっくり鑑賞させてもらうのだけど、今日は時間がないの。
わたしはアレキサンダーの背中に飛び乗った。肩にはもちろんクロをのせている。クロの瞳は心なしかいつもより好奇心に満ちていたわ。本当にコイツはこういうところあるわね…。まったく、しょうがないやつ。
「じゃあ、一緒にルーファスを奪い返しに行きましょう!」
わたしの口元にも知らず、昂揚した笑みがこぼれていたわ。だって、討ち入り前はドキドキするものでしょ?
行き先は魔法学園〈ユグドラシル〉。
わたしが声をかけるとアレキサンダーは待ってましたといわんばかりに大木から勢いよく飛び出してきたわ。
「あれ?お姉ちゃんどこ行くの?」
そこへちょうどシャロワとベニマルがやってきたの。手にはアレキサンダーの食事と本日のおやつを持っている。
「あ、今日お客さんいないですね。ひさしぶりにみんなでお茶しませんか?」とベニマルがほがらかにほほ笑む。
「すまん!ふたりとも、ルーファスを奪い返しに行ってくる!今日のところは帰ってくれ!行け!アレキサンダー!」
だけど、わたしの号令はむなしく空に響くだけだったわ。
アレキサンダーはシャロワの手にある食事に吸い寄せられていったから。
「あ、ちょっ!ルーファスが心配じゃないのかっ!?」
「アギャ?」
「ここぞという時にわからないふりするんじゃない!」
「ねえ!お姉ちゃん、どういうこと?」
シャロワが聞く。ベニマルもとなりで心配げな顔をしている。
アレキサンダーはもう完全に羽をたたんでお食事モードだ。
「アレキサンダー!お座り!」シャロワが言うと、アレキサンダーはお行儀よくちょこんと座っちゃったわ。
「お姉ちゃん、話してくれないとアレキサンダーは貸さないよ」
わたしはアレキサンダーの背中からしぶしぶ降りるほかなかったの。
「ルーファスお兄ちゃんがさらわれたってこと!?あの“凶兆のセイフリッド・アームストロング”に!?」
話を聞いたシャロワが驚愕してた。ちなみにこれまでの交流のなかでルーファスが男の子であることを二人は知っていたわ。その時も驚愕していたけど、今回もおなじくらい驚愕してた。
「いや、さらわれたかっていうと微妙なんだけど…」
「でも、脅されてたんでしょ!?」
「まあ、そうね」
「なあ、シャロワ」とベニマル。「凶兆のセイフリッド・アームストロングってなんだ?」
「そんなことも知らないの!?このゼファニヤで暮らすなら、関わりを持っちゃいけない人間の一人よ」
「知らないなあ」牧歌的にベニマルが言う。この子のこういうところ好き。
「有名な話があるわ。社交界でバカな貴族が絡んだのよ。最古の魔法使いのお手並みを拝見したいものですなあって。そしたら、庭を指さして『木の葉でカエルを潰して見せましょう』って言うのよ。でも季節は冬が始まろうとしていてカエルなんているわけないの」
「う、うん」
途端に怪談じみた雰囲気を感じるわ…。わたし、怖いの苦手なのよね。
「貴族が『いもしないカエルを潰して見せるとは、さすがは最古の魔法使い。禅問答ですかな?』と言って笑いものにしたの。それがその貴族の最後の言葉よ。セイフリッドは貴族をカエルにしてしまったの。カエルになった貴族は必死に逃げたわ。それを楽しそうに木の葉をゆらめかせて追い回して、結局潰してしまったの」
「…貴族はどうなったの?」
「当然死んだわ。しかも死んでもカエルのままという不名誉な形でね」
「そんなの周りが黙ってないんじゃないか?」
シャロワはベニマルの問いに首を振った。
「最古の魔法使いの一人よ。結局その貴族の死体自体は出ていないし、だれも罪には問えなかったわ」
「…なるほど。それは関わっちゃいけないね」
「そうよ!なんせちょっと魔法を見せてくれっていうだけで無惨に殺されちゃうんだから!この話で一番恐ろしいのはそこよ!わたしたちとは倫理観ずいぶんちがうのよ!」
わたしは客の貴婦人が『“凶兆のセイフリッド・アームストロング”を見ちゃった。今日は速く帰らなきゃ!』と言っていた理由がよくわかったわ。
「よし!じゃあ、はやくルーファスお兄ちゃんを助けに行きましょ!アレキサンダー!いつまで食べてるの!はやく飲みなさい!」
「ちょ!?ちょちょちょちょっと待ったー!」
「え?なに?」
わたしの叫びにシャロワは怪訝な顔をする。ベニマルもだったわ。
「いやいや、話の流れおかしいでしょ!?関わっちゃいけないんでしょ?帰りなさいよ」
「やだ」
「やだって…」
「わたしは貴族よ。友人が関わっちゃいけない人に関わろうとしているなら、身を挺してでも助けるものよ。そのくらいの矜持、幼くても持っています」
毅然として言われてしまったの。そしてさっさとアレキサンダーの背中に乗り込んでしまう。
ポカンとしているわたしにベニマルが言ったものよ。
「まあ、いざとなったらボクが守りますから」
「…なんかずいぶんうれしそうじゃん」とわたしが言うと「はは、やっぱボクのご主人様はカッコいいなって思いまして。惚れ直しました」とベニマルはのろけた。
「は、はあ!?なにバカなこと言ってるの!?」とシャロワが慌てる。「しかも、お姉ちゃんに向かって…!」
「直接言ったほうが良かったか?」とベニマルは余裕の笑みでシャロワの隣に乗り込んだの。
「は、はあ!?バッカじゃないの!?」
「あー、ハイハイ」
このままでは痴話げんかに見せかけたイチャイチャが始まってしまうわ。いや、もう始まってるか。いつもならじっくり鑑賞させてもらうのだけど、今日は時間がないの。
わたしはアレキサンダーの背中に飛び乗った。肩にはもちろんクロをのせている。クロの瞳は心なしかいつもより好奇心に満ちていたわ。本当にコイツはこういうところあるわね…。まったく、しょうがないやつ。
「じゃあ、一緒にルーファスを奪い返しに行きましょう!」
わたしの口元にも知らず、昂揚した笑みがこぼれていたわ。だって、討ち入り前はドキドキするものでしょ?
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