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1章 死神の白魔法
24 当事者 ⑫
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成程、盗み入ったか。しかしオアシスのある場所に戻すとも言っていた。
だがどちらにせよ男がこの家に入った事は事実、何かある。
何より厄介なのは箱が盗まれた可能性がある事だ。しかしオアシスで殺されたサニアはどうしてあの場所で殺されたのか。
考えられるのは、オアシスでサニアと男が出会い偽物とバレ本物のある場所を吐かされ、男がサニアの家へと入った。と言う所か。もしくは別の場所で殺されオアシスまで運ばれた。あんな分かりやすい場所に彼女を捨てたのは見つかり易くする為?わざわざ布を被せ隠したのは魔獣に食い荒らさせない様にか?
考えるだけ無駄だと悟り、部屋から適当な服を纏い部屋を出ようとすると玄関にサニアの父、育ての親である男が辛うじてなんとか立っているといった様子でそこにいた。
「どけ」
一喝する俺に男は目の合わせず目線を床に逸らしながら言う。
「サニア・・・、本当にすまない。私は・・・お前の父親としてではなくやはり研究者としてお前を道具の一つとしか見れなかったのかもしれない」
人の家庭事情等興味はさらさら無い。そしてこの男の謝罪にはもう何の意味もないのだから、この俺にとって。そして今必要なのは男の情報。
「男の特徴は?」
「黒いフード付きのマントに大きな黒い鞄、全身黒い・・・それと・・・星の形の刺繍。どこかで見た事があるが世間知らずの私には分からなかったよ・・・だが私にも覚えがあると言う事は何かの機関のマークかギルドのエンブレム」
男を押し除け家を後に町中を歩き回ったがそれらしき人物は見当たらず、再び人々に聴きに回るも見かけたと言う人物は口々にサニアの家に入った所までは見たと言う。
出た所を見た人物はいない、ということはあの家にまだいたと言う事なのか?あのサニアの父親は俺を騙し匿ったと考えられるがあの様子からそれも考えにくい。
よくよく考えればサニアは金を受け取っていないのか、それとも用意していない?確か交渉相手の男自身の物をこの町で売っていたとか言っていなかったか?婚約の指輪・・・人間特有の婚約の儀式に使われる指輪、確か大切な道具の一つと聞いているが、買い戻した可能性がある。
再び町を巡ることにし、道具屋を見つける事にした。探す、という程手間をかける必要も無い位に町には一軒だけそれらしき売店を一つだけ建っていた。中には店主らしき太った男が一人。
「おい、ここに黒いマントを羽織った男を見なかったか?」
「ああ?・・・なんだお前か・・・見てねえよ」
「なら指輪を売ったやつは知らないか」
「指輪?一度前にこの国外の人間が売りに来たが、それがどうかしたか」
「その指輪、俺のなんだ。返してくれ」
「・・・知らねえな」
「今お前は売りに来た奴がいると言ったな?あるんだろ」
「さあな、どこかいっちまったよ。盗品だとわかってれば買い取らなかったんだがな」
つまり奴は買い戻してはいない、そこまで必要なものでも無いのだろうか。何にせよ手に持っていても邪魔にはならんだろう。
「どこかへ行ったのなら探してやろう」
店の至る所雑多に転がる道具や武器を蹴り、棚に並ぶ水や袋や服といった店に陳列されたあらゆる物を見出し回り指輪を探すフリをし店中の商品をぐちゃぐちゃに乱す、すると店主は慌て取り押さえようとするが何の力もない体格だけの男に俺が容易く止められる訳も無く、しまいには謝り出すしまつ。
折角なので聞かぬふりをし、気晴らしついでにしばらく店の中を暴れていると店主はついに店の裏側へ走り、一つの指輪を俺に見せた。
「頼むやめてくれ!!悪かったこれだ!!これを返すから早く持って帰ってくれ!!」
「最初から素直に出せ」
店主から指輪を奪い取り、言う通りに店を出て行き指輪を確認すると内側には文字が刻まれていた。
”RIORA”そう書かれている、名前が分かった所でどうしようもない。
「さて、手がかりはこれだけとなったがどうやって男を見つけるか」
再びこの町に訪れるとも考えにくい、人の目が集中する中サニアが殺された事をもし町の人間が知ればこの”リオラ”という男は疑われるに違いない、そんな中目立つ町や近隣の国にも逃げるとは考えにくい。
まだ砂漠のこの地域にいるとふんだ、そしてあの男の持つ資源も有限のはず。この熱帯の環境において一番生き残る事が出来る場所は”海”か”オアシス”、北の位置にいる、そう考えるのが妥当だ。
龍という種族はなんとも頑丈な物で、ある程度の極端な地形や環境でも食事を取らずともしばらくは生きら得る事が可能。たかが人間一人との長期的な生存競争なら優位な立場にある、我慢比べなら勝ちは確実。
町を後にし早速オアシスのある方へと向かう、道中も目を見張りながら歩くが現地の人間を合わせても人という人や魔獣という魔獣には出会わなかった。
龍の姿へ戻り空から探すのも手ではあるが、男が一人で行動しているとも限らない、龍の姿では見つかり易い上に先頭になったが最後もし関係のない人間に見つかった場合の事を考えれば最小限のリスクを抑えここは素直に人間の姿で砂漠を地道に歩き探す方がいい。
しばらく歩き回る事数時間、オアシスへと到達しもうすっかり日は沈みふとあることに気がついた。
食事はせずとも生きてはいけるが腹は減る、そして手持ちには食べれるものは何もない。そうまた魚を食す生活が続くその事に気が付き、少し心が折れた。
しかしそれは奴も一緒、もしかすれば食料が尽き海へ魚を求め現れるかも知れない。
今考えれば浅い考えだ、しかしそれ以外俺には"リオラ"という男を見つける手立てはこれしかない。
それから数日間はオアシスから海へ、海からオアシスへと周辺の捜索範囲を少しづつ変えながら拠点をオアシスにし過ごしていた。
変わらぬ日々の中、あの箱を掘り当てた時のサニアとの日々をいつの間にか重ねていた。
あのうるさい声とずっとお喋りなあいつが居ない。
寂しさ等は無かったがあの日々が続いてた期間は思っているより長かったのだろう、どこか物足りなさはあった、つまらない事もどこかマシに思える程には。
更に数日後の事、耐えきれないとまで思わないにしても一向に見つかる痕跡も気配も無い。
男の捜索を変えることにした。当初砂漠地帯のこの土地にまだいると踏んで留まっていたがもうこの地には居ない可能性も大いにある。
サニアの姿でこの土地を離れ人に紛れしばらく転々と国や街を訪れ生きて行き手掛かりである情報と指輪を頼りに探すのも手だと考えた。
捜索を初めて1週間程になるか、その日俺はこの日を最後にこの土地を離れる事を決めた。
この数日間、あの砂が集まり色々な物に変わる現象をいつに無く見る、そして近辺の海に魚が見当たらない。
どういう訳かは分からないが嫌な予感しかしない。
そしてその日、偶然にもオアシスのある場所に奴が突如として姿を現した。
黒いフードの付いたコートに星のマークが象られたリュック。
"リオラ"、こいつに違いない。
怯えたというには少し違う、驚いている?何とも言えぬ表情の男は俺を目にしてそんな表情を見せていた。
何を発する訳で無く、こちらと目が合いしばらく睨み合いの様な状況は続いた。
この男1人なら殺す事は容易いだろうが、同時に聞きたいことも幾つかある、それは何か真相に辿ろうなどというものでは無い単なる好奇心。
「な・・・なんで生きてる・・・、いや・・・そんな事より」
男は腰から何かを取り出そうとした瞬間、町にあったあの店からこっそり盗んできた小さなナイフを服の内ポケットから素早く取り出し、男の腕目掛け投げ飛ばす。
男は咄嗟の俺の行動に反応が遅れ、ナイフは見事に男の腕に刺さり手にしようとしていた物は呆気なく地面に落ちる。全く同じ形のナイフ。
「なんだ?お揃いじゃないか?お前も町で手に入れたのか?」
「・・・くそ」
「何しにここへ来た?俺が死んだ事確認しに来たか?」
そう問うと男は黙ったまま、刺さったナイフを抜き
無事であるもう片手でそのナイフを構え、ジリジリと俺の方へと近づいてくる、それはか弱い女とでも思って油断してるそれだった。
「あんまり酷い事するもんだから、黄泉から戻ってきてしまったぞ?」
返答は無い、男の目には殺意の篭った覚悟を感じる。
何を言っても無駄なら再起不能になるまで叩きのめした後に聞けばいい。
男は慎重に近寄る中、俺は助走をつけず真っ直ぐと近寄る男の元へと走る、その様子に男は呆気にとられ無防備の状態、ほんの数秒にもみたないその隙を突き腕に持ったナイフを蹴り飛ばす。
その事に驚いた男の体を押し倒し、上半身の上に跨り男を身動きが取りずらい体制にする事が出来た。
「な・・・嘘だろ」
「さて・・・逆らえないくらいには痛ぶろうか」
成程、盗み入ったか。しかしオアシスのある場所に戻すとも言っていた。
だがどちらにせよ男がこの家に入った事は事実、何かある。
何より厄介なのは箱が盗まれた可能性がある事だ。しかしオアシスで殺されたサニアはどうしてあの場所で殺されたのか。
考えられるのは、オアシスでサニアと男が出会い偽物とバレ本物のある場所を吐かされ、男がサニアの家へと入った。と言う所か。もしくは別の場所で殺されオアシスまで運ばれた。あんな分かりやすい場所に彼女を捨てたのは見つかり易くする為?わざわざ布を被せ隠したのは魔獣に食い荒らさせない様にか?
考えるだけ無駄だと悟り、部屋から適当な服を纏い部屋を出ようとすると玄関にサニアの父、育ての親である男が辛うじてなんとか立っているといった様子でそこにいた。
「どけ」
一喝する俺に男は目の合わせず目線を床に逸らしながら言う。
「サニア・・・、本当にすまない。私は・・・お前の父親としてではなくやはり研究者としてお前を道具の一つとしか見れなかったのかもしれない」
人の家庭事情等興味はさらさら無い。そしてこの男の謝罪にはもう何の意味もないのだから、この俺にとって。そして今必要なのは男の情報。
「男の特徴は?」
「黒いフード付きのマントに大きな黒い鞄、全身黒い・・・それと・・・星の形の刺繍。どこかで見た事があるが世間知らずの私には分からなかったよ・・・だが私にも覚えがあると言う事は何かの機関のマークかギルドのエンブレム」
男を押し除け家を後に町中を歩き回ったがそれらしき人物は見当たらず、再び人々に聴きに回るも見かけたと言う人物は口々にサニアの家に入った所までは見たと言う。
出た所を見た人物はいない、ということはあの家にまだいたと言う事なのか?あのサニアの父親は俺を騙し匿ったと考えられるがあの様子からそれも考えにくい。
よくよく考えればサニアは金を受け取っていないのか、それとも用意していない?確か交渉相手の男自身の物をこの町で売っていたとか言っていなかったか?婚約の指輪・・・人間特有の婚約の儀式に使われる指輪、確か大切な道具の一つと聞いているが、買い戻した可能性がある。
再び町を巡ることにし、道具屋を見つける事にした。探す、という程手間をかける必要も無い位に町には一軒だけそれらしき売店を一つだけ建っていた。中には店主らしき太った男が一人。
「おい、ここに黒いマントを羽織った男を見なかったか?」
「ああ?・・・なんだお前か・・・見てねえよ」
「なら指輪を売ったやつは知らないか」
「指輪?一度前にこの国外の人間が売りに来たが、それがどうかしたか」
「その指輪、俺のなんだ。返してくれ」
「・・・知らねえな」
「今お前は売りに来た奴がいると言ったな?あるんだろ」
「さあな、どこかいっちまったよ。盗品だとわかってれば買い取らなかったんだがな」
つまり奴は買い戻してはいない、そこまで必要なものでも無いのだろうか。何にせよ手に持っていても邪魔にはならんだろう。
「どこかへ行ったのなら探してやろう」
店の至る所雑多に転がる道具や武器を蹴り、棚に並ぶ水や袋や服といった店に陳列されたあらゆる物を見出し回り指輪を探すフリをし店中の商品をぐちゃぐちゃに乱す、すると店主は慌て取り押さえようとするが何の力もない体格だけの男に俺が容易く止められる訳も無く、しまいには謝り出すしまつ。
折角なので聞かぬふりをし、気晴らしついでにしばらく店の中を暴れていると店主はついに店の裏側へ走り、一つの指輪を俺に見せた。
「頼むやめてくれ!!悪かったこれだ!!これを返すから早く持って帰ってくれ!!」
「最初から素直に出せ」
店主から指輪を奪い取り、言う通りに店を出て行き指輪を確認すると内側には文字が刻まれていた。
”RIORA”そう書かれている、名前が分かった所でどうしようもない。
「さて、手がかりはこれだけとなったがどうやって男を見つけるか」
再びこの町に訪れるとも考えにくい、人の目が集中する中サニアが殺された事をもし町の人間が知ればこの”リオラ”という男は疑われるに違いない、そんな中目立つ町や近隣の国にも逃げるとは考えにくい。
まだ砂漠のこの地域にいるとふんだ、そしてあの男の持つ資源も有限のはず。この熱帯の環境において一番生き残る事が出来る場所は”海”か”オアシス”、北の位置にいる、そう考えるのが妥当だ。
龍という種族はなんとも頑丈な物で、ある程度の極端な地形や環境でも食事を取らずともしばらくは生きら得る事が可能。たかが人間一人との長期的な生存競争なら優位な立場にある、我慢比べなら勝ちは確実。
町を後にし早速オアシスのある方へと向かう、道中も目を見張りながら歩くが現地の人間を合わせても人という人や魔獣という魔獣には出会わなかった。
龍の姿へ戻り空から探すのも手ではあるが、男が一人で行動しているとも限らない、龍の姿では見つかり易い上に先頭になったが最後もし関係のない人間に見つかった場合の事を考えれば最小限のリスクを抑えここは素直に人間の姿で砂漠を地道に歩き探す方がいい。
しばらく歩き回る事数時間、オアシスへと到達しもうすっかり日は沈みふとあることに気がついた。
食事はせずとも生きてはいけるが腹は減る、そして手持ちには食べれるものは何もない。そうまた魚を食す生活が続くその事に気が付き、少し心が折れた。
しかしそれは奴も一緒、もしかすれば食料が尽き海へ魚を求め現れるかも知れない。
今考えれば浅い考えだ、しかしそれ以外俺には"リオラ"という男を見つける手立てはこれしかない。
それから数日間はオアシスから海へ、海からオアシスへと周辺の捜索範囲を少しづつ変えながら拠点をオアシスにし過ごしていた。
変わらぬ日々の中、あの箱を掘り当てた時のサニアとの日々をいつの間にか重ねていた。
あのうるさい声とずっとお喋りなあいつが居ない。
寂しさ等は無かったがあの日々が続いてた期間は思っているより長かったのだろう、どこか物足りなさはあった、つまらない事もどこかマシに思える程には。
更に数日後の事、耐えきれないとまで思わないにしても一向に見つかる痕跡も気配も無い。
男の捜索を変えることにした。当初砂漠地帯のこの土地にまだいると踏んで留まっていたがもうこの地には居ない可能性も大いにある。
サニアの姿でこの土地を離れ人に紛れしばらく転々と国や街を訪れ生きて行き手掛かりである情報と指輪を頼りに探すのも手だと考えた。
捜索を初めて1週間程になるか、その日俺はこの日を最後にこの土地を離れる事を決めた。
この数日間、あの砂が集まり色々な物に変わる現象をいつに無く見る、そして近辺の海に魚が見当たらない。
どういう訳かは分からないが嫌な予感しかしない。
そしてその日、偶然にもオアシスのある場所に奴が突如として姿を現した。
黒いフードの付いたコートに星のマークが象られたリュック。
"リオラ"、こいつに違いない。
怯えたというには少し違う、驚いている?何とも言えぬ表情の男は俺を目にしてそんな表情を見せていた。
何を発する訳で無く、こちらと目が合いしばらく睨み合いの様な状況は続いた。
この男1人なら殺す事は容易いだろうが、同時に聞きたいことも幾つかある、それは何か真相に辿ろうなどというものでは無い単なる好奇心。
「な・・・なんで生きてる・・・、いや・・・そんな事より」
男は腰から何かを取り出そうとした瞬間、町にあったあの店からこっそり盗んできた小さなナイフを服の内ポケットから素早く取り出し、男の腕目掛け投げ飛ばす。
男は咄嗟の俺の行動に反応が遅れ、ナイフは見事に男の腕に刺さり手にしようとしていた物は呆気なく地面に落ちる。全く同じ形のナイフ。
「なんだ?お揃いじゃないか?お前も町で手に入れたのか?」
「・・・くそ」
「何しにここへ来た?俺が死んだ事確認しに来たか?」
そう問うと男は黙ったまま、刺さったナイフを抜き
無事であるもう片手でそのナイフを構え、ジリジリと俺の方へと近づいてくる、それはか弱い女とでも思って油断してるそれだった。
「あんまり酷い事するもんだから、黄泉から戻ってきてしまったぞ?」
返答は無い、男の目には殺意の篭った覚悟を感じる。
何を言っても無駄なら再起不能になるまで叩きのめした後に聞けばいい。
男は慎重に近寄る中、俺は助走をつけず真っ直ぐと近寄る男の元へと走る、その様子に男は呆気にとられ無防備の状態、ほんの数秒にもみたないその隙を突き腕に持ったナイフを蹴り飛ばす。
その事に驚いた男の体を押し倒し、上半身の上に跨り男を身動きが取りずらい体制にする事が出来た。
「な・・・嘘だろ」
「さて・・・逆らえないくらいには痛ぶろうか」
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