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1章 主人への愛が重い侍女は執着系厩番にロックオンされる
1-6 ※R18本番未遂
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「なぁ、今度お嬢様とゆっくり話したいんだけど、場所を作ってくれないかい?」
体格の大きな騎士にそう言われて、ラウラは小さな体を縮こまらせて、見上げた。
お嬢様に痴漢をした不埒で軟派な騎士が、お嬢様を狙っている。
しかも誰よりもこの騎士を敵対視しているラウラにそんな橋渡しのような事を頼んでくる。
「……」
ラウラは混乱と恐怖で目の前の騎士への声が出なかった。
どうしよう?何を言えばいい?どうすればいい?相手は貴族よ。子爵家より格上の。でもお嬢様と話をさせるなんてそんな事…どう切り抜ければいいの?
ラウラの頭が一瞬で色々な事を考えては、対処法を考えるが、何も答えが出ない。相手は客人で貴族なのだ。
ラウラの口がガタガタと震えた。
どうしよう、どうしようと答えを考えていると、背後から低い声がした。
「ゼスト様!彼女は今日調子が悪いので、今から宿舎に帰るところなのです。僕が連れて行くので、話は執事や他の者にお願いします」
後ろからラウラの肩を掴んだ暖かい手の感触。優しい声が響く。
ジュノ…!
ラウラは救世主に肩を抱かれながら、使用人の宿舎へと連れて行かれた。
ゼスト様は特に何も言うこともなく、二人に道を譲った。
宿舎の彼女の部屋まで連れてきてくれたジュノは、優しい声でラウラに「ここがラウラさんの部屋だよね?」と声をかけてくれた。
「うん…」
ラウラは緊張がやっと解れて、声を出すことができた。
だが、ジュノはこちらも見ずに、今にも踵を返しそうだった。
その冷たい態度に、思わずジュノのシャツを握りしめていた。
思わず手が伸びてしまって、自分でも驚く。
少しこちらを見たジュノは傷ついたような少し赤い顔をしていて、大きな手で自分の頬を手で隠していた。
「ジ…」
何か言わなければと口を開けたが、先にジュノの声が聞こえる。
「コメットさんと…付き合ってるの?」
「え?」
「俺は…眼中にな…い?」
睨んでいるような手負いの獣のような表情でジュノがこちらを伺っていた。
さっきのやり取りを見られていた…?
眉尻を少し上げたジュノは傷ついた顔で目を伏せていた。
その様子を見ていたら、ラウラの心にあるモヤが噴き出て来る。
「ちがうわ!コメットとは何もないし。ただの同僚よ!あ、あ、あなただって!ソフィアと楽しそうにしていたじゃない!!」思わず大きな声が出てしまった。
その声でジュノがやっとラウラと目線を合わせてくれた。
「ラウラさん?嫉妬してたの?」
その的を得た言葉に、ラウラは何も言えなくなってしまう。
そうだ。嫉妬で狼狽えた結果、怪我をして、冷静な判断が出来なくなって今もジュノを責めるような事を言っている。
「う…」
「ラウラさんこっち見てよ」
自分の部屋の前で、俯いて立っているラウラの頬に暖かいジュノの手が添わされる。
「泣かないで、ちゃんと話してよ」
年下のくせに頭一つ以上背の大きなジュノは上からラウラに言葉を投げる。
ラウラはどうしたらいいのか分からなくて涙を溜めながら、震える口を無理矢理動かして言わなくてはいけないことを紡ぐ。
「だって、…今頃…ジュノの事好き…なの…解っちゃって、もうっ…遅いのに…私…私…ごめんなさい…」
「ん?…俺まだまだラウラさんのこと諦めてないけど?」
目を大きく開いたジュノは半分可笑しそうな声を出す。
「うそ?!だってソフィアと…」
「さっきのコメットさんにもラウラさんニコニコしてたよね?仕事仲間に笑顔で話しかけるなんて世渡りの基本じゃない?まぁ、鉄仮面のコメットさんは別だろうけど」
「う…」
「可愛い」
急に顔が近づいてきて、ジュノの青灰色をした少し細めの瞳がラウラの視界を占拠した。
唇に男の人の薄い大きな唇が重なり、ラウラは呼吸が止まる。少しだけ髭のザラリとした感触も頬に受けた。
目を閉じたジュノの瞼に短めなのにびっしりと生えた金色のまつ毛が見える。
彼の目が開くと同時にキスが終わって、ラウラは呼吸を取り戻す。
じっとラウラの顔を見たジュノは少し口角を上げた。
キュっと添えられていた手で頬を引っ張られて少しラウラの口が開くと、またジュノの顔が近づいて、今度は開いた口端からジュノの舌が侵入してきた。
行ったり来たりする舌の摩擦と、唇のフワフワした感触にラウラは混乱した。
目を閉じてなされるがままになっていると、反対の手で力が抜けたラウラの腰を抱いたジュノは彼女の部屋に押し込んできた。
二人きりの部屋でジュノは頬から手を離さず、ラウラはボーっとする頭を働かせることが出来なくて、そのまま深いキスを受け入れていた。
「あ…」
いつの間にか彼女は自室のベッドに腰かけていて、手を押さえられキスされ続けている。口の端から留められなかった唾液が伝って、首にまで濡らして。
「ん…」
頭がおかしくなりそうで、力の入らない手でなんとかジュノの手を解こうとするが、優しくいなされる。
嬉しい気持ちと戸惑いが入り乱れていたが、決して顔を背けて嫌がらないラウラの気持ちがバレているのか、彼の手は片手で服の戒めを解いていく。
お仕着せは前のボタンを外すだけで脱げてしまい、胸のないラウラの下着が露わになってしまう。
「可愛い」
可愛いが彼の暴走を止められなくするのか、しきりにその言葉を漏らしながらジュノはラウラを撫で擦っている。
彼の匂いと、唇の感触、舌の摩擦、興奮した息遣いにラウラの意識が少しぼんやりとしていて、しっかりと物事の判断が下せなくなっていく。いや、最初からジュノの前ではラウラはいつも調子が狂うのだ。
いつの間にかお仕着せのワンピースの間から下着が抜き取られていて、それを意識したとたん、ラウラの顔全体が熱くなり、涙が溢れた。
お嬢様の様に滑らかな肌でもなく、ほとんど膨らんでいない胸に、痩せて子供みたいなペタンコの体がジュノに見られてしまう。それだけでラウラの羞恥心がかき乱されて泣いてしまう。
「見ないでっ!私の体なんて…っ」
親指の爪より小さな乳輪をジュノがふわりと触る。
「あぅ!」
ビリビリとした刺激と共に下腹へ何かが伝わっていく。
「なんで?可愛いよ」
「いや、いやなのっ」
「駄目だよ。ラウラさんのおっぱい見せてよ。俺の事好きになってくれたんでしょ?両想いなんだから見せて」
とろけそうな声音なのに意地悪を言われて、ラウラはまた混乱した。
大きな手がラウラの胸を弄っている。その卑猥な動きにラウラは目を閉じて、目にあふれていた涙がこぼれる。
「ひっ!!」
ラウラが思わず大きく息を飲んでしまったのは、胸の頂きを口に含まれたうえに、股の間に指が侵入してきたからだ。同時の刺激にいよいよラウラは声が漏れる。
「やぁっジュノ!ダメ、ダメなのっ」
逃げだしてしまいたいのに、狂おしいほどの興奮と快楽を与えられたラウラの体が逃げ出すことを止めてしまっていて、意味もなく自分の顔を手で隠していた。
「顔隠さないで。可愛い顔が見えないし、キスできないでしょ。ほら、手はココ」
優しく諭されて、ジュノの言われたまま、また深いキスを受け入れながら、両腕はジュノの首に回される。ジュノの首はしっかりした男性の太さで、筋が浮かんでいる。
可愛い顔なんて男性に言われるのは初めてだ。ラウラは本当にジュノが自分の事を可愛いなんて思っているのかと驚くと同時に胸がキュンと高鳴った。
「ん、ん」
恥ずかしい場所に侵入しているジュノの指はキスしながらも動きまわっていて、一番敏感な粒をトントンと優しく叩いて刺激を与えてくる。
ラウラはお嬢様より年上であったが、長年この子爵家にお仕えしていて、お嬢様以上に気になる異性も、恋人も持ったことが無かった。メイドや仕事仲間から恋愛の事を聞くこともあったが、女同士でもあまり突っ込んだことは恥ずかしがって教えてくれないし、ラウラの親しい人達には独身者が多かった。つまり、ほとんど閨の事を知らなかった。お嬢様のためにも色々本は読んでみるが、実践経験は皆無だ。正直言うとジュノのキスだけで体がグネグネに溶けて、倒れ込んでベッドでされるがままだ。
ジュノにキスされながら敏感な場所を触られていると、意識が飛び、ガクガクと脚が痙攣した。腹の奥の初めての感覚にラウラは真っ白になる。
「イった?ラウラさん?たまんねぇ……可愛い…」
目尻の涙を吸いながら、ジュノが爽やかな笑顔を向けてくる。
「はぁっ…あぁ」
ラウラの心臓が早く打っていて、まともな言葉を紡げなく、息が苦しかった。自分から漏れる声が媚びた猫みたいに高くて、恥ずかしくてまた泣きそうになる。
「もう少し触るからね…」
甘く甘くジュノに溶かされて、そんな優しく意地悪を宣言される。
「あぁぁぁ」
ズプリとラウラの中に大きな指が入ってきた。初めての感覚におかしくなりそうだった。自分の体から出た粘液の音は聞きなれないような大きな音がする。
ジュプピチャと恥ずかしい水音と与えられる快楽に、さらに恥ずかしい声しか出ない。
「あっ!あ、やぁ!」
膀胱の近くを触られているからなのか今度は急に尿意が押し寄せてきて、ラウラは懇願する。
「おトイレっ行かせて!」
「…いいから、そのままね」
冷静な声で却下されて、ジュノを信じられない気持ちになったラウラは本当に抵抗をした。
なのに、上に乗ったジュノは体を離してくれなくて、彼の体重と脚に挟まれて逃げるのを阻止された。
「いや!おしっこ!漏れたら!」
「大丈夫だから」
いつの間にか二本に増えた指がラウラの中を刺激するたび尿意が近づいているというのに、さっき真っ白になった前の突起の場所をもう一本の指が悪戯してきた。
「や、あん!ほんとうに…ほんとぅ…にぃぃ!!」
漏れた、と思った。ツーンとした快楽とさっきの真っ白がやってきて、また体がガクガクと痙攣した。
少しだけ暖かいおしっこが漏れた気がするが、いつもの排尿のような感じではない。
「いっ…やぁぁ…ぁ」
勝手に変な声が漏れるし、視界は涙でぐちゃぐちゃだし、少し漏らしたし、ラウラの頭は沸騰してしまいそうだった。
「ん、…ラウラさん、ちょっとキスに邪魔だから、眼鏡外して良い?」
口と口で銀糸を繋ぎながら、ジュノが聞いてくる。
「うん…」
とりあえず、何か言われたがジュノには自然に肯定を返していた。
ラウラの視界が涙で歪んだものから、全体的にぼんやりしたものに変わると、ジュノから息を飲む音が聞こえた。
「なに?なにか…変?」ラウラは焦って目頭をゴシゴシと擦った。
「……大丈夫だよ。ちょっと可愛すぎて…」
また…可愛いって…ジュノにはラウラが可愛く見える呪いでもかかっているのだろうか?
変な空気になった時、いきなりドアをノックする音が聞こえた。
遠慮のないノックの音に、ラウラとジュノはガバリと跳ね起きた。
眼鏡を外されていたラウラはベッドの掛け布を急いで頭まで被り、ジュノは乱れた自分の服を直していると、機械的な声が聞こえてきた。
「ラウラさん?大丈夫ですか?ゼスト様から伝え聞きましたが、体調はどうされましたか?」
執事のコメットがラウラの様子を見に来たのだ。
「ちょっと待って下さいね」
ラウラは驚いた。ジュノが扉に向かって静かな声を出したからだ。
ジュノは少しだけ掛け布をまくって、ラウラの目を見ると、顔を寄せて小さな声で話した。
「今日はもう体調不良で通そう。ゼスト様にも言ってしまったしね。ラウラさんは寝てて。後は俺に任せといて」
「う、…うん。分かったわ」
小さく会話すると、ジュノは顔だけ出ているラウラの瞼に口付けた。
直ぐに扉から出ていくと、扉の向こうからジュノの声とコメットの声が聞こえてきた。
「コメットさん。ラウラさんは熱が出てて、風邪みたいなんです。さっき寝ました。少し看病してましたけど、熱はそこまで高くないです。発熱と倦怠感以外は症状がなかったので…たぶん疲労ですかね?」
「……そうですか…お嬢様に…―…」
コメットが納得したのか、二人の声が離れて行った。
ベッドで掛け布に包まったラウラの意識は、二人の気配が完全に無くなる前に落ちていった。
体格の大きな騎士にそう言われて、ラウラは小さな体を縮こまらせて、見上げた。
お嬢様に痴漢をした不埒で軟派な騎士が、お嬢様を狙っている。
しかも誰よりもこの騎士を敵対視しているラウラにそんな橋渡しのような事を頼んでくる。
「……」
ラウラは混乱と恐怖で目の前の騎士への声が出なかった。
どうしよう?何を言えばいい?どうすればいい?相手は貴族よ。子爵家より格上の。でもお嬢様と話をさせるなんてそんな事…どう切り抜ければいいの?
ラウラの頭が一瞬で色々な事を考えては、対処法を考えるが、何も答えが出ない。相手は客人で貴族なのだ。
ラウラの口がガタガタと震えた。
どうしよう、どうしようと答えを考えていると、背後から低い声がした。
「ゼスト様!彼女は今日調子が悪いので、今から宿舎に帰るところなのです。僕が連れて行くので、話は執事や他の者にお願いします」
後ろからラウラの肩を掴んだ暖かい手の感触。優しい声が響く。
ジュノ…!
ラウラは救世主に肩を抱かれながら、使用人の宿舎へと連れて行かれた。
ゼスト様は特に何も言うこともなく、二人に道を譲った。
宿舎の彼女の部屋まで連れてきてくれたジュノは、優しい声でラウラに「ここがラウラさんの部屋だよね?」と声をかけてくれた。
「うん…」
ラウラは緊張がやっと解れて、声を出すことができた。
だが、ジュノはこちらも見ずに、今にも踵を返しそうだった。
その冷たい態度に、思わずジュノのシャツを握りしめていた。
思わず手が伸びてしまって、自分でも驚く。
少しこちらを見たジュノは傷ついたような少し赤い顔をしていて、大きな手で自分の頬を手で隠していた。
「ジ…」
何か言わなければと口を開けたが、先にジュノの声が聞こえる。
「コメットさんと…付き合ってるの?」
「え?」
「俺は…眼中にな…い?」
睨んでいるような手負いの獣のような表情でジュノがこちらを伺っていた。
さっきのやり取りを見られていた…?
眉尻を少し上げたジュノは傷ついた顔で目を伏せていた。
その様子を見ていたら、ラウラの心にあるモヤが噴き出て来る。
「ちがうわ!コメットとは何もないし。ただの同僚よ!あ、あ、あなただって!ソフィアと楽しそうにしていたじゃない!!」思わず大きな声が出てしまった。
その声でジュノがやっとラウラと目線を合わせてくれた。
「ラウラさん?嫉妬してたの?」
その的を得た言葉に、ラウラは何も言えなくなってしまう。
そうだ。嫉妬で狼狽えた結果、怪我をして、冷静な判断が出来なくなって今もジュノを責めるような事を言っている。
「う…」
「ラウラさんこっち見てよ」
自分の部屋の前で、俯いて立っているラウラの頬に暖かいジュノの手が添わされる。
「泣かないで、ちゃんと話してよ」
年下のくせに頭一つ以上背の大きなジュノは上からラウラに言葉を投げる。
ラウラはどうしたらいいのか分からなくて涙を溜めながら、震える口を無理矢理動かして言わなくてはいけないことを紡ぐ。
「だって、…今頃…ジュノの事好き…なの…解っちゃって、もうっ…遅いのに…私…私…ごめんなさい…」
「ん?…俺まだまだラウラさんのこと諦めてないけど?」
目を大きく開いたジュノは半分可笑しそうな声を出す。
「うそ?!だってソフィアと…」
「さっきのコメットさんにもラウラさんニコニコしてたよね?仕事仲間に笑顔で話しかけるなんて世渡りの基本じゃない?まぁ、鉄仮面のコメットさんは別だろうけど」
「う…」
「可愛い」
急に顔が近づいてきて、ジュノの青灰色をした少し細めの瞳がラウラの視界を占拠した。
唇に男の人の薄い大きな唇が重なり、ラウラは呼吸が止まる。少しだけ髭のザラリとした感触も頬に受けた。
目を閉じたジュノの瞼に短めなのにびっしりと生えた金色のまつ毛が見える。
彼の目が開くと同時にキスが終わって、ラウラは呼吸を取り戻す。
じっとラウラの顔を見たジュノは少し口角を上げた。
キュっと添えられていた手で頬を引っ張られて少しラウラの口が開くと、またジュノの顔が近づいて、今度は開いた口端からジュノの舌が侵入してきた。
行ったり来たりする舌の摩擦と、唇のフワフワした感触にラウラは混乱した。
目を閉じてなされるがままになっていると、反対の手で力が抜けたラウラの腰を抱いたジュノは彼女の部屋に押し込んできた。
二人きりの部屋でジュノは頬から手を離さず、ラウラはボーっとする頭を働かせることが出来なくて、そのまま深いキスを受け入れていた。
「あ…」
いつの間にか彼女は自室のベッドに腰かけていて、手を押さえられキスされ続けている。口の端から留められなかった唾液が伝って、首にまで濡らして。
「ん…」
頭がおかしくなりそうで、力の入らない手でなんとかジュノの手を解こうとするが、優しくいなされる。
嬉しい気持ちと戸惑いが入り乱れていたが、決して顔を背けて嫌がらないラウラの気持ちがバレているのか、彼の手は片手で服の戒めを解いていく。
お仕着せは前のボタンを外すだけで脱げてしまい、胸のないラウラの下着が露わになってしまう。
「可愛い」
可愛いが彼の暴走を止められなくするのか、しきりにその言葉を漏らしながらジュノはラウラを撫で擦っている。
彼の匂いと、唇の感触、舌の摩擦、興奮した息遣いにラウラの意識が少しぼんやりとしていて、しっかりと物事の判断が下せなくなっていく。いや、最初からジュノの前ではラウラはいつも調子が狂うのだ。
いつの間にかお仕着せのワンピースの間から下着が抜き取られていて、それを意識したとたん、ラウラの顔全体が熱くなり、涙が溢れた。
お嬢様の様に滑らかな肌でもなく、ほとんど膨らんでいない胸に、痩せて子供みたいなペタンコの体がジュノに見られてしまう。それだけでラウラの羞恥心がかき乱されて泣いてしまう。
「見ないでっ!私の体なんて…っ」
親指の爪より小さな乳輪をジュノがふわりと触る。
「あぅ!」
ビリビリとした刺激と共に下腹へ何かが伝わっていく。
「なんで?可愛いよ」
「いや、いやなのっ」
「駄目だよ。ラウラさんのおっぱい見せてよ。俺の事好きになってくれたんでしょ?両想いなんだから見せて」
とろけそうな声音なのに意地悪を言われて、ラウラはまた混乱した。
大きな手がラウラの胸を弄っている。その卑猥な動きにラウラは目を閉じて、目にあふれていた涙がこぼれる。
「ひっ!!」
ラウラが思わず大きく息を飲んでしまったのは、胸の頂きを口に含まれたうえに、股の間に指が侵入してきたからだ。同時の刺激にいよいよラウラは声が漏れる。
「やぁっジュノ!ダメ、ダメなのっ」
逃げだしてしまいたいのに、狂おしいほどの興奮と快楽を与えられたラウラの体が逃げ出すことを止めてしまっていて、意味もなく自分の顔を手で隠していた。
「顔隠さないで。可愛い顔が見えないし、キスできないでしょ。ほら、手はココ」
優しく諭されて、ジュノの言われたまま、また深いキスを受け入れながら、両腕はジュノの首に回される。ジュノの首はしっかりした男性の太さで、筋が浮かんでいる。
可愛い顔なんて男性に言われるのは初めてだ。ラウラは本当にジュノが自分の事を可愛いなんて思っているのかと驚くと同時に胸がキュンと高鳴った。
「ん、ん」
恥ずかしい場所に侵入しているジュノの指はキスしながらも動きまわっていて、一番敏感な粒をトントンと優しく叩いて刺激を与えてくる。
ラウラはお嬢様より年上であったが、長年この子爵家にお仕えしていて、お嬢様以上に気になる異性も、恋人も持ったことが無かった。メイドや仕事仲間から恋愛の事を聞くこともあったが、女同士でもあまり突っ込んだことは恥ずかしがって教えてくれないし、ラウラの親しい人達には独身者が多かった。つまり、ほとんど閨の事を知らなかった。お嬢様のためにも色々本は読んでみるが、実践経験は皆無だ。正直言うとジュノのキスだけで体がグネグネに溶けて、倒れ込んでベッドでされるがままだ。
ジュノにキスされながら敏感な場所を触られていると、意識が飛び、ガクガクと脚が痙攣した。腹の奥の初めての感覚にラウラは真っ白になる。
「イった?ラウラさん?たまんねぇ……可愛い…」
目尻の涙を吸いながら、ジュノが爽やかな笑顔を向けてくる。
「はぁっ…あぁ」
ラウラの心臓が早く打っていて、まともな言葉を紡げなく、息が苦しかった。自分から漏れる声が媚びた猫みたいに高くて、恥ずかしくてまた泣きそうになる。
「もう少し触るからね…」
甘く甘くジュノに溶かされて、そんな優しく意地悪を宣言される。
「あぁぁぁ」
ズプリとラウラの中に大きな指が入ってきた。初めての感覚におかしくなりそうだった。自分の体から出た粘液の音は聞きなれないような大きな音がする。
ジュプピチャと恥ずかしい水音と与えられる快楽に、さらに恥ずかしい声しか出ない。
「あっ!あ、やぁ!」
膀胱の近くを触られているからなのか今度は急に尿意が押し寄せてきて、ラウラは懇願する。
「おトイレっ行かせて!」
「…いいから、そのままね」
冷静な声で却下されて、ジュノを信じられない気持ちになったラウラは本当に抵抗をした。
なのに、上に乗ったジュノは体を離してくれなくて、彼の体重と脚に挟まれて逃げるのを阻止された。
「いや!おしっこ!漏れたら!」
「大丈夫だから」
いつの間にか二本に増えた指がラウラの中を刺激するたび尿意が近づいているというのに、さっき真っ白になった前の突起の場所をもう一本の指が悪戯してきた。
「や、あん!ほんとうに…ほんとぅ…にぃぃ!!」
漏れた、と思った。ツーンとした快楽とさっきの真っ白がやってきて、また体がガクガクと痙攣した。
少しだけ暖かいおしっこが漏れた気がするが、いつもの排尿のような感じではない。
「いっ…やぁぁ…ぁ」
勝手に変な声が漏れるし、視界は涙でぐちゃぐちゃだし、少し漏らしたし、ラウラの頭は沸騰してしまいそうだった。
「ん、…ラウラさん、ちょっとキスに邪魔だから、眼鏡外して良い?」
口と口で銀糸を繋ぎながら、ジュノが聞いてくる。
「うん…」
とりあえず、何か言われたがジュノには自然に肯定を返していた。
ラウラの視界が涙で歪んだものから、全体的にぼんやりしたものに変わると、ジュノから息を飲む音が聞こえた。
「なに?なにか…変?」ラウラは焦って目頭をゴシゴシと擦った。
「……大丈夫だよ。ちょっと可愛すぎて…」
また…可愛いって…ジュノにはラウラが可愛く見える呪いでもかかっているのだろうか?
変な空気になった時、いきなりドアをノックする音が聞こえた。
遠慮のないノックの音に、ラウラとジュノはガバリと跳ね起きた。
眼鏡を外されていたラウラはベッドの掛け布を急いで頭まで被り、ジュノは乱れた自分の服を直していると、機械的な声が聞こえてきた。
「ラウラさん?大丈夫ですか?ゼスト様から伝え聞きましたが、体調はどうされましたか?」
執事のコメットがラウラの様子を見に来たのだ。
「ちょっと待って下さいね」
ラウラは驚いた。ジュノが扉に向かって静かな声を出したからだ。
ジュノは少しだけ掛け布をまくって、ラウラの目を見ると、顔を寄せて小さな声で話した。
「今日はもう体調不良で通そう。ゼスト様にも言ってしまったしね。ラウラさんは寝てて。後は俺に任せといて」
「う、…うん。分かったわ」
小さく会話すると、ジュノは顔だけ出ているラウラの瞼に口付けた。
直ぐに扉から出ていくと、扉の向こうからジュノの声とコメットの声が聞こえてきた。
「コメットさん。ラウラさんは熱が出てて、風邪みたいなんです。さっき寝ました。少し看病してましたけど、熱はそこまで高くないです。発熱と倦怠感以外は症状がなかったので…たぶん疲労ですかね?」
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