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消えた神器
陸
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その日の夜。夕飯を済ませた後、共有スペースで皆とお喋りをしながらトランプや花札で遊んでいると、今日は遅番だったはずの禰宜頭がひょっこりと顔を出した。
「ああ、ここにいたか巫寿さん。探したぞ」
どうやら私に用があるらしい。手に持っていたトランプを机の上に置いて禰宜頭の元へ歩み寄る。
「どうかしましたか?」
「ああ。権宮司がお呼びだ」
「権宮司……ですか?」
瞬時に何か怒られるようなことをしただろうかと記憶を辿ってみたものの心当たりは何一つない。
だとしたらこんな時間になんの話だろうか?
「もう既に待っていらっしゃるから、早く行きなさい。服もそのままでいい」
「わかり、ました。権宮司はどちらに?」
少し声のトーンを落とした禰宜頭が答える。その示された場所に私は目を見開いた。
本殿から一番離れた、鎮守の森の奥にひっそりと佇む古びた建物。洗練された社頭の建物とは違って最低限の手入れしかされていないそこは、使う人間がいなくなってからは倉庫代わりになっていたらしい。
生い茂る木々が月明かりを塞ぎ、鼻先がわずかに見える程度の真っ暗闇を進むと、暗闇の先にぼんやりとその建物が現れた。
薫先生が幼少期を過ごした、他とは切り離された異質な場所。
「巫寿さん」
玄関前に立っていた人物が私に気付き手を挙げた。小さく頭を下げ小走りで駆け寄る。
「お待たせしました、真言権宮司」
「変な時間に呼び出してしまってすまないね。時間を取れたのが今日だけだったんだ。百くんに頼まれてから、かなり時間が空いてしまったが」
目尻の皺をより一層深くして微笑んだ権宮司は、入ろうかと離の扉に手をかける。
やっぱりその件だったか、と小さく息を飲んだ。
あれは神社実習が始まって一週間ほど過ぎた頃だった。
かむくらの神職で今はわくたかむの社で奉仕している百さんと食堂で喋った時、神々廻芽の話題になったことがあった。
『私より詳しい人がいるから、その人に話つけたげる。話してくれるか分かんないけど、芽のことを知りたいならその人から聞きな』
詳しい人というのは真言権宮司のことだったらしい。
たしかに権宮司くらいの役職の人なら、薫先生が子供の頃もそれなりの役職に就いていただろうし内部事情にも精通しているはずだ。
慣れた様子で玄関横の電源を入れた権宮司は、雪駄を揃えて脱ぐとまっすぐ廊下を進んでいく。
キシキシと音を立てる床板。廊下はひんやりしていて、やはりどこか物寂しい。
「まったく……いくら倉庫とはいえこんなに散らかして。巫寿さん、足元気を付けて」
廊下の隅に適当に積み上げられたダンボールや木箱に顔を顰めた権宮司。どうしても我慢できなかったのか立ち止まって整え始める。
隣に腰を下ろしそれを手伝う。そこでふと、柱に刻まれた横線に気が付く。西暦と月日が記されたそれは、おそらく誰かが誰かの成長を記録したものだ。
「ここ……薫先生が暮らしていた場所なんですか?」
ピタリと手を止めた権宮司。手にしていた風呂敷をじっと見つめている。
「そうだ。この場所は薫さまが生まれてからこの家を出る九歳まで、お母様とお過ごしになった場所だ」
やっぱりここは薫先生が幼少期に過ごした場所なんだ。
あれ、でも今九歳までって……。その後薫先生は別の場所で過ごしたということ?
「長くなるから、まずは部屋を暖かくしてお茶を淹れようか」
権宮司が立ち上がる。激しい後悔の色が滲んだ瞳で、私を見下ろして微笑んだ。
昔薫先生のお母様が使われていたという部屋に入った私たち。勝手知ったる様子でテキパキと座布団と電気ストーブを引っ張り出してきた権宮司。部屋の中はすぐに温かくなった。
「話を始める前に、巫寿さんには謝らなければならないことがあったんだ。先日、若い禰宜に頼まれてお使いに行っただろう」
ああ、とひとつ頷く。
節分祭の前日に風呂敷を和菓子屋へ届けるよう頼まれた。その際に人違いで水をかけられた記憶はまだ新しい。
「本来は毎月私が赴いていたんだが、外せない用ができて彼に頼んだんだ。しかし前に頼んだ時に店主の清志さんに怒鳴られたようで、君たちに押し付けたらしい。本当に申し訳ない」
深々と頭を下げた権宮司に慌てて首を振る。
清志さんには謝ってもらったし、お詫びに食べきれないくらい沢山の和菓子をいただいた。
私もおそらく恵衣くんも気にしてません、そう伝えると権宮司は安心したように息を吐いた。
「清志さんとは話をしたんだね」
「あ、はい。それでずっと気になっていたんですが、清志さんとわくたかむの社はどういった関係が……?」
権宮司は目を伏せて小さく息を吐いた。
「清志さんは幸さまのお父様、つまり薫さまの父方の祖父にあたられる方だ」
清志さんの家に飾られていた写真立てを思い出した。
どうして気付かなかったんだろう。あの写真に映る男性と女性の顔を見た時、昔どこかであったことがあるような見覚えがある感じがしたんだ。
『幸も、幸の子供たちもアイツも……あの社のせいで』
憎しみの炎を宿した瞳、苦しそうに喉の奥から吐いた言葉。全てが繋がっていく。
幸さん、清志さんの亡くなった娘。そして、薫先生のお母さん。
「私がもっと、薫さまのことをよく見て差し上げていればこんなことにはならなかった。幸さまがお亡くなりになった時、薫さまに"あなたのせいではない"と一言でもお声がけしていれば、薫さまがこの家を出ていくことも、隆永さまが追い詰められるようなことにもならなかったんだ」
膝の上に置かれた拳が震えている。口調は穏やかだけれど、その裏にある激情は隠しきれていなかった。
ゆっくりと口を開いた権宮司は、記憶を遡り始める。
亡くなった幸さん、行方不明の宮司、離反した双子の兄、呪しか持ち合わせていない弟。この神々廻家に何があったのかを語り始めた。
「ああ、ここにいたか巫寿さん。探したぞ」
どうやら私に用があるらしい。手に持っていたトランプを机の上に置いて禰宜頭の元へ歩み寄る。
「どうかしましたか?」
「ああ。権宮司がお呼びだ」
「権宮司……ですか?」
瞬時に何か怒られるようなことをしただろうかと記憶を辿ってみたものの心当たりは何一つない。
だとしたらこんな時間になんの話だろうか?
「もう既に待っていらっしゃるから、早く行きなさい。服もそのままでいい」
「わかり、ました。権宮司はどちらに?」
少し声のトーンを落とした禰宜頭が答える。その示された場所に私は目を見開いた。
本殿から一番離れた、鎮守の森の奥にひっそりと佇む古びた建物。洗練された社頭の建物とは違って最低限の手入れしかされていないそこは、使う人間がいなくなってからは倉庫代わりになっていたらしい。
生い茂る木々が月明かりを塞ぎ、鼻先がわずかに見える程度の真っ暗闇を進むと、暗闇の先にぼんやりとその建物が現れた。
薫先生が幼少期を過ごした、他とは切り離された異質な場所。
「巫寿さん」
玄関前に立っていた人物が私に気付き手を挙げた。小さく頭を下げ小走りで駆け寄る。
「お待たせしました、真言権宮司」
「変な時間に呼び出してしまってすまないね。時間を取れたのが今日だけだったんだ。百くんに頼まれてから、かなり時間が空いてしまったが」
目尻の皺をより一層深くして微笑んだ権宮司は、入ろうかと離の扉に手をかける。
やっぱりその件だったか、と小さく息を飲んだ。
あれは神社実習が始まって一週間ほど過ぎた頃だった。
かむくらの神職で今はわくたかむの社で奉仕している百さんと食堂で喋った時、神々廻芽の話題になったことがあった。
『私より詳しい人がいるから、その人に話つけたげる。話してくれるか分かんないけど、芽のことを知りたいならその人から聞きな』
詳しい人というのは真言権宮司のことだったらしい。
たしかに権宮司くらいの役職の人なら、薫先生が子供の頃もそれなりの役職に就いていただろうし内部事情にも精通しているはずだ。
慣れた様子で玄関横の電源を入れた権宮司は、雪駄を揃えて脱ぐとまっすぐ廊下を進んでいく。
キシキシと音を立てる床板。廊下はひんやりしていて、やはりどこか物寂しい。
「まったく……いくら倉庫とはいえこんなに散らかして。巫寿さん、足元気を付けて」
廊下の隅に適当に積み上げられたダンボールや木箱に顔を顰めた権宮司。どうしても我慢できなかったのか立ち止まって整え始める。
隣に腰を下ろしそれを手伝う。そこでふと、柱に刻まれた横線に気が付く。西暦と月日が記されたそれは、おそらく誰かが誰かの成長を記録したものだ。
「ここ……薫先生が暮らしていた場所なんですか?」
ピタリと手を止めた権宮司。手にしていた風呂敷をじっと見つめている。
「そうだ。この場所は薫さまが生まれてからこの家を出る九歳まで、お母様とお過ごしになった場所だ」
やっぱりここは薫先生が幼少期に過ごした場所なんだ。
あれ、でも今九歳までって……。その後薫先生は別の場所で過ごしたということ?
「長くなるから、まずは部屋を暖かくしてお茶を淹れようか」
権宮司が立ち上がる。激しい後悔の色が滲んだ瞳で、私を見下ろして微笑んだ。
昔薫先生のお母様が使われていたという部屋に入った私たち。勝手知ったる様子でテキパキと座布団と電気ストーブを引っ張り出してきた権宮司。部屋の中はすぐに温かくなった。
「話を始める前に、巫寿さんには謝らなければならないことがあったんだ。先日、若い禰宜に頼まれてお使いに行っただろう」
ああ、とひとつ頷く。
節分祭の前日に風呂敷を和菓子屋へ届けるよう頼まれた。その際に人違いで水をかけられた記憶はまだ新しい。
「本来は毎月私が赴いていたんだが、外せない用ができて彼に頼んだんだ。しかし前に頼んだ時に店主の清志さんに怒鳴られたようで、君たちに押し付けたらしい。本当に申し訳ない」
深々と頭を下げた権宮司に慌てて首を振る。
清志さんには謝ってもらったし、お詫びに食べきれないくらい沢山の和菓子をいただいた。
私もおそらく恵衣くんも気にしてません、そう伝えると権宮司は安心したように息を吐いた。
「清志さんとは話をしたんだね」
「あ、はい。それでずっと気になっていたんですが、清志さんとわくたかむの社はどういった関係が……?」
権宮司は目を伏せて小さく息を吐いた。
「清志さんは幸さまのお父様、つまり薫さまの父方の祖父にあたられる方だ」
清志さんの家に飾られていた写真立てを思い出した。
どうして気付かなかったんだろう。あの写真に映る男性と女性の顔を見た時、昔どこかであったことがあるような見覚えがある感じがしたんだ。
『幸も、幸の子供たちもアイツも……あの社のせいで』
憎しみの炎を宿した瞳、苦しそうに喉の奥から吐いた言葉。全てが繋がっていく。
幸さん、清志さんの亡くなった娘。そして、薫先生のお母さん。
「私がもっと、薫さまのことをよく見て差し上げていればこんなことにはならなかった。幸さまがお亡くなりになった時、薫さまに"あなたのせいではない"と一言でもお声がけしていれば、薫さまがこの家を出ていくことも、隆永さまが追い詰められるようなことにもならなかったんだ」
膝の上に置かれた拳が震えている。口調は穏やかだけれど、その裏にある激情は隠しきれていなかった。
ゆっくりと口を開いた権宮司は、記憶を遡り始める。
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