10 / 45
第10話 ガルドリックブートキャンプ
しおりを挟む
さて、感慨に浸っていても仕方ない。ここから始めるんだ、拾えるカードは拾っておかないとな。
「……なあ、フォルクハルト」
「ん?」
「お前、金持ってるか?俺は無い」
「残念だったな、俺も無いから襲うなよ。本当に無い、なんなら今晩寝る場所も無い」
やっぱりな。こいつは金があったら使うやつだ。アテが外れたってなら文無しに決まってる。
「俺は冒険者をしてたんだ。C級でな、ほんの短い間だが、別の街で活動してた」
「冒険者かぁ、兵士になれないなら俺もそうするかな。今から田舎に帰っても邪魔になっちまうからな」
「話が早い、一緒にやるぞ」
フォルクは驚いたように目を丸くしたが、すぐに肩の力を抜いて笑った。
「マジか。こんな出会ったばっかの奴に誘われるとは思わなかったな」
「悪い話じゃないはずだ。こっちも、人手があった方が助かる」
「はは、断る理由もねぇよ。金もアテもないしな。やってみるか、ガルドリック」
「ガルドでいい」
「おう、ガルド。俺はフォルクでいいぞ」
拳を握って突き出したら、上から拳を叩きつけてきた。ちげぇよ拳を付き合わせるところだろ。
これから仕込んでいかないとな。なんせ新兵以下だ、それがお前の為なんだ許せ。
「ギルドは大通りにある。少し歩くが、大きな建物だからすぐ分かる」
「ふぅん、土地勘あるんだな。ここでも仕事したのか?」
「いいや、ちょっと知る機会があってな。中に入ったことはない」
「そうか、それじゃ楽しみだな。よろしく頼むぜC級冒険者様」
道を歩きながら、フォルクはまるで初めて来た子どものように周囲を見回していた。
俺も、この通りを歩くのは久しぶりだ。けれど迷うことは無い。
目指すギルドは、少し先にある。石造りの威厳ある建物。
兵士だったころは、あそこに用があるのは冒険者だけだと思っていた。まさか自分がそちら側に回ることになるとはな。
◇◆◇◆◇
「へぇ……思ってたよりデカいな。俺の村にあったのは、酒場に張り紙が貼ってある程度だったけどさ」
フォルクが感心したように口笛を吹く。
「ここには国中の大きな依頼が集まる。各国の支部とも繋がってるからな。人も多い」
「さっすが王都。じゃ、案内頼んだぜ先輩?」
「……ああ」
軽く笑って誤魔化した。
フォルクに冒険者をしてたとは言ったが、実際にはたった一日だけの話なんだよなぁ。たまたまタイミングが合って討伐を依頼されただけで、冒険者の作法なんて知らん。
ギルドの扉を押し開けると、喧騒が一気に流れ込んできた。
中は広く、天井が高い。木材と石材が組み合わさった内装で、重厚感のある梁が印象的だ。
受付カウンターの向こうには仕切られた面談スペース、さらに奥には依頼掲示板と休憩用の長椅子。流石は王都冒険者ギルド、重厚で無駄がない。あの町では酒場が併設されていたが、あれって普通だったのか?
「人、多いな……うわ、あっちの奴、ムチ?あんなのマジで武器にする奴いたのかよ……」
「無闇にじろじろ見るな。揉め事になる」
「お、おう……すまんすまん」
フォルクが肩をすくめて、俺の後ろに下がる。
周囲に目を配ると、依頼掲示板らしき物を見つけた、冒険者の依頼はあそこに張り出されるはず。
この人混みと喧騒――戦場とは違う緊張感がある。俺が勝手に緊張しているわけじゃないと思いたい。
「これが……依頼か。見てるだけで目が回りそうだな」
「場所、報酬、対象……慣れれば要点だけ拾えばいい。俺が見る」
フォルクが身を乗り出しかけたところで、軽く手を挙げて制した。
俺自身も不安はあるが、それを表に出すわけにはいかない。
「……これだな。森で出没する魔物の討伐と調達依頼。『ヴェルクディア』――鹿のような外見で、ジャイアントディアーの上位種。目撃場所が近い、ここから徒歩でも往復一日だな。報酬は金貨12枚」
「金貨12!? 大仕事じゃねぇか! いいのか、そんなの受けて」
「C級から受けられる依頼だ。それに……」
なんて言おうかな。まぁいいか、選ぶような余裕は無いし、往復1日でも平気そうだし。
「俺たちならやれる。二人でなら確実だ」
「そうだな!俺達ならやれる!金貨12枚は俺達のもんだ!」
馬鹿が、普通に考えてやれるわけねぇだろうが。というかお前素手だろ。
この無根拠な自信がド素人のそれだな。田舎で弱いウサギの魔物でも倒して調子に乗ってるやつだろ。
やはり最初に強い敵とぶつけておくのが正解だな。
「そうだ、他人に取られないうちに受注するぞ」
「さすが、頼れる先輩だぜ」
俺は愉悦が込み上げるのを抑えて依頼票を手に取った。
少し震える指先を、フォルクには見せないように。
次は受付だ。
美人のところに行けば舞い上がって話が早いだろう。
「依頼票をお持ちでしたら、こちらへどうぞ」
よく通るが、柔らかくて落ち着く声。なぜ冒険者ギルドには美人が集まるのか。
淡い紫の髪を軽く束ねた女性――年の頃は俺たちより少し上か。長い前髪の奥からは、こちらをまっすぐ見る涼やかな目がのぞいている。
うん、間違いなく美人だ。
「うおぉ…まじか……俺冒険者になる!」
「……冒険者登録でよろしいでしょうか」
「よろしいです!お願いします!」
見た目の華やかさに気を取られそうになるが、カウンター越しの彼女の姿勢には一分の隙もない。
若いが、ここで多くの冒険者を相手にしてきた、そんな空気だ。
「それと、この依頼を受けたい。ヴェルクディアの討伐だ」
「確認しますね。……対象は一体、討伐報告と素材の回収が条件となります。受注資格はC級以上――こちらの依頼は新人の方は受注できません」
「俺はC級だ。今日登録するのはこいつだけ」
「……なるほど。同行は可能ですが、討伐報酬の分配に関しては確認済みですか?」
「問題ない。俺が責任を持つ」
「そっか、そういうことになってんのか。よろしく頼むぜ、先輩!」
フォルクが軽口を挟むが、受付嬢の視線はすぐに彼から俺に戻った。
「この依頼、推奨は三人以上のパーティで、獣の習性と森の地形に通じた者が望ましいとされています。期限は5日後、保証金は必要ありませんが、失敗すると降格の可能性があります。……それでも、受けますか?」
「あぁ、受ける」
俺の言葉に、彼女はほんのわずか目を細めた。
だが、すぐに頷くと手元の書類に記入を始めた。
「それでは、登録手続きと受注処理を行います。登録証をお預かりします。少々お待ちください」
サインして終わりというわけじゃないようだ。
保証金なんてあるんだな、そんな仕事を受ける金があるならこんな所に来ないと思うが。
手続きの間、フォルクはそわそわとカウンターの端に寄りかかっていた。
「なぁ、あのヴェルクディアってどんな奴なんだ? 俺、初めて聞いたんだけど」
「ただのデカイ鹿だ。デカくて、早くて、強いだけ。ある意味で初心者向けと言えなくも無いかもしれない」
「なんだ鹿か。それなら故郷にもよく出たぜ。魔物なんだからアレよりはずっと強いんだろうが、なんとかなるだろ。まあ、俺が索敵と後ろからの援護を頑張るからな!」
「頼りにしてる」
その意気やヨシ!
「手続きが完了しました。フォルクハルトさんは仮登録となり、F級の扱いになります。報酬の配分と依頼遂行に関わる責任は、すべてガルドリックさんに帰属します」
そう告げた受付の女性は、書類を手にしたまま俺たちを真っすぐに見ていた。
見た目こそ柔らかいが、その目は少しだけ強張っているようにも見える。
「依頼に記載されている通り、ヴェルクディアは単独行動が基本で、出現場所にもばらつきがあります。個体差も大きく、特に角が発達した個体は危険です。……過去にこの種を甘く見て、命を落とした冒険者も沢山います。注意してください」
「大丈夫だ、問題ない」
「これが依頼受注証です。報告時にはこちらを持参してください。それでは……行ってらっしゃいませ」
彼女の言葉に、ほんの少しの間があった。
優しい女性だ。仕事向いてないんじゃないか?いや、プロに徹してくれた彼女に失礼か。
「行こう。すぐに出るぞ」
ギルドの扉を開け、外に出た。
まだ昼には早い、さっさと出発した方がいいだろう。
「なぁ……あの受付の人、綺麗だったな。なんか、こう……言葉少なだけど、目が真剣でさ。ちょっとドキッとしたわ」
フォルクがぶつぶつと呟くように言いながら、後ろを振り返る。
「気持ちは分かる」
「お、分かる? だよな、だよな! いやー、あれはちょっと反則だよ。あの目、やばいって。なんか、見透かされてる感じで」
「それは思春期だからだ」
「うっせー。そっちが渋すぎるんだよ」
◇◆◇◆◇
ギルドを出てそのまま街を出た。
街を出てすぐの時は、まだフォルクは元気だった。
「けっこう飛ばすな、ガルド。バテちゃうぞ」
「まだ散歩だ」
「お、おう」
そのうち口数が減り、顔から血の気が引いていく。
日が傾き始める頃には、俺の背中に向かって何かを呪ってるような目をしていた。
軽装とはいえ、全財産を入れた布袋を背負っている。その重みを噛み締めていることだろう。俺はそれに加えて大盾と大剣を持ってるが
陽が沈み、あたりが月の光だけになる頃には、フォルクはもはや無言。
脚をひきずり、たまに躓き、それでも足だけは止めない。えらい。
俺は歩きながら、こっそり笑いを堪えていた。
これは必要な訓練だ。新兵訓練も受けずに戦士になるなら、これくらいは通過点でなきゃいけない。
「まだ……、まだなのか……?」
「黙って歩け。あと少しで森だ」
「昼間からずっとそれじゃないか」
フォルクが天を仰いでうめいたその時、森の稜線が見えた。
「ほらな、着いた」
「うぉおお……森ぃ……!」
しゃがみ込むフォルクの背中を一度だけ叩き、引っ張り上げた。
まだまだ訓練は続く。
◇◆◇◆◇
森の縁に足を踏み入れると、空気が一変した。
日中の熱がこもる王都とは違い、湿った草の匂いと土の冷たさが肌を撫でてくる。
月明かりもほとんど届かない森の中を、僅かな感覚を頼りに進み続ける。夜間行動も当然訓練の内だ。
フォルクはもうアンデッドの様な動きになっていた。
顔は真っ白、口はずっと半開き。それでも休ませることはせず、俺は足元の草を掻き分けて進んだ。
「おい、これ持て。食える」
「……それ草じゃん……」
「野菜だ。こっちは肉だな」
「虫………」
薪と食えるものを拾いながら森を進むうち、適度に開けた窪地を見つけた。ここでいいだろう。
すぐ火を起こし、拾った虫と草を軽く炙る。フォルクはすでに座ったまま半分寝ていた。
「食え。寝る前に胃に入れとけ」
「もう殺してくれ……」
文句を言いながらも、草を噛み、虫を飲み込んだフォルクはそのままぐったりと体を丸めた。
静かな森に、乾いた枝のはぜる音だけが響く──かと思ったが、すぐにそれは破られた。
茂みが揺れ、唸り声が近づく。俺は反射的に立ち上がる。
「……来たか」
「んあ……え、なに、なんか来てない!?」
「ほら武器」
「木の棒じゃん!!」
「お前、素手で行くのか?」
「無茶言うんじゃねぇよ!!」
◇◆◇◆◇
フォルクが棒を振り回して走り出してから、ほとんど夜通しだった。
騒ぎを聞きつけたのか、夜の森はやたらと活気づいていた。
牙を剥く小型魔物、木の上から降ってくる鳥もどき、果ては目の数が合わない謎のナメクジまで。
俺は火を絶やさず、時折飛び込んでくるやつを蹴り飛ばしながら、フォルクの悲鳴と足音を確認していた。
「うわっ!それ何!?ちょ、待て、お前飛ぶの!?飛ぶのはずるい!!」
「下から払え。下から。あと叫ぶな。遠くからもばれる」
「バレてんじゃん!!全部来てるじゃん!!」
元気だな。いいことだ。いい兵士は諦めないんだ。
ようやく空が白み始めた頃、音が少しずつ遠のいた。
魔物たちも、夜の支配者じゃなくなったらしい。
「はあ……はあ……やっと……やっと死ねる……」
「生きてる。動ける。なら休め」
「うぅ……俺、街に帰るわ……冒険者、無理だわ……」
「まだ一歩目だ」
フォルクは火のそばで丸くなり、虫と草を詰め込んだ袋を枕にする。
寝返りのたびに「パリッ」と音がするのは気にしないことにした。
朝日が木々の隙間から差し込み、湿った空気が少しだけ和らいだ。
俺も少しだけ目を閉じた。ほんの一刻だけ、体を休めた。
◇◆◇◆◇
温かい空気が少しずつ森を満たしていく。
俺は消えかけて燻る焚き火のそばで目を覚ました。眠ったのはほんのわずか。だが、今はこれ以上眠っていられない。
静まり返った森の中、剣を膝に置いたままそっとステータスを確認する。
レベルが5つも上がっていた。まぁ、あれだけ戦えば当然か。
――――――――――
名前:ガルドリック
年齢:15歳(23歳)
職業:勇者
レベル:5 → 10
HP: 4320→ 5220
MP:1640 → 1690
耐久:273 → 423
筋力:251 → 361
敏捷:165 → 240
知力:199 → 254
魔力:280 → 305
幸運:10
スキル習得:「グローリアスタッチ」
スキル:「勇者の適応」「ステータスリード」
――――――――――
ちらりとフォルクを見る。焚き火の残り火に顔を照らされながら、泥だらけで丸まって眠っていた。
あえてパーティは組んでいない。レベルアップで力だけ先行するより、まずは身の丈を知れってことだ。
悪いな。けど、お前のためだ。夜の森の恐怖、魔物の強さ、それらを知らないままでは強くなれない。
俺は枝を拾い、フォルクの頬を軽く突く。
「おい、起きろ。寝てる間に襲われたら死ぬぞ」
「……っつ……もうちょい……」
「目標の痕跡を探す。立て、兵士様」
「兵士じゃねぇし……」
文句を言いながらも、奴はよろよろと立ち上がる。目の下にクマ、足取りはガタガタ。
それでも、その顔はやる気だ。いい根性してる。
「ヴェルクディアの痕跡を探す。俺は追跡が得意じゃない。頼りにしている」
「マジかよ……地味に責任重大……」
二人で森を進む。落ち葉をかき分け、折れた枝や踏みしめられた草を確認するが――手がかりらしい手がかりは、なかなか見つからなかった。
湿気で匂いもわかりにくい。虫はやたら多い。木の根に引っかかって転んだのは三回目。
「くそ……どこにいんだよ……」
何度もぼやきながら、それでもフォルクは歩き続けた。
そして数時間後。
「……あ、ちょっと来てくれガルド」
俺が近づくと、倒れた木の脇に指を差す。
「この枝……明らかに蹄のあとで踏まれてる。見ろ、あそこ、皮が擦れてる」
「……ああ。やっと見つけたな」
周囲には踏み荒らされた痕、削れた幹、鼻を突く獣の匂い。明らかに巨大な生物の痕跡だ。
フォルクの眼は正しかった。
「やった……! ……うわ、足つった!」
倒木に腰かけようとして、フォルクが盛大に転んだ。
「……よくやった。さあ、準備を始めよう」
俺は手を差し出し、フォルクを引き起こした。
ここからはお楽しみの時間だ。
「ひと狩り行こうぜ」
「……なあ、フォルクハルト」
「ん?」
「お前、金持ってるか?俺は無い」
「残念だったな、俺も無いから襲うなよ。本当に無い、なんなら今晩寝る場所も無い」
やっぱりな。こいつは金があったら使うやつだ。アテが外れたってなら文無しに決まってる。
「俺は冒険者をしてたんだ。C級でな、ほんの短い間だが、別の街で活動してた」
「冒険者かぁ、兵士になれないなら俺もそうするかな。今から田舎に帰っても邪魔になっちまうからな」
「話が早い、一緒にやるぞ」
フォルクは驚いたように目を丸くしたが、すぐに肩の力を抜いて笑った。
「マジか。こんな出会ったばっかの奴に誘われるとは思わなかったな」
「悪い話じゃないはずだ。こっちも、人手があった方が助かる」
「はは、断る理由もねぇよ。金もアテもないしな。やってみるか、ガルドリック」
「ガルドでいい」
「おう、ガルド。俺はフォルクでいいぞ」
拳を握って突き出したら、上から拳を叩きつけてきた。ちげぇよ拳を付き合わせるところだろ。
これから仕込んでいかないとな。なんせ新兵以下だ、それがお前の為なんだ許せ。
「ギルドは大通りにある。少し歩くが、大きな建物だからすぐ分かる」
「ふぅん、土地勘あるんだな。ここでも仕事したのか?」
「いいや、ちょっと知る機会があってな。中に入ったことはない」
「そうか、それじゃ楽しみだな。よろしく頼むぜC級冒険者様」
道を歩きながら、フォルクはまるで初めて来た子どものように周囲を見回していた。
俺も、この通りを歩くのは久しぶりだ。けれど迷うことは無い。
目指すギルドは、少し先にある。石造りの威厳ある建物。
兵士だったころは、あそこに用があるのは冒険者だけだと思っていた。まさか自分がそちら側に回ることになるとはな。
◇◆◇◆◇
「へぇ……思ってたよりデカいな。俺の村にあったのは、酒場に張り紙が貼ってある程度だったけどさ」
フォルクが感心したように口笛を吹く。
「ここには国中の大きな依頼が集まる。各国の支部とも繋がってるからな。人も多い」
「さっすが王都。じゃ、案内頼んだぜ先輩?」
「……ああ」
軽く笑って誤魔化した。
フォルクに冒険者をしてたとは言ったが、実際にはたった一日だけの話なんだよなぁ。たまたまタイミングが合って討伐を依頼されただけで、冒険者の作法なんて知らん。
ギルドの扉を押し開けると、喧騒が一気に流れ込んできた。
中は広く、天井が高い。木材と石材が組み合わさった内装で、重厚感のある梁が印象的だ。
受付カウンターの向こうには仕切られた面談スペース、さらに奥には依頼掲示板と休憩用の長椅子。流石は王都冒険者ギルド、重厚で無駄がない。あの町では酒場が併設されていたが、あれって普通だったのか?
「人、多いな……うわ、あっちの奴、ムチ?あんなのマジで武器にする奴いたのかよ……」
「無闇にじろじろ見るな。揉め事になる」
「お、おう……すまんすまん」
フォルクが肩をすくめて、俺の後ろに下がる。
周囲に目を配ると、依頼掲示板らしき物を見つけた、冒険者の依頼はあそこに張り出されるはず。
この人混みと喧騒――戦場とは違う緊張感がある。俺が勝手に緊張しているわけじゃないと思いたい。
「これが……依頼か。見てるだけで目が回りそうだな」
「場所、報酬、対象……慣れれば要点だけ拾えばいい。俺が見る」
フォルクが身を乗り出しかけたところで、軽く手を挙げて制した。
俺自身も不安はあるが、それを表に出すわけにはいかない。
「……これだな。森で出没する魔物の討伐と調達依頼。『ヴェルクディア』――鹿のような外見で、ジャイアントディアーの上位種。目撃場所が近い、ここから徒歩でも往復一日だな。報酬は金貨12枚」
「金貨12!? 大仕事じゃねぇか! いいのか、そんなの受けて」
「C級から受けられる依頼だ。それに……」
なんて言おうかな。まぁいいか、選ぶような余裕は無いし、往復1日でも平気そうだし。
「俺たちならやれる。二人でなら確実だ」
「そうだな!俺達ならやれる!金貨12枚は俺達のもんだ!」
馬鹿が、普通に考えてやれるわけねぇだろうが。というかお前素手だろ。
この無根拠な自信がド素人のそれだな。田舎で弱いウサギの魔物でも倒して調子に乗ってるやつだろ。
やはり最初に強い敵とぶつけておくのが正解だな。
「そうだ、他人に取られないうちに受注するぞ」
「さすが、頼れる先輩だぜ」
俺は愉悦が込み上げるのを抑えて依頼票を手に取った。
少し震える指先を、フォルクには見せないように。
次は受付だ。
美人のところに行けば舞い上がって話が早いだろう。
「依頼票をお持ちでしたら、こちらへどうぞ」
よく通るが、柔らかくて落ち着く声。なぜ冒険者ギルドには美人が集まるのか。
淡い紫の髪を軽く束ねた女性――年の頃は俺たちより少し上か。長い前髪の奥からは、こちらをまっすぐ見る涼やかな目がのぞいている。
うん、間違いなく美人だ。
「うおぉ…まじか……俺冒険者になる!」
「……冒険者登録でよろしいでしょうか」
「よろしいです!お願いします!」
見た目の華やかさに気を取られそうになるが、カウンター越しの彼女の姿勢には一分の隙もない。
若いが、ここで多くの冒険者を相手にしてきた、そんな空気だ。
「それと、この依頼を受けたい。ヴェルクディアの討伐だ」
「確認しますね。……対象は一体、討伐報告と素材の回収が条件となります。受注資格はC級以上――こちらの依頼は新人の方は受注できません」
「俺はC級だ。今日登録するのはこいつだけ」
「……なるほど。同行は可能ですが、討伐報酬の分配に関しては確認済みですか?」
「問題ない。俺が責任を持つ」
「そっか、そういうことになってんのか。よろしく頼むぜ、先輩!」
フォルクが軽口を挟むが、受付嬢の視線はすぐに彼から俺に戻った。
「この依頼、推奨は三人以上のパーティで、獣の習性と森の地形に通じた者が望ましいとされています。期限は5日後、保証金は必要ありませんが、失敗すると降格の可能性があります。……それでも、受けますか?」
「あぁ、受ける」
俺の言葉に、彼女はほんのわずか目を細めた。
だが、すぐに頷くと手元の書類に記入を始めた。
「それでは、登録手続きと受注処理を行います。登録証をお預かりします。少々お待ちください」
サインして終わりというわけじゃないようだ。
保証金なんてあるんだな、そんな仕事を受ける金があるならこんな所に来ないと思うが。
手続きの間、フォルクはそわそわとカウンターの端に寄りかかっていた。
「なぁ、あのヴェルクディアってどんな奴なんだ? 俺、初めて聞いたんだけど」
「ただのデカイ鹿だ。デカくて、早くて、強いだけ。ある意味で初心者向けと言えなくも無いかもしれない」
「なんだ鹿か。それなら故郷にもよく出たぜ。魔物なんだからアレよりはずっと強いんだろうが、なんとかなるだろ。まあ、俺が索敵と後ろからの援護を頑張るからな!」
「頼りにしてる」
その意気やヨシ!
「手続きが完了しました。フォルクハルトさんは仮登録となり、F級の扱いになります。報酬の配分と依頼遂行に関わる責任は、すべてガルドリックさんに帰属します」
そう告げた受付の女性は、書類を手にしたまま俺たちを真っすぐに見ていた。
見た目こそ柔らかいが、その目は少しだけ強張っているようにも見える。
「依頼に記載されている通り、ヴェルクディアは単独行動が基本で、出現場所にもばらつきがあります。個体差も大きく、特に角が発達した個体は危険です。……過去にこの種を甘く見て、命を落とした冒険者も沢山います。注意してください」
「大丈夫だ、問題ない」
「これが依頼受注証です。報告時にはこちらを持参してください。それでは……行ってらっしゃいませ」
彼女の言葉に、ほんの少しの間があった。
優しい女性だ。仕事向いてないんじゃないか?いや、プロに徹してくれた彼女に失礼か。
「行こう。すぐに出るぞ」
ギルドの扉を開け、外に出た。
まだ昼には早い、さっさと出発した方がいいだろう。
「なぁ……あの受付の人、綺麗だったな。なんか、こう……言葉少なだけど、目が真剣でさ。ちょっとドキッとしたわ」
フォルクがぶつぶつと呟くように言いながら、後ろを振り返る。
「気持ちは分かる」
「お、分かる? だよな、だよな! いやー、あれはちょっと反則だよ。あの目、やばいって。なんか、見透かされてる感じで」
「それは思春期だからだ」
「うっせー。そっちが渋すぎるんだよ」
◇◆◇◆◇
ギルドを出てそのまま街を出た。
街を出てすぐの時は、まだフォルクは元気だった。
「けっこう飛ばすな、ガルド。バテちゃうぞ」
「まだ散歩だ」
「お、おう」
そのうち口数が減り、顔から血の気が引いていく。
日が傾き始める頃には、俺の背中に向かって何かを呪ってるような目をしていた。
軽装とはいえ、全財産を入れた布袋を背負っている。その重みを噛み締めていることだろう。俺はそれに加えて大盾と大剣を持ってるが
陽が沈み、あたりが月の光だけになる頃には、フォルクはもはや無言。
脚をひきずり、たまに躓き、それでも足だけは止めない。えらい。
俺は歩きながら、こっそり笑いを堪えていた。
これは必要な訓練だ。新兵訓練も受けずに戦士になるなら、これくらいは通過点でなきゃいけない。
「まだ……、まだなのか……?」
「黙って歩け。あと少しで森だ」
「昼間からずっとそれじゃないか」
フォルクが天を仰いでうめいたその時、森の稜線が見えた。
「ほらな、着いた」
「うぉおお……森ぃ……!」
しゃがみ込むフォルクの背中を一度だけ叩き、引っ張り上げた。
まだまだ訓練は続く。
◇◆◇◆◇
森の縁に足を踏み入れると、空気が一変した。
日中の熱がこもる王都とは違い、湿った草の匂いと土の冷たさが肌を撫でてくる。
月明かりもほとんど届かない森の中を、僅かな感覚を頼りに進み続ける。夜間行動も当然訓練の内だ。
フォルクはもうアンデッドの様な動きになっていた。
顔は真っ白、口はずっと半開き。それでも休ませることはせず、俺は足元の草を掻き分けて進んだ。
「おい、これ持て。食える」
「……それ草じゃん……」
「野菜だ。こっちは肉だな」
「虫………」
薪と食えるものを拾いながら森を進むうち、適度に開けた窪地を見つけた。ここでいいだろう。
すぐ火を起こし、拾った虫と草を軽く炙る。フォルクはすでに座ったまま半分寝ていた。
「食え。寝る前に胃に入れとけ」
「もう殺してくれ……」
文句を言いながらも、草を噛み、虫を飲み込んだフォルクはそのままぐったりと体を丸めた。
静かな森に、乾いた枝のはぜる音だけが響く──かと思ったが、すぐにそれは破られた。
茂みが揺れ、唸り声が近づく。俺は反射的に立ち上がる。
「……来たか」
「んあ……え、なに、なんか来てない!?」
「ほら武器」
「木の棒じゃん!!」
「お前、素手で行くのか?」
「無茶言うんじゃねぇよ!!」
◇◆◇◆◇
フォルクが棒を振り回して走り出してから、ほとんど夜通しだった。
騒ぎを聞きつけたのか、夜の森はやたらと活気づいていた。
牙を剥く小型魔物、木の上から降ってくる鳥もどき、果ては目の数が合わない謎のナメクジまで。
俺は火を絶やさず、時折飛び込んでくるやつを蹴り飛ばしながら、フォルクの悲鳴と足音を確認していた。
「うわっ!それ何!?ちょ、待て、お前飛ぶの!?飛ぶのはずるい!!」
「下から払え。下から。あと叫ぶな。遠くからもばれる」
「バレてんじゃん!!全部来てるじゃん!!」
元気だな。いいことだ。いい兵士は諦めないんだ。
ようやく空が白み始めた頃、音が少しずつ遠のいた。
魔物たちも、夜の支配者じゃなくなったらしい。
「はあ……はあ……やっと……やっと死ねる……」
「生きてる。動ける。なら休め」
「うぅ……俺、街に帰るわ……冒険者、無理だわ……」
「まだ一歩目だ」
フォルクは火のそばで丸くなり、虫と草を詰め込んだ袋を枕にする。
寝返りのたびに「パリッ」と音がするのは気にしないことにした。
朝日が木々の隙間から差し込み、湿った空気が少しだけ和らいだ。
俺も少しだけ目を閉じた。ほんの一刻だけ、体を休めた。
◇◆◇◆◇
温かい空気が少しずつ森を満たしていく。
俺は消えかけて燻る焚き火のそばで目を覚ました。眠ったのはほんのわずか。だが、今はこれ以上眠っていられない。
静まり返った森の中、剣を膝に置いたままそっとステータスを確認する。
レベルが5つも上がっていた。まぁ、あれだけ戦えば当然か。
――――――――――
名前:ガルドリック
年齢:15歳(23歳)
職業:勇者
レベル:5 → 10
HP: 4320→ 5220
MP:1640 → 1690
耐久:273 → 423
筋力:251 → 361
敏捷:165 → 240
知力:199 → 254
魔力:280 → 305
幸運:10
スキル習得:「グローリアスタッチ」
スキル:「勇者の適応」「ステータスリード」
――――――――――
ちらりとフォルクを見る。焚き火の残り火に顔を照らされながら、泥だらけで丸まって眠っていた。
あえてパーティは組んでいない。レベルアップで力だけ先行するより、まずは身の丈を知れってことだ。
悪いな。けど、お前のためだ。夜の森の恐怖、魔物の強さ、それらを知らないままでは強くなれない。
俺は枝を拾い、フォルクの頬を軽く突く。
「おい、起きろ。寝てる間に襲われたら死ぬぞ」
「……っつ……もうちょい……」
「目標の痕跡を探す。立て、兵士様」
「兵士じゃねぇし……」
文句を言いながらも、奴はよろよろと立ち上がる。目の下にクマ、足取りはガタガタ。
それでも、その顔はやる気だ。いい根性してる。
「ヴェルクディアの痕跡を探す。俺は追跡が得意じゃない。頼りにしている」
「マジかよ……地味に責任重大……」
二人で森を進む。落ち葉をかき分け、折れた枝や踏みしめられた草を確認するが――手がかりらしい手がかりは、なかなか見つからなかった。
湿気で匂いもわかりにくい。虫はやたら多い。木の根に引っかかって転んだのは三回目。
「くそ……どこにいんだよ……」
何度もぼやきながら、それでもフォルクは歩き続けた。
そして数時間後。
「……あ、ちょっと来てくれガルド」
俺が近づくと、倒れた木の脇に指を差す。
「この枝……明らかに蹄のあとで踏まれてる。見ろ、あそこ、皮が擦れてる」
「……ああ。やっと見つけたな」
周囲には踏み荒らされた痕、削れた幹、鼻を突く獣の匂い。明らかに巨大な生物の痕跡だ。
フォルクの眼は正しかった。
「やった……! ……うわ、足つった!」
倒木に腰かけようとして、フォルクが盛大に転んだ。
「……よくやった。さあ、準備を始めよう」
俺は手を差し出し、フォルクを引き起こした。
ここからはお楽しみの時間だ。
「ひと狩り行こうぜ」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【コミカライズ決定】勇者学園の西園寺オスカー~実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい~
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
【第5回一二三書房Web小説大賞コミカライズ賞】
~ポルカコミックスでの漫画化(コミカライズ)決定!~
ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。
学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。
何か実力を隠す特別な理由があるのか。
いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。
そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。
貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。
オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。
世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな!
※小説家になろう、カクヨム、pixivにも投稿中。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
貞操逆転世界に転生したのに…男女比一対一って…
美鈴
ファンタジー
俺は隼 豊和(はやぶさ とよかず)。年齢は15歳。今年から高校生になるんだけど、何を隠そう俺には前世の記憶があるんだ。前世の記憶があるということは亡くなって生まれ変わったという事なんだろうけど、生まれ変わった世界はなんと貞操逆転世界だった。これはモテると喜んだのも束の間…その世界の男女比の差は全く無く、男性が優遇される世界ではなかった…寧ろ…。とにかく他にも色々とおかしい、そんな世界で俺にどうしろと!?また誰とも付き合えないのかっ!?そんなお話です…。
※カクヨム様にも投稿しております。内容は異なります。
※イラストはAI生成です
悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業
ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。
盾の間違った使い方
KeyBow
ファンタジー
その日は快晴で、DIY日和だった。
まさかあんな形で日常が終わるだなんて、誰に想像できただろうか。
マンションの屋上から落ちてきた女子高生と、運が悪く――いや、悪すぎることに激突して、俺は死んだはずだった。
しかし、当たった次の瞬間。
気がつけば、今にも動き出しそうなドラゴンの骨の前にいた。
周囲は白骨死体だらけ。
慌てて武器になりそうなものを探すが、剣はすべて折れ曲がり、鎧は胸に大穴が空いたりひしゃげたりしている。
仏様から脱がすのは、物理的にも気持ち的にも無理だった。
ここは――
多分、ボス部屋。
しかもこの部屋には入り口しかなく、本来ドラゴンを倒すために進んできた道を、逆進行するしかなかった。
与えられた能力は、現代日本の商品を異世界に取り寄せる
【異世界ショッピング】。
一見チートだが、完成された日用品も、人が口にできる食べ物も飲料水もない。買えるのは素材と道具、作業関連品、農作業関連の品や種、苗等だ。
魔物を倒して魔石をポイントに換えなければ、
水一滴すら買えない。
ダンジョン最奥スタートの、ハード・・・どころか鬼モードだった。
そんな中、盾だけが違った。
傷はあっても、バンドの残った盾はいくつも使えた。
両手に円盾、背中に大盾、そして両肩に装着したL字型とスパイク付きのそれは、俺をリアルザクに仕立てた。
盾で殴り
盾で守り
腹が減れば・・・盾で焼く。
フライパン代わりにし、竈の一部にし、用途は盛大に間違っているが、生きるためには、それが正解だった。
ボス部屋手前のセーフエリアを拠点に、俺はひとりダンジョンを生き延びていく。
――そんなある日。
聞こえるはずのない女性の悲鳴が、ボス部屋から響いた。
盾のまちがった使い方から始まる異世界サバイバル、ここに開幕。
【AIの使用について】
本作は執筆補助ツールとして生成AIを使用しています。
主な用途は「誤字脱字のチェック」「表現の推敲」「壁打ち(アイデア出しの補助)」です。
ストーリー構成および本文の執筆は作者自身が行っております。
エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~
シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。
主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。
追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。
さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。
疫病? これ飲めば治りますよ?
これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。
異世界亜人熟女ハーレム製作者
†真・筋坊主 しんなるきんちゃん†
ファンタジー
異世界転生して亜人の熟女ハーレムを作る話です
【注意】この作品は全てフィクションであり実在、歴史上の人物、場所、概念とは異なります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる