忠犬だったはずの後輩が、独占欲を隠さなくなった

ちとせ

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14.番外②初夜の攻め視点

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一番最初にホテルでセックスをした時の、村瀬視点です。





2年間、どんなに焦がれたかわからない存在が今目の前にいる。

転職してからは血の滲むような努力をして、ようやく先輩の前に戻っても恥ずかしくない地位を手に入れた。

いざ再会すると、この人は2年前と全く変わらず美しい姿で、その一挙一動、指の先までずっと目で追っていたいのをなんとか我慢した。

それと同時に先輩の近くにいる2人の存在が気になり、群がってくる女性社員たちに聞いてみると、彼女たちは口を揃えて『高嶺の花のナイト』だと言った。

2年前の俺のことを少しは知っている女性からは、「以前のようには彼に近づけないわよ。まあそもそも先輩だった人が部下じゃお互いやりづらいか」と余計なことまで言われる。

もともと先輩の美貌に嫉妬していたのだろう。バカにしたような目で先輩の方を見るものだから、金輪際この女は相手にしないことを決めた。

『高嶺の花のナイト』か…
なんだその絶妙にダサい異名は…というのが第一印象だったが、なかなかこの2人が油断ならないことをすぐに知る。

聞けば聞くほど、あの2人によって先輩の周りはずいぶんと分厚い城壁ができているようで、2年前の自分と同じ位置にいる彼らに嫉妬した。


さらには先輩との面談で話を聞いた時に、良好な関係だと言い切られ…
2年前、自分のことは遠ざけようとしていたのに。そう思うと内側から嫌な感情が溢れてくるのを抑えられず、近づいたときに一瞬見せた怯えた顔を見たらもうダメだった。

好物の獲物を目の前にした時の肉食獣はこんな気持ちだろうか。
圧倒的な力の差で抗うこともさえ許さず、思い続けた相手が腕の中にいる感動で夢中で口内を貪った。

「これからは俺があなたを守ってあげましょうか」

またあなたのことを守らせてください。
今度は、下僕ではなく誰よりも頼れる恋人として。

ずっとそう思っていたのに、溢れてくる嗜虐心を抑えきれずにやや煽るような言い方になってしまった。

案の定強く拒否され、焦る気持ちともに、どうせ先輩の全てを手に入れる以外の選択肢はないのだから、まずは体から落としていこうと開き直るのも早かった。

先輩が抵抗した場合に備えて用意していたバイブを使用し、絶対に逃さない。
冷静になると自分でも余裕のなさに呆れるが、とにかく自分のものにしなければ、と焦っていた。





いざホテルについて先輩に口付けると、口内には入れさせないとばかりに抵抗される。

ああ、先輩は何をしてもかわいい!
心までは屈したくないという意思表示なのだろう。
そんなかわいい抵抗が愛おしく、頬に唇にと溢れる気持ちのまま口付けていく。


その後ベッドに押し倒した時も、バイブを抜くだけで終わると本気で思っていた先輩の無垢なところがかわいくて、ハッとして悔しがっているところまでセットで眼福だ。


「ひっ…あ、ああ…っ!」

そうしてバイブで良いところを攻めていくと、先輩の声に艶がでてくる。

こうして徐々に前立腺に慣れさせて、そこが気持ちいいところなのだと刷り込んでいく。


「抜いてあげますので、キスを拒まないで?」

先輩は少しぐったりしていて、早くバイブを抜いてほしいのだろう。

今度は唇を重ねても、侵入する舌を防ぐものはなかった。

一緒に働いている時、何度この唇に自分のを重ねて中を味わいたいと思ったか。
2年前はその唇を視界に入れるたび、押し倒してしまいたい衝動を抑えるのが大変だった。

その反動だろうか。
必要以上にしつこく口内を貪ってしまう。


「ん──っ!?」

先輩のもっと乱れる姿が見たくて、意地悪にも抜きかけたバイブを前立腺に強く押し当てると、先輩の目尻からは綺麗な涙が溢れた。

あーかわいいかわいいかわいい

怯えを含むその目を見て抱きしめたい衝動を抑え、トラウマにならないよう今度こそ抜いてあげる。


自分のを出し入れしている間も先輩の顔を少しも逃したくなくてじっと見ていると、気持ちいいようで顔がわずかに朱を帯びてくる。

その色気だだ漏れの表情を見て自分の中で征服欲が増していくのを感じる。

「気持ちいいんですか?」

「…っ!…っく…」

例え先輩が気持ちいいと認めなくても、俺との行為は気持ちいいものなのだと刻み込みたい。
 

俺の言葉一つ一つに反応してくれるのが嬉しくて。
どこまでもまっすぐで気高い存在のこの人は今、俺の腕の中にいる。
自尊心を傷つけてしまうと分かっていても自分を刻みつけたくて、言葉が口をついて出てしまう。

もう先輩も限界そうだな…
気持ちいいところを同時に攻めてあげると、先輩は俺の腕の中で体をひくつかせた。

自分の手で先輩が気持ち良くなっているのがわかると、枯渇していた心が満たされるようで。

2人ほぼ同時に果てた後。
まだまだこの瞬間を堪能していたいけど、時間はこれからいくらだってあるのだと自分を落ち着かせた。



愛しい叶斗さん。
やっと手の届く範囲まで来れた。
もう手放さない。これから時間をかけてあなたの体に俺を刻みつけます。

そしていつか俺の愛を受け入れてくれたら…
そんな夢を捨てきれないまま、眠る先輩に優しく口付けた。
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