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第1章 じゃじゃ馬王女の仇討 ーオーガス国ー
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王城の隠し部屋にケルベスが人に見られぬように入った。そこにはダービス公が待っていた。
「女王の様子はどうだ?」ダービス公が尋ねた。
「意識がはっきりしない状態が続いております。」ケルベスが言った。
「あのことを思い出すことはないのだろうな?」ダービス公が言った。
「息のかかった者を潜ませておりますが、その様子はないようです。しかしメアリーやその侍女たちが女王に張り付いているため、手が出せない状態です。」ケルベスが言った。
「まあ、あのことをしゃべらなければよかろう。機会を待つか。下手に手を下してハークレイ法師に乗り込まれればややこしくなる。それよりジェイクをさっさと始末しなければな。」ダービス公は言った。
「はい。王女とサランは今だに奴を取り逃がしております。」
「まあ、あのじゃじゃ馬にはジェイクを追い回していた方が都合がよい。その間に儂がこの国の実権を握る。気づいたころにはアメリアは用なしよ。すべて儂のものになっておる。ふふふ。」ダービス公はニヤリと笑った。
「王女様は本当のことに気付いたりしないでしょうか?」ケルベスが言った。
「アメリアにはジェイクを仇だと思い込ませておる。証拠をでっちあげてな。だがもうよい頃だろう。アメリアたちはいつまで待っても奴を斬ろうとせぬ。何とかせねばならんな。お前の手の者を回せ!」ダービス公が言った。
「はっ。それなら私めがこの手で斬ります。それからもう一人、あの男はどうしましょう。」ケルベスが訊いた。
「奴もいつ裏切るかわからぬ。適当に金をつかませておるがな。見つからぬように始末しろ!」ダービス公はきっぱりと言った。その顔にいつもの笑顔はなく、鬼のような怖い顔になっていた。
ジェイクは河原を歩いていた。この国を流れる唯一の川は、誰彼もなくすべての者にすがすがしい気分にさせた。だが今のジェイクはそんな気分とは程遠かった。
ここはジェイクとアメリアがよく2人で歩いた場所だった。なぜか今日に限ってここに足を向けていた。ここに来ても昔に戻れるわけはないのに。
(一体、いつまでこうしているのか・・・)ジェイクは河原に座って川に石を投げた。その石は川面にはねることもなくそのまま沈んでいった。彼を襲う閉塞感は日に日に強くなり、やるせない思いは強くなっていた。
「また会いましたな。」ジェイクは後ろから声をかけられた。振り返るといつぞやの老人が立っていた。微笑を浮かべてジェイクを見ていた。
「あなたでしたか?この前は失礼しました。急にあなたのねぐらに隠れたりして。」ジェイクは言った。
「いや、いいのじゃ。それより次の日にあなたを訪ねてきましたぞ。王女様が。」老人が言った。その言葉にジェイクは慌てて立ち上がった。
「いやいや。あなたの居場所を訴える気はない。安心なさい。それより王女様があなたを仇と狙うとは。なにか仔細がありますな。儂にはあなたがそんな人間には見えぬ。」老人は言った。それを聞いてジェイクはまた座った。老人もそばに座った。
「あなたは何か気に病んでいるようだ。よかったら話して下さらんか。話せば気が楽になるかもしれませんぞ。」老人が微笑んで言った。ジェイクはなぜか老人の言葉に引き込まれるように気を許して、今までのいきさつを話し始めた。
―――――――――――――――――――
王城勤めを終え、帰りが夜になったジェイクは廊下を歩いていた。そこで怪しい人影を見た。それは宮殿の奥の方に向かっていた。そこにはマルーテ女王とコースラン公爵のいる広間の方だった。
(怪しい!侵入者か!)ジェイクはその後を追っていった。その人影は薄暗い広間に入っていった。
(王女様が危ない!)とっさに思ったジェイクは広間に入った。そこにはその人影があった。
「止まれ!何者だ!」ジェイクが叫ぶと、その人影は斬りかかってきた。とっさに剣を抜いて受け止めたが、その時、背後から頭に打撃を受けて倒れた。別の誰かに後ろからやられたようだった。
薄れいく意識の中で、その人影は自分の剣をしまってジェイクの剣を手に取った。そして奥の部屋に入っていった。
「うわー!」「ぎゃあ!」大きな悲鳴が響き渡った。ジェイクはふらふらになりながらも立ち上がった。そして奥の部屋に行くと、そこは灯りが消されていた。しかし薄暗い中、コースラン公爵は血みどろになって倒れていた。マルーテ女王は頭に剣を受けて血を流して倒れ、人影は串刺しにしようと剣を振り上げていた。
「やめろ!」ジェイクはその人影に向かっていった。もみ合いながらジェイクは血まみれになった剣をもぎ取った。するとその人影は部屋の外に逃げて行った。
「待て!」とジェイクは剣をもって追いかけて行った。すると廊下に出たところでダービス公の家来のケルベスと出会った。血まみれの剣を握っているジェイクを見て、
「その剣はなんだ!」と叫んだ。
「侵入者が・・・」とジェイクは言いかけたが、ケルベスは広間の奥のドアが開いたままの部屋に2人が倒れているのを見た。
「貴様!よくも女王様と公爵を!」ケルベスは剣を抜いて斬りかかってきた。
「いや、違う!」ジェイクは言った。その騒ぎに侍女たちが廊下に出て来た。
「ジェイクが女王様と公爵を手にかけた!」ケルベスが言った。侍女たちは悲鳴を上げて奥の部屋に行った。そこにマルーテ女王とコースラン公爵が血みどろで倒れているのを見た。
「女王様!」「公爵様!」侍女たちが泣き叫ぶ声が聞こえていた。
「反逆者め!ここで斬り捨ててやる!」ケルベスは剣を振り回した。その勢いにジェイクの剣は弾き飛ばされた。
「やめろ!私じゃない!」ジェイクが叫ぶがケルベスは殺気を放って剣を振り下ろしてきた。ジェイクは間一髪、避けながら逃げ回った。そのうちに剣を持った兵たちが駆け付けた。
「反逆者だ。女王様と公爵様がやられた。殺せ!」とケルベスが叫んだ。兵たちは剣を抜いて丸腰のジェイクに斬りかかってきた。訳が分からなくなったジェイクはそのまま王城から逃れていった。
――――――――――――――――――――
「その日から私は追われる身になった。愛し合っていたアメリアの仇として・・・」ジェイクは悲しそうに言った。
「なるほど。そういうわけか。」老人はうなずいた。
「コースラン公爵は亡くなられたが、女王様はなんとか一命をとりとめた。だが意識がはっきりしない状態だと聞いている。本来ならば王女であるアメリアが政を引き継ぐのだが、彼女はそれを顧みず、私を討ち果たすことを大事としている。だから政は乱れ、国内の不満が高まっている。だがアメリアは何もしようとしていない。」ジェイクは続けた。
「犯人を突き止めたいと思っている。だがこのような状態ではそれも叶わぬ。いっそのことアメリアに討たれて、彼女にこの国の政に取り組んでもらった方がよいとも考えるようになった。」ジェイクは言った。
「あきらめてはいけませんぞ。悪事を天は許さぬはずじゃ。きっと真実が白日の下にさらされる日が来る。王女様があなたを信じる日が必ず来る。」老人はきっぱりと言った。
「ああ、そうだな。ありがとう。何か気分が明るくなった。」ジェイクは言った。
「うむ・・・。あなたはすぐにここから姿を消しなさい。見つからぬようにな。」老人は何かを感じたかのように、辺りを見ながら言った。ジェイクはよくわからなかったが、
「わかった。ではまた。」とすぐに河原から出て行った。
そこに入れ替わるようにアメリアが護衛の兵を連れて河原に現れた。ジェイクは何とか出くわさずに逃れたようだった。
老人は笑顔でアメリアたちを見ていた。それが何か気になったアメリアは
「ここに若い男がいなかったか?」と老人に尋ねた。
「いや、見なかったな。」老人は首を横に振った。アメリアはその老人に見覚えがあった。確か、小屋にいた老人のようだった。
「先日は失礼した。気が立っていたので。」アメリアが言った。
「いやいや、気にしておらぬ。何か気が立つことがあったのかな?」老人は優しく言った。その老人には何か人を惹きつけるものがあった。
「いや、別に・・・」アメリアは言葉を濁した。
「そうか? 儂は占いが得意じゃ。気になることがあるなら占って進ぜよう。」老人は懐から水晶玉を取り出した。アメリアは興味をそそられ、
「では頼む。お前たちは河原を捜索していてくれ。」アメリアの命令で兵たちは散らばっていった。
「何を占おうか?」老人が言った。
「私の仇がどこにいるか占ってほしい。父を殺し母に危害を加えたジェイクという者だ。」アメリアが言った。
「よかろう。」老人は水晶玉を見つめた。
「ほう。その男のことが見えてきた。」老人が言った。
「一体どこにいる?」アメリアが言った。
「ふむ。その男はあなたのことを思っている。誰よりも大事にな。しかしあなたに仇と思われ苦悩しておる。」老人は言った。
「何を言い出すのだ! ジェイクの居場所を占ってくれと言っているのに。」」アメリアが大声を上げた。
「ジェイクはあなたの仇ではない。本当の仇は今のあなたを見てほくそ笑んでいるだろう。もう一度言おう。ジェイクは今もあなたのことを愛している。」老人は言った。
「愚弄しているのか! もうよい!」アメリアがさらに大声を上げた。
「落ち着きなされ。アメリア王女。それならば、もう一つ本当のことを言おう。」老人はじっとアメリアを見た。
「何だ!」
「あなたもジェイクを愛している。その愛ゆえに板挟みで苦しんでいる!」老人はきっぱりと言った。
「違う! 違う! そんなことはない!」アメリアは大声を上げると、顔を押さえて走って行ってしまった。
「ふむ・・・」老人はため息をついてその後ろ姿を見送っていた。
「女王の様子はどうだ?」ダービス公が尋ねた。
「意識がはっきりしない状態が続いております。」ケルベスが言った。
「あのことを思い出すことはないのだろうな?」ダービス公が言った。
「息のかかった者を潜ませておりますが、その様子はないようです。しかしメアリーやその侍女たちが女王に張り付いているため、手が出せない状態です。」ケルベスが言った。
「まあ、あのことをしゃべらなければよかろう。機会を待つか。下手に手を下してハークレイ法師に乗り込まれればややこしくなる。それよりジェイクをさっさと始末しなければな。」ダービス公は言った。
「はい。王女とサランは今だに奴を取り逃がしております。」
「まあ、あのじゃじゃ馬にはジェイクを追い回していた方が都合がよい。その間に儂がこの国の実権を握る。気づいたころにはアメリアは用なしよ。すべて儂のものになっておる。ふふふ。」ダービス公はニヤリと笑った。
「王女様は本当のことに気付いたりしないでしょうか?」ケルベスが言った。
「アメリアにはジェイクを仇だと思い込ませておる。証拠をでっちあげてな。だがもうよい頃だろう。アメリアたちはいつまで待っても奴を斬ろうとせぬ。何とかせねばならんな。お前の手の者を回せ!」ダービス公が言った。
「はっ。それなら私めがこの手で斬ります。それからもう一人、あの男はどうしましょう。」ケルベスが訊いた。
「奴もいつ裏切るかわからぬ。適当に金をつかませておるがな。見つからぬように始末しろ!」ダービス公はきっぱりと言った。その顔にいつもの笑顔はなく、鬼のような怖い顔になっていた。
ジェイクは河原を歩いていた。この国を流れる唯一の川は、誰彼もなくすべての者にすがすがしい気分にさせた。だが今のジェイクはそんな気分とは程遠かった。
ここはジェイクとアメリアがよく2人で歩いた場所だった。なぜか今日に限ってここに足を向けていた。ここに来ても昔に戻れるわけはないのに。
(一体、いつまでこうしているのか・・・)ジェイクは河原に座って川に石を投げた。その石は川面にはねることもなくそのまま沈んでいった。彼を襲う閉塞感は日に日に強くなり、やるせない思いは強くなっていた。
「また会いましたな。」ジェイクは後ろから声をかけられた。振り返るといつぞやの老人が立っていた。微笑を浮かべてジェイクを見ていた。
「あなたでしたか?この前は失礼しました。急にあなたのねぐらに隠れたりして。」ジェイクは言った。
「いや、いいのじゃ。それより次の日にあなたを訪ねてきましたぞ。王女様が。」老人が言った。その言葉にジェイクは慌てて立ち上がった。
「いやいや。あなたの居場所を訴える気はない。安心なさい。それより王女様があなたを仇と狙うとは。なにか仔細がありますな。儂にはあなたがそんな人間には見えぬ。」老人は言った。それを聞いてジェイクはまた座った。老人もそばに座った。
「あなたは何か気に病んでいるようだ。よかったら話して下さらんか。話せば気が楽になるかもしれませんぞ。」老人が微笑んで言った。ジェイクはなぜか老人の言葉に引き込まれるように気を許して、今までのいきさつを話し始めた。
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王城勤めを終え、帰りが夜になったジェイクは廊下を歩いていた。そこで怪しい人影を見た。それは宮殿の奥の方に向かっていた。そこにはマルーテ女王とコースラン公爵のいる広間の方だった。
(怪しい!侵入者か!)ジェイクはその後を追っていった。その人影は薄暗い広間に入っていった。
(王女様が危ない!)とっさに思ったジェイクは広間に入った。そこにはその人影があった。
「止まれ!何者だ!」ジェイクが叫ぶと、その人影は斬りかかってきた。とっさに剣を抜いて受け止めたが、その時、背後から頭に打撃を受けて倒れた。別の誰かに後ろからやられたようだった。
薄れいく意識の中で、その人影は自分の剣をしまってジェイクの剣を手に取った。そして奥の部屋に入っていった。
「うわー!」「ぎゃあ!」大きな悲鳴が響き渡った。ジェイクはふらふらになりながらも立ち上がった。そして奥の部屋に行くと、そこは灯りが消されていた。しかし薄暗い中、コースラン公爵は血みどろになって倒れていた。マルーテ女王は頭に剣を受けて血を流して倒れ、人影は串刺しにしようと剣を振り上げていた。
「やめろ!」ジェイクはその人影に向かっていった。もみ合いながらジェイクは血まみれになった剣をもぎ取った。するとその人影は部屋の外に逃げて行った。
「待て!」とジェイクは剣をもって追いかけて行った。すると廊下に出たところでダービス公の家来のケルベスと出会った。血まみれの剣を握っているジェイクを見て、
「その剣はなんだ!」と叫んだ。
「侵入者が・・・」とジェイクは言いかけたが、ケルベスは広間の奥のドアが開いたままの部屋に2人が倒れているのを見た。
「貴様!よくも女王様と公爵を!」ケルベスは剣を抜いて斬りかかってきた。
「いや、違う!」ジェイクは言った。その騒ぎに侍女たちが廊下に出て来た。
「ジェイクが女王様と公爵を手にかけた!」ケルベスが言った。侍女たちは悲鳴を上げて奥の部屋に行った。そこにマルーテ女王とコースラン公爵が血みどろで倒れているのを見た。
「女王様!」「公爵様!」侍女たちが泣き叫ぶ声が聞こえていた。
「反逆者め!ここで斬り捨ててやる!」ケルベスは剣を振り回した。その勢いにジェイクの剣は弾き飛ばされた。
「やめろ!私じゃない!」ジェイクが叫ぶがケルベスは殺気を放って剣を振り下ろしてきた。ジェイクは間一髪、避けながら逃げ回った。そのうちに剣を持った兵たちが駆け付けた。
「反逆者だ。女王様と公爵様がやられた。殺せ!」とケルベスが叫んだ。兵たちは剣を抜いて丸腰のジェイクに斬りかかってきた。訳が分からなくなったジェイクはそのまま王城から逃れていった。
――――――――――――――――――――
「その日から私は追われる身になった。愛し合っていたアメリアの仇として・・・」ジェイクは悲しそうに言った。
「なるほど。そういうわけか。」老人はうなずいた。
「コースラン公爵は亡くなられたが、女王様はなんとか一命をとりとめた。だが意識がはっきりしない状態だと聞いている。本来ならば王女であるアメリアが政を引き継ぐのだが、彼女はそれを顧みず、私を討ち果たすことを大事としている。だから政は乱れ、国内の不満が高まっている。だがアメリアは何もしようとしていない。」ジェイクは続けた。
「犯人を突き止めたいと思っている。だがこのような状態ではそれも叶わぬ。いっそのことアメリアに討たれて、彼女にこの国の政に取り組んでもらった方がよいとも考えるようになった。」ジェイクは言った。
「あきらめてはいけませんぞ。悪事を天は許さぬはずじゃ。きっと真実が白日の下にさらされる日が来る。王女様があなたを信じる日が必ず来る。」老人はきっぱりと言った。
「ああ、そうだな。ありがとう。何か気分が明るくなった。」ジェイクは言った。
「うむ・・・。あなたはすぐにここから姿を消しなさい。見つからぬようにな。」老人は何かを感じたかのように、辺りを見ながら言った。ジェイクはよくわからなかったが、
「わかった。ではまた。」とすぐに河原から出て行った。
そこに入れ替わるようにアメリアが護衛の兵を連れて河原に現れた。ジェイクは何とか出くわさずに逃れたようだった。
老人は笑顔でアメリアたちを見ていた。それが何か気になったアメリアは
「ここに若い男がいなかったか?」と老人に尋ねた。
「いや、見なかったな。」老人は首を横に振った。アメリアはその老人に見覚えがあった。確か、小屋にいた老人のようだった。
「先日は失礼した。気が立っていたので。」アメリアが言った。
「いやいや、気にしておらぬ。何か気が立つことがあったのかな?」老人は優しく言った。その老人には何か人を惹きつけるものがあった。
「いや、別に・・・」アメリアは言葉を濁した。
「そうか? 儂は占いが得意じゃ。気になることがあるなら占って進ぜよう。」老人は懐から水晶玉を取り出した。アメリアは興味をそそられ、
「では頼む。お前たちは河原を捜索していてくれ。」アメリアの命令で兵たちは散らばっていった。
「何を占おうか?」老人が言った。
「私の仇がどこにいるか占ってほしい。父を殺し母に危害を加えたジェイクという者だ。」アメリアが言った。
「よかろう。」老人は水晶玉を見つめた。
「ほう。その男のことが見えてきた。」老人が言った。
「一体どこにいる?」アメリアが言った。
「ふむ。その男はあなたのことを思っている。誰よりも大事にな。しかしあなたに仇と思われ苦悩しておる。」老人は言った。
「何を言い出すのだ! ジェイクの居場所を占ってくれと言っているのに。」」アメリアが大声を上げた。
「ジェイクはあなたの仇ではない。本当の仇は今のあなたを見てほくそ笑んでいるだろう。もう一度言おう。ジェイクは今もあなたのことを愛している。」老人は言った。
「愚弄しているのか! もうよい!」アメリアがさらに大声を上げた。
「落ち着きなされ。アメリア王女。それならば、もう一つ本当のことを言おう。」老人はじっとアメリアを見た。
「何だ!」
「あなたもジェイクを愛している。その愛ゆえに板挟みで苦しんでいる!」老人はきっぱりと言った。
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【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
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