33 / 54
第8章 引き裂かれた結婚 -キハヤ国ー
8-4
しおりを挟む
カライはサーブ公の屋敷に出向いていた。
「うまくいきました。ミイナは承知しました。」
「よくやった。」サーブ公は上機嫌だった。
「これであなた様の思い通りに・・・」
「いや、念には念を入れねばな。」
「と言われますと?」
「ジャグに命じておる。これであの娘も思い残すことなく俺のもとに来るだろう。」サーブ公は不気味にと笑った。
「お解放しだ!」と牢で拷問を受けていたムタヤは急に解き放たれた。
「一体、どうしたんだ?」ムタヤは訳が分からなかった。それでも拷問で痛めた体を何とか引きずりながら、家に帰ろうとした。もう日が暮れかけており、人通りは少なくなってきていた。
「ムタヤだな?」ふいに目の前に見知らぬ男が現れた。それじゃジャグだった。
「何の用です?」ムタヤは身の危険を感じた。
「お前には恨みはないが死んでもらう!」ジャグは懐から刃物を出した。
「誰の差し金だ?」ムタヤは身構えながらじりじりと後ろに下がった。体の痛みで激しく動けそうになかった。
「お前が知る必要はない!」ジャグはムタヤに刃物を突き出してきた。
「うわっ!」ムタヤは何とかそれを避けたが、足を取られて転んでしまった。
「お前も親父の様に殺してやる!」ジャグはそう言うとムタヤに刃物を突き立てようとした。その時、
「待て!」と赤い服の男が飛び込んできた。その男はジャグに飛び蹴りをして吹っ飛ばした。
「この野郎!」ジャグは刃物をかざしてその男に向かって来たが、蹴りを数発受けて気絶してその場に倒れた。
「危ないところだったな。」そこに方術師の老人が姿を現した。その老人のそばに赤い服の男が片膝をついた。
「お助けいただき、ありがとうございます。この方は?」
「キリンという儂の供の者じゃ。」老人は答えた。
「どうしてここに?」
「儂の占いであなたに危機が迫ったことが分かったのじゃ。それより家に行きましょう。お母上が心配されておる。」老人は言った。気絶しているジャグをキリンに任せて、2人はムタヤの家に向かった。
「ムタヤ。よく帰ってきてくれました!」家に帰ったムタヤをモリ―が涙をこぼしながら抱きしめた。
「母上。ご心配をかけて申し訳ありません。」ムタヤが言った。
「モリ―さん。ムタヤさんは陥れられたのじゃ。決して曲がったことはしておりませぬぞ。」老人が言った。
「ええ、私は信じておりました。」モリ―は言った。
「しかし、一体誰が?」ムタヤが言った。
「ふむ。お父上のことといい、今回のことといい。妙じゃ。この老人に詳しいことをお話しいただけぬか?何かお力になれるかもしれませんぞ。」老人は言った。
「はい。あれは昨年のことでございます・・・」ムタヤは話し始めた。
ムタヤの父、ウキヤは財政を預かる執行官だった。ある夜、急に家を出て行った。そして金庫の前で死んでいるのが見つかった。調べてみると金庫の公金はなくなっていた。そして後日、その一部はウキヤの家の植え込みから見つかった。そのことから財政の責任者だったウキヤが横領し、隠しきれなくなったので自殺したと判断された。
「おかしいではありませんか?そんなところで自殺するとは。しかも残りの金は見つかっていないのですね。」老人は言った。
「ええ。そのことは取締官のカライ様に申し上げましたが、お取り上げになりませんでした。そのため我が家は城下から追放になってわけです。」ムタヤが言った。
「これには陰謀があろう。」老人は言った。その時、
「それはわかりましたぜ。」キリンがジャグを引っ張ってきた。
「おお、キリンか!」
「はい。こいつがすべて吐きましたぜ。おい、さっさと申し上げるんだ!」キリンはジャグをつついた。
「へい。サーブ様から頼まれました。サーブ様は放蕩生活を送られて金に困ってしまい、つい公金に手を出してしまいました。それを繰り返すうちにウキヤに気付かれ、夜に金庫室に忍んできたところをウキヤに見つかりました。これでは自分の身が危ないと供をしてきた私とともにウキヤの首を縛って殺してしまいました。」ジャグは言った。
「なんということを。」ムタヤの目は怒りに燃えていた。
「そして今度もあなたを罪に陥れるように頼まれて、金をここに隠したのです。」ジャグは言った。
「どうしてなのだ?」ムタヤが言った。
「大臣のお嬢さんを嫁に迎えるためです。あなたのせいでなかなかうんとおっしゃらない。だからあなたを捕まえて結婚を迫ったのです。」
「なんという卑劣な奴じゃ。」老人は言った。
「そのお嬢さんがサーブ公の嫁になることを承諾して、あなたはお解放しになりました。しかし念には念をということで私があなたの命を狙ったわけです。」ジャグは言った。
「なんだと!」ムタヤはジャグにつかみかかった。
「ひえー!命ばかりはご勘弁を・・・」ジャグは悲鳴を上げた。
「よしなせえ。こんな奴をぶっ叩いても何にもなりませんぜ。」キリンが止めた。
「しかし妙じゃ。取締官はどうなっているのじゃ。」老人は言った。
「取締官のカライ様はサーブ様と懇意の仲。サーブ様と同じ穴の狢ってわけです。」ジャグが言った。
「そうであったか。だからお父上のことも今回のこともおかしなことがまかり通ったわけですな。」老人は言った。ムタヤは何も言わなかった。何かをこらえているようだった。
「ムタヤさん。このままでは悪い奴らのなすがままです。どうされるかな?」老人は尋ねた。
「私は・・・もうどうにもならないのです。」ムタヤは顔を背けた。
「どうしてですかな?」
「相手は王族のサーブ公。しかも取締官のカライ様までついている。追放の身の私に何ができましょう。」ムタヤが言った。
「それではミイナさんはどうなるのですか?ミイナ様はあなたのためにいやいやサーブ公のもとに嫁がれるのですよ。」そこにスザクが現れて言った。
「スザクか。ミイナ様はどうじゃ?」老人は言った。
「ミイナ様はあなたを助けるために自分の身を捧げたのです。涙をこぼしながら・・・。そしてあなたのことを愛していると伝えてくれとおっしゃったのです。あなたはそれを何とも思わないのですか!」スザクが言った。
「私にはどうすることもできない・・・」ムタヤは顔を背けたままだった。
「ムタヤさん。天は悪い者の味方はせぬ。よい方に力をしてくれるはずじゃ。しかし自ら行動しなければ助けもしない。あなたが動かねば誰も浮かばれないのです。よいかな?あなたにかかっているのですぞ。」老人は言った。
「明日にも教会で王様列席のもとに結婚式が行われます。そうなったらもうミイナ様は戻りませんよ。」スザクが言った。それを聞いてもムタヤは何も言わずに奥に入って行った。モリ―は心配そうにその後姿を見ていた。
「モリ―さん。心配じゃろうが、そっとしてあげてください。きっとムタヤさんは決心されるはずです。」老人はきっぱりと言った。
「しかしそんなことをしたら・・・」モリ―は不安げだった。
「大丈夫じゃ。私たちがついておる。決して悪いようにはしませんぞ。」老人はやさしく言った。
サーブ公はカライとともに祝杯を上げていた。
「明日は我が結婚式だ。これで大臣の家の財産は我がものだ。」酒に酔ったサーブ公は上機嫌だった。
「おめでとうございます。」カライは頭を下げた。
「お前のおかげだ。ひと段落ついたらお前を大臣にするように推挙しよう。俺の言うことだ。王様はお前を大臣にするはずだ。」サーブ公は言った。
「ありがとうございます。これで我らは怖いものなしですな。」カライは言った。
「そうだ。王など舌先三寸で何とでも言いくるめられる。」
「しかしジャグが遅いですな。奴を殺ったらすぐ戻ってくるはずですが。」カライは少し心配があった。
「なに。奴もどこかで祝杯を上げているのだろう。気にするな。それより独り身の最後の夜だ。徹底的に飲むか?」サーブ公はふざけて言った。
「これはお手柔らかに。はっはっは。」2人は笑いながら酒を酌み交わした。
ムタヤは真っ暗な部屋で一人座っていた。彼の脳裏にはミイナが浮かんでいた。そこでは彼女は優しく微笑みかけていた。
「ミイナ・・・」ムタヤはつぶやいた。どうにもしてやりない自分が情けなくなり、涙がこぼれた。だがあの老人の
「あなたが動かねば誰も浮かばれないのです。よいかな?あなたにかかっているのですぞ。」という言葉が頭に響いてきた。
「今度は私がミイナに答えてやる番だ。」ムタヤは決心を固めた。
「うまくいきました。ミイナは承知しました。」
「よくやった。」サーブ公は上機嫌だった。
「これであなた様の思い通りに・・・」
「いや、念には念を入れねばな。」
「と言われますと?」
「ジャグに命じておる。これであの娘も思い残すことなく俺のもとに来るだろう。」サーブ公は不気味にと笑った。
「お解放しだ!」と牢で拷問を受けていたムタヤは急に解き放たれた。
「一体、どうしたんだ?」ムタヤは訳が分からなかった。それでも拷問で痛めた体を何とか引きずりながら、家に帰ろうとした。もう日が暮れかけており、人通りは少なくなってきていた。
「ムタヤだな?」ふいに目の前に見知らぬ男が現れた。それじゃジャグだった。
「何の用です?」ムタヤは身の危険を感じた。
「お前には恨みはないが死んでもらう!」ジャグは懐から刃物を出した。
「誰の差し金だ?」ムタヤは身構えながらじりじりと後ろに下がった。体の痛みで激しく動けそうになかった。
「お前が知る必要はない!」ジャグはムタヤに刃物を突き出してきた。
「うわっ!」ムタヤは何とかそれを避けたが、足を取られて転んでしまった。
「お前も親父の様に殺してやる!」ジャグはそう言うとムタヤに刃物を突き立てようとした。その時、
「待て!」と赤い服の男が飛び込んできた。その男はジャグに飛び蹴りをして吹っ飛ばした。
「この野郎!」ジャグは刃物をかざしてその男に向かって来たが、蹴りを数発受けて気絶してその場に倒れた。
「危ないところだったな。」そこに方術師の老人が姿を現した。その老人のそばに赤い服の男が片膝をついた。
「お助けいただき、ありがとうございます。この方は?」
「キリンという儂の供の者じゃ。」老人は答えた。
「どうしてここに?」
「儂の占いであなたに危機が迫ったことが分かったのじゃ。それより家に行きましょう。お母上が心配されておる。」老人は言った。気絶しているジャグをキリンに任せて、2人はムタヤの家に向かった。
「ムタヤ。よく帰ってきてくれました!」家に帰ったムタヤをモリ―が涙をこぼしながら抱きしめた。
「母上。ご心配をかけて申し訳ありません。」ムタヤが言った。
「モリ―さん。ムタヤさんは陥れられたのじゃ。決して曲がったことはしておりませぬぞ。」老人が言った。
「ええ、私は信じておりました。」モリ―は言った。
「しかし、一体誰が?」ムタヤが言った。
「ふむ。お父上のことといい、今回のことといい。妙じゃ。この老人に詳しいことをお話しいただけぬか?何かお力になれるかもしれませんぞ。」老人は言った。
「はい。あれは昨年のことでございます・・・」ムタヤは話し始めた。
ムタヤの父、ウキヤは財政を預かる執行官だった。ある夜、急に家を出て行った。そして金庫の前で死んでいるのが見つかった。調べてみると金庫の公金はなくなっていた。そして後日、その一部はウキヤの家の植え込みから見つかった。そのことから財政の責任者だったウキヤが横領し、隠しきれなくなったので自殺したと判断された。
「おかしいではありませんか?そんなところで自殺するとは。しかも残りの金は見つかっていないのですね。」老人は言った。
「ええ。そのことは取締官のカライ様に申し上げましたが、お取り上げになりませんでした。そのため我が家は城下から追放になってわけです。」ムタヤが言った。
「これには陰謀があろう。」老人は言った。その時、
「それはわかりましたぜ。」キリンがジャグを引っ張ってきた。
「おお、キリンか!」
「はい。こいつがすべて吐きましたぜ。おい、さっさと申し上げるんだ!」キリンはジャグをつついた。
「へい。サーブ様から頼まれました。サーブ様は放蕩生活を送られて金に困ってしまい、つい公金に手を出してしまいました。それを繰り返すうちにウキヤに気付かれ、夜に金庫室に忍んできたところをウキヤに見つかりました。これでは自分の身が危ないと供をしてきた私とともにウキヤの首を縛って殺してしまいました。」ジャグは言った。
「なんということを。」ムタヤの目は怒りに燃えていた。
「そして今度もあなたを罪に陥れるように頼まれて、金をここに隠したのです。」ジャグは言った。
「どうしてなのだ?」ムタヤが言った。
「大臣のお嬢さんを嫁に迎えるためです。あなたのせいでなかなかうんとおっしゃらない。だからあなたを捕まえて結婚を迫ったのです。」
「なんという卑劣な奴じゃ。」老人は言った。
「そのお嬢さんがサーブ公の嫁になることを承諾して、あなたはお解放しになりました。しかし念には念をということで私があなたの命を狙ったわけです。」ジャグは言った。
「なんだと!」ムタヤはジャグにつかみかかった。
「ひえー!命ばかりはご勘弁を・・・」ジャグは悲鳴を上げた。
「よしなせえ。こんな奴をぶっ叩いても何にもなりませんぜ。」キリンが止めた。
「しかし妙じゃ。取締官はどうなっているのじゃ。」老人は言った。
「取締官のカライ様はサーブ様と懇意の仲。サーブ様と同じ穴の狢ってわけです。」ジャグが言った。
「そうであったか。だからお父上のことも今回のこともおかしなことがまかり通ったわけですな。」老人は言った。ムタヤは何も言わなかった。何かをこらえているようだった。
「ムタヤさん。このままでは悪い奴らのなすがままです。どうされるかな?」老人は尋ねた。
「私は・・・もうどうにもならないのです。」ムタヤは顔を背けた。
「どうしてですかな?」
「相手は王族のサーブ公。しかも取締官のカライ様までついている。追放の身の私に何ができましょう。」ムタヤが言った。
「それではミイナさんはどうなるのですか?ミイナ様はあなたのためにいやいやサーブ公のもとに嫁がれるのですよ。」そこにスザクが現れて言った。
「スザクか。ミイナ様はどうじゃ?」老人は言った。
「ミイナ様はあなたを助けるために自分の身を捧げたのです。涙をこぼしながら・・・。そしてあなたのことを愛していると伝えてくれとおっしゃったのです。あなたはそれを何とも思わないのですか!」スザクが言った。
「私にはどうすることもできない・・・」ムタヤは顔を背けたままだった。
「ムタヤさん。天は悪い者の味方はせぬ。よい方に力をしてくれるはずじゃ。しかし自ら行動しなければ助けもしない。あなたが動かねば誰も浮かばれないのです。よいかな?あなたにかかっているのですぞ。」老人は言った。
「明日にも教会で王様列席のもとに結婚式が行われます。そうなったらもうミイナ様は戻りませんよ。」スザクが言った。それを聞いてもムタヤは何も言わずに奥に入って行った。モリ―は心配そうにその後姿を見ていた。
「モリ―さん。心配じゃろうが、そっとしてあげてください。きっとムタヤさんは決心されるはずです。」老人はきっぱりと言った。
「しかしそんなことをしたら・・・」モリ―は不安げだった。
「大丈夫じゃ。私たちがついておる。決して悪いようにはしませんぞ。」老人はやさしく言った。
サーブ公はカライとともに祝杯を上げていた。
「明日は我が結婚式だ。これで大臣の家の財産は我がものだ。」酒に酔ったサーブ公は上機嫌だった。
「おめでとうございます。」カライは頭を下げた。
「お前のおかげだ。ひと段落ついたらお前を大臣にするように推挙しよう。俺の言うことだ。王様はお前を大臣にするはずだ。」サーブ公は言った。
「ありがとうございます。これで我らは怖いものなしですな。」カライは言った。
「そうだ。王など舌先三寸で何とでも言いくるめられる。」
「しかしジャグが遅いですな。奴を殺ったらすぐ戻ってくるはずですが。」カライは少し心配があった。
「なに。奴もどこかで祝杯を上げているのだろう。気にするな。それより独り身の最後の夜だ。徹底的に飲むか?」サーブ公はふざけて言った。
「これはお手柔らかに。はっはっは。」2人は笑いながら酒を酌み交わした。
ムタヤは真っ暗な部屋で一人座っていた。彼の脳裏にはミイナが浮かんでいた。そこでは彼女は優しく微笑みかけていた。
「ミイナ・・・」ムタヤはつぶやいた。どうにもしてやりない自分が情けなくなり、涙がこぼれた。だがあの老人の
「あなたが動かねば誰も浮かばれないのです。よいかな?あなたにかかっているのですぞ。」という言葉が頭に響いてきた。
「今度は私がミイナに答えてやる番だ。」ムタヤは決心を固めた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
短編【シークレットベビー】契約結婚の初夜の後でいきなり離縁されたのでお腹の子はひとりで立派に育てます 〜銀の仮面の侯爵と秘密の愛し子〜
美咲アリス
恋愛
レティシアは義母と妹からのいじめから逃げるために契約結婚をする。結婚相手は醜い傷跡を銀の仮面で隠した侯爵のクラウスだ。「どんなに恐ろしいお方かしら⋯⋯」震えながら初夜をむかえるがクラウスは想像以上に甘い初体験を与えてくれた。「私たち、うまくやっていけるかもしれないわ」小さな希望を持つレティシア。だけどなぜかいきなり離縁をされてしまって⋯⋯?
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる