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第7章 ダーゼン寺院
絶体絶命の危機
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王宮ではサランサのもとに白フクロウが戻った。
「エミリーは大丈夫です。女王様、お元気になられてください」
その白フクロウはエミリーの言葉を伝えていた。
「ともかくエミリー様もご無事でよかった。この言葉を女王様にお伝えせねば。これをお聞きになれば女王様のお気が戻られるかも・・・。いえ、必ずお元気が出られるはず」
サランサは確信していた。しかし自分がリーカーたちと連絡を取っていることは伏せておかねばならない。特に父のワーロン将軍やザウス隊長、魔騎士たちには・・・。
サランサは布を白フクロウにかぶせて隠すと、それを抱いてそっと部屋を出た。幸い彼女を見ている者は誰もいなかった。
(さあ、今のうちに・・・)
サランサはそのフクロウを手にエリザリー女王の部屋に向かった。
◇◇◇◇
リーカーはエミリーとともに道を進んでいた。しかしふっと何かを感じて立ち止まった。辺りに殺気が満ちていたからだった。
(待ち伏せか!)
リーカーは剣の柄に手をかけ、目で辺りを見渡した。すると丘の上に一人の魔騎士が現れた。
「リーカー! 待っていたぞ!」
リーカーがエミリーに目配せをすると、エミリーはリーカーから離れて近くのくぼみに身を隠した。
「魔騎士のトンダだ。お前を倒してエミリー様を王宮にお連れする」
トンダは丘を駆け降りてきてそのまま剣を抜いてリーカーに挑んできた。
リーカーは抜いた剣でそれを受けてはね返すと、トンダに斬りかかった。トンダはそれを避けてリーカーに剣を向けていった・・・2人の剣が交差し、火花を散らした。
「俺の必殺の剣を受けてみよ!」
トンダは剣に魔法をかけ、氷雪剣とした。それは白いのこぎり状の巨大な剣であり、全てのものを切り刻むと言われていた。リーカーは後ろに下がると、
「***魔道剣*灼熱***」
の魔法をかけた。すると魔道剣が熱を持ち、赤くなった。
「そんなもので俺の氷雪剣を受け止めらられると思うのか!」
トンダは叫びながら氷雪剣を振り下ろした。リーカーはそれを赤くなった魔道剣でしっかり受け止めていた。氷と熱の剣がぶつかり「ジュウ・・ジュウ・・ジュウ!」と音を立てていた。リーカーが魔法を強くすることで氷雪剣を何とか受け止めていた。
「やるな! だがこれからだ!」
トンダは何度も氷雪剣を振り下ろしてきた。リーカーはそれを受けつつも、反撃の剣を振るっていた。勝負は五分と五分というところだった。
激しい戦いの中でリーカーは感じていた。さっきから辺りには邪悪な気配が漂っている。だがそれはこの魔騎士からではない・・・だとすると目の前のトンダ以外に別の敵がいる・・・そう思った瞬間、
「ザッ! ザッ! ザッ!」と空中からリーカーに向かって火の玉が降ってきた。リーカーは後ろに下がり、
「***結界***」
結界を張った。するとトンダが前に出て、
「結界崩し!」
と氷雪剣で結界を切り裂いていった。容赦ない火の玉の攻撃がリーカーに降り注いだ。結界が破られてとっさに避けることもできず、何発かの火の玉を体に受けた。
「うおっ!」
リーカーは体にかなりのダメージを受けていた。しかし何とか立ち上がることはできた。砿の呪いのため、部分的ではあるが体が守られているためだった。
「まだ生きていたか!」
トンダは驚きながらも氷雪剣を振り上げた。
「俺が引導を渡してやる!」
トンダが再び剣を向けてきた。リーカーは何とかそれを受け止めてはね返した。だが攻撃することはできず、防御するのが精一杯だった。トンダは早く勝負を決めようとするが、焦れば焦るだけ剣の運びは大雑把になりキレを失っていた。
「なまぬるい!」
決着がなかなかつかないことにいら立ったウイッテが姿を現した。
「こうなったら必殺の巨大火の玉で葬ってやる!」
ウイッテは呪文を唱え、巨大な火の玉を出現させた。
「これをぶつければ、あ奴ら2人はあの世行きよ。剣を交えているから避けることもできまい」
ウイッテはリーカーとトンダに向かって巨大火の玉を放った。
「なに!」
トンダは飛んでくる巨大火の玉を見て、ウイッテにはめられたことを知った。だがリーカーとつばぜり合いしている状況では避けることもできず、結界をとっさに張ることもできなかった。
一方、リーカーももうどうにもならないことを悟っていた。あの巨大火の玉に飲み込まれればトンダとともに消滅してしまうだろうと・・・。
「これで終わりだ!」
ウイッテは勝利を確信した。これであのお方によい報告ができると・・・顔に不気味な笑みがこぼれた。
「エミリーは大丈夫です。女王様、お元気になられてください」
その白フクロウはエミリーの言葉を伝えていた。
「ともかくエミリー様もご無事でよかった。この言葉を女王様にお伝えせねば。これをお聞きになれば女王様のお気が戻られるかも・・・。いえ、必ずお元気が出られるはず」
サランサは確信していた。しかし自分がリーカーたちと連絡を取っていることは伏せておかねばならない。特に父のワーロン将軍やザウス隊長、魔騎士たちには・・・。
サランサは布を白フクロウにかぶせて隠すと、それを抱いてそっと部屋を出た。幸い彼女を見ている者は誰もいなかった。
(さあ、今のうちに・・・)
サランサはそのフクロウを手にエリザリー女王の部屋に向かった。
◇◇◇◇
リーカーはエミリーとともに道を進んでいた。しかしふっと何かを感じて立ち止まった。辺りに殺気が満ちていたからだった。
(待ち伏せか!)
リーカーは剣の柄に手をかけ、目で辺りを見渡した。すると丘の上に一人の魔騎士が現れた。
「リーカー! 待っていたぞ!」
リーカーがエミリーに目配せをすると、エミリーはリーカーから離れて近くのくぼみに身を隠した。
「魔騎士のトンダだ。お前を倒してエミリー様を王宮にお連れする」
トンダは丘を駆け降りてきてそのまま剣を抜いてリーカーに挑んできた。
リーカーは抜いた剣でそれを受けてはね返すと、トンダに斬りかかった。トンダはそれを避けてリーカーに剣を向けていった・・・2人の剣が交差し、火花を散らした。
「俺の必殺の剣を受けてみよ!」
トンダは剣に魔法をかけ、氷雪剣とした。それは白いのこぎり状の巨大な剣であり、全てのものを切り刻むと言われていた。リーカーは後ろに下がると、
「***魔道剣*灼熱***」
の魔法をかけた。すると魔道剣が熱を持ち、赤くなった。
「そんなもので俺の氷雪剣を受け止めらられると思うのか!」
トンダは叫びながら氷雪剣を振り下ろした。リーカーはそれを赤くなった魔道剣でしっかり受け止めていた。氷と熱の剣がぶつかり「ジュウ・・ジュウ・・ジュウ!」と音を立てていた。リーカーが魔法を強くすることで氷雪剣を何とか受け止めていた。
「やるな! だがこれからだ!」
トンダは何度も氷雪剣を振り下ろしてきた。リーカーはそれを受けつつも、反撃の剣を振るっていた。勝負は五分と五分というところだった。
激しい戦いの中でリーカーは感じていた。さっきから辺りには邪悪な気配が漂っている。だがそれはこの魔騎士からではない・・・だとすると目の前のトンダ以外に別の敵がいる・・・そう思った瞬間、
「ザッ! ザッ! ザッ!」と空中からリーカーに向かって火の玉が降ってきた。リーカーは後ろに下がり、
「***結界***」
結界を張った。するとトンダが前に出て、
「結界崩し!」
と氷雪剣で結界を切り裂いていった。容赦ない火の玉の攻撃がリーカーに降り注いだ。結界が破られてとっさに避けることもできず、何発かの火の玉を体に受けた。
「うおっ!」
リーカーは体にかなりのダメージを受けていた。しかし何とか立ち上がることはできた。砿の呪いのため、部分的ではあるが体が守られているためだった。
「まだ生きていたか!」
トンダは驚きながらも氷雪剣を振り上げた。
「俺が引導を渡してやる!」
トンダが再び剣を向けてきた。リーカーは何とかそれを受け止めてはね返した。だが攻撃することはできず、防御するのが精一杯だった。トンダは早く勝負を決めようとするが、焦れば焦るだけ剣の運びは大雑把になりキレを失っていた。
「なまぬるい!」
決着がなかなかつかないことにいら立ったウイッテが姿を現した。
「こうなったら必殺の巨大火の玉で葬ってやる!」
ウイッテは呪文を唱え、巨大な火の玉を出現させた。
「これをぶつければ、あ奴ら2人はあの世行きよ。剣を交えているから避けることもできまい」
ウイッテはリーカーとトンダに向かって巨大火の玉を放った。
「なに!」
トンダは飛んでくる巨大火の玉を見て、ウイッテにはめられたことを知った。だがリーカーとつばぜり合いしている状況では避けることもできず、結界をとっさに張ることもできなかった。
一方、リーカーももうどうにもならないことを悟っていた。あの巨大火の玉に飲み込まれればトンダとともに消滅してしまうだろうと・・・。
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