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第14章 駆け落ちの行方
襲撃
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午後になって笠取荘に黒塗りの高級車が止まった。中から正装した異星人とその護衛が降りてきた。彼らは笠取荘に物々しい出で立ちで向かってきた。
「どうしよう・・・」
外の様子をうかがっていた女将は慌てていた。彼女は彼らを2人を捕まえに来た者だと思っているようだった。
「心配しないで。私たちを迎えに来たの。」そこにカズン王女とソランが玄関に出てきていた。
「えっ! そうなんですか?」
「ええ。あの人たちはジコウ星の方々なの。そこで私たちは暮らすの。」カズン王女は笑顔で言った。
するとジコウ星人の外交官が笠取荘に入ってきた。カズン王女を見て深く頭を下げた。
「お迎えに参りました。どうぞ我が星にいらしてください。皆、歓迎します。カズン王女。」
「ありがとう。感謝します。」カズン王女も軽く頭を下げた。そして女将の方に向き直って言った。
「ありがとう。みなさんに助けられたことは一生忘れません。」
「みなさん、ありがとう。」ソランは深く頭を下げた。
「ええ。そんな・・・」女将は言葉が出なかった。まさか、自分がかくまっていたのが王女様だなんて・・・考えるだけで震えが来ていた。
「では、また。」王女たちはジコウ星人の外交官に連れられて車に乗った。女将は見送りながら、
「王女様だったんだねえ・・・。まさに身分を超えた愛。ああ、美しい・・・」と自分の世界に浸っていた。
やがて車は出発した。正介は外に出てじっとその車を目で追っていた。
「ん?」王女が乗った車を、少し距離を開けて別の車が追跡していた。
(これは!)正介は振り返って笠取荘の建物の奥の方を見た。そこには健が控えていた。正介が目くばせすると、健はうなずいてそばのホバーバイクに乗ってその後を追っていった。
カズン王女を乗せた車がしばらく走った時、その前に道を塞ぐように車が停まっていた。
「ププー!」クラクションを鳴らすが、その車はどける様子はなかった。下がろうとしたがつけて来た車が後ろを塞いでいた。そしてその車の中からバイオノイドが出て来た。それはマコウのものではなく、別の星のもののようだった。
「お逃げください!」 あわてて外交官と護衛の者が飛び出してカズン王女たちを逃がそうとしたが、すぐにバイオノイドたちに倒されてしまった。
「きゃあ!」カズン王女は悲鳴を上げながらもソランとともに逃げようとした。しかし2人はバイオノイドにすでに包囲されていた。ソランは落ちていた木の枝を拾って抵抗したが、すぐに叩きのめされた。王女は当て身を受けてその場に倒れ込んだ。
「引き上げだ!」バイオノイドたちは2人を抱えて連れ去ろうとしていた。
その時、
「待て!」と声が聞こえた。ホバーバイクに乗った健がそこに到着したのだった。健は空中に飛び上がっている間に黒装束の佐助の姿になり、電子手裏剣を放った。それはバイオノイドを2体倒したが、他のバイオノイドが剣を抜いて佐助に向かって来た。佐助はレーザー刀を逆手にもって戦うが、その間にカズン王女とソランは車に乗せられていた。
「しまった!」
佐助はまた大きくジャンプして、走り出すその車に超小型発信機を投げつけた。すると発信機は車に引っ付いた。それを確認すると佐助は懐から煙玉を取り出して振り返った。バイオノイドたちは佐助を斬り倒そうと向かって来た。佐助はそこに向けて煙玉を思いっきり投げつけた。
「ドッカーン!」大きな音と煙はもうもうと立った。バイオノイドがそれに混乱するうちに佐助はその場から姿を消した。
「どうしよう・・・」
外の様子をうかがっていた女将は慌てていた。彼女は彼らを2人を捕まえに来た者だと思っているようだった。
「心配しないで。私たちを迎えに来たの。」そこにカズン王女とソランが玄関に出てきていた。
「えっ! そうなんですか?」
「ええ。あの人たちはジコウ星の方々なの。そこで私たちは暮らすの。」カズン王女は笑顔で言った。
するとジコウ星人の外交官が笠取荘に入ってきた。カズン王女を見て深く頭を下げた。
「お迎えに参りました。どうぞ我が星にいらしてください。皆、歓迎します。カズン王女。」
「ありがとう。感謝します。」カズン王女も軽く頭を下げた。そして女将の方に向き直って言った。
「ありがとう。みなさんに助けられたことは一生忘れません。」
「みなさん、ありがとう。」ソランは深く頭を下げた。
「ええ。そんな・・・」女将は言葉が出なかった。まさか、自分がかくまっていたのが王女様だなんて・・・考えるだけで震えが来ていた。
「では、また。」王女たちはジコウ星人の外交官に連れられて車に乗った。女将は見送りながら、
「王女様だったんだねえ・・・。まさに身分を超えた愛。ああ、美しい・・・」と自分の世界に浸っていた。
やがて車は出発した。正介は外に出てじっとその車を目で追っていた。
「ん?」王女が乗った車を、少し距離を開けて別の車が追跡していた。
(これは!)正介は振り返って笠取荘の建物の奥の方を見た。そこには健が控えていた。正介が目くばせすると、健はうなずいてそばのホバーバイクに乗ってその後を追っていった。
カズン王女を乗せた車がしばらく走った時、その前に道を塞ぐように車が停まっていた。
「ププー!」クラクションを鳴らすが、その車はどける様子はなかった。下がろうとしたがつけて来た車が後ろを塞いでいた。そしてその車の中からバイオノイドが出て来た。それはマコウのものではなく、別の星のもののようだった。
「お逃げください!」 あわてて外交官と護衛の者が飛び出してカズン王女たちを逃がそうとしたが、すぐにバイオノイドたちに倒されてしまった。
「きゃあ!」カズン王女は悲鳴を上げながらもソランとともに逃げようとした。しかし2人はバイオノイドにすでに包囲されていた。ソランは落ちていた木の枝を拾って抵抗したが、すぐに叩きのめされた。王女は当て身を受けてその場に倒れ込んだ。
「引き上げだ!」バイオノイドたちは2人を抱えて連れ去ろうとしていた。
その時、
「待て!」と声が聞こえた。ホバーバイクに乗った健がそこに到着したのだった。健は空中に飛び上がっている間に黒装束の佐助の姿になり、電子手裏剣を放った。それはバイオノイドを2体倒したが、他のバイオノイドが剣を抜いて佐助に向かって来た。佐助はレーザー刀を逆手にもって戦うが、その間にカズン王女とソランは車に乗せられていた。
「しまった!」
佐助はまた大きくジャンプして、走り出すその車に超小型発信機を投げつけた。すると発信機は車に引っ付いた。それを確認すると佐助は懐から煙玉を取り出して振り返った。バイオノイドたちは佐助を斬り倒そうと向かって来た。佐助はそこに向けて煙玉を思いっきり投げつけた。
「ドッカーン!」大きな音と煙はもうもうと立った。バイオノイドがそれに混乱するうちに佐助はその場から姿を消した。
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