「婚約破棄」ですか?私はかまいませんが本気ですか?

ヤバたん

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王立学園卒業パーティー

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「ロザリア・アイビー!お前のような色気も可愛い気もない女との婚約は破棄してやる!」


 ジュエル王国の国立教育機関は、国内教育施設としては最高峰。
 この国は国民の向上心に寛容で、自主的教育に熱心だ。

 貴族子息子女だけでなく、国内各種ギルドや王直轄のスカウトにより各地から才能を見出された子供たちが集められている。
 貴族以外の子供たちは寮費や衣食は王の私費で、家族との交流や帰省も補助金が支給されているし、学園がバイト斡旋もしている。
 ただ、向上心に無頓着な者(おバカ)もいたりする。
 そして今そんな国立教育機関『王立学園』の卒業パーティーが開催されているのだが‥‥。

 他国の留学生・遊学なども含まれる200人以上が集う集まり。

 ジュエル王国外苑の離宮で開催されている卒業パーティーのただなか。

 ワーズ伯爵家が末子ジョシュアは、パーティー参加に遅れて来た挙句に言ってやったドヤと胸を張って会場中に聞こえるよう大声で宣言した。

 ジョシュアとしては会場中でヒソヒソと噂され。婚約者のロザリアが恥をかき狼狽える姿を思い描いたのだ。

 ところが、会場中がいっせいに静まり返った。


 話は一時間ほど前にさかのぼる。


 婚約者であるワース伯爵家のジョシュアから、卒業パーティーのエスコートの申しみがなかったアイビー辺境伯爵家令嬢ロザリアは覚悟を決めていた。

 この世界には魔法があり。魔道具もある。

 ロザリアは幼馴染で護衛兼側近だが、異性なのでスキャンダル対策に他者への認識を薄くする魔道具を稼働しているソレイユに魔道具をオフにしてエスコートしてもらっていた。

 婚約者がいながら、婚約者以外の者に会場へエスコートされて来たロザリアに会場はざわめく。

 でも、辺境伯令嬢ロザリアに話しかけれるのは、公・侯爵家もしくは王族の子息令嬢ぐらい。

 とまどう彼らの視線を受け流し、ゆったりとした歩調で近寄り声をかけてきた人がいる。

「やぁ!ロザリア嬢。今日は側近リーフ家の兄妹と一緒かい?」

「サフィア殿下にお声がけ頂き光栄です。
 ソレイユとディーアナはイトコですもの。側近と言うより幼馴染ですわ。
 今日は3人の髪と瞳の色が濃淡の違いはあれど近しいので、わたくしはラベンダー。ディーアナは緋紫。ソレイユは紫紺に縫い取りは銀で装いを揃えてみましたの」

「ワーズ伯爵家のジョシュア殿は?」

「エスコートの申しみはありませんでしたもの」

 ちなみにロザリアの瞳が紫紺。ソレイユは緋紫。ディーアナはラベンダーである。

 相手に自分の色を纏わせるのは、貴族間では一種の独占欲(コレは私の手出し無用)を示しているのだ。

 彼らは3人が納得しなければ、それぞれのパートナーのポジションは認めないだろう。

 ロザリアの婚約者は家同士の付き合い。先代アイビー辺境伯とワーズ伯爵の意向で持ち込まれたものだ。
 現辺境伯はこの話を受け入れるか。ロザリアに相談し条件をワーズ伯爵と話し合い加味して貴族院へ申請した。

 貴族の婚姻は国益と家同士の繋がりにつながる。「結婚しようそうしよう」とは行かない。
 市井の者とは違うのだ。

 それにジョシュアの宣言は、あまりにタイミングが悪すぎる。

 辺境伯令嬢ロザリアは学友であり学園執行部仲間でもあった。この国の第3王子サフィア殿下と絶賛歓談中なのだ。

 ジョシュアは無謀にも、そこにトーイ男爵令嬢ビアナを腕にぶら下げ突入し、王族の歓談をぶった斬って来た。

 とうぜん会場に流れていた楽団の演奏もとだえ、他の者たちの会話も静まり返る。

(ほー!やってくれるね)

 サフィア殿下がメガネ越しのロイヤルブールー瞳を煌めかす。

(やばい・ヤバイ・やば過ぎる!!!
 サフィア殿下が獲物をロックオンした肉食獣の顔になってるよ~!
 アレは、相手をトコトン弄ぼうとしているときのネコに似た眼だ!)

 第一王子ダイアン殿下は王太子として公務に励んでいる。
 第二王子ルビリア殿下は宰相室と内務省をいつも行き来。
 第三王子サフィア殿下は早くから外交に出ている。第一王女エメラルダも外交に関わっているが、他国の外交官に恐れられているのはサフィア殿下だ。ブラックな変貌を遂げたサフィア殿下は容赦ない。
 第二王女パライバ殿下は王立学園研究所へ進んでるし。
 第四王子クリスタ殿下は現在王立学園の四年生。騎士科を専攻しているとか。

 ロザリアは思わず周りに眼を向けるが、サフィア殿下のブレーキ役のはずな側近はパートナーと共に柱の影に避難してるし。

(私にコレをどうしろと⁈)
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