「婚約破棄」ですか?私はかまいませんが本気ですか?

ヤバたん

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王立学園卒業パーティー(サフィア第三王子視点)

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 王立学園卒業パーティーが華やかに開催されるなか。

 着飾った令息令嬢は見飽きているが、サフィア第三王子は興味深い存在に眼をとめた。

 今度のパーティーに婚約者である西の辺境伯令嬢は、学園入学前で参加していない。

 どうパーティーを楽しもうか(時間をつぶそうか)と思っていたが、どうやら楽しめそうだ。

 執行部仲間でもあった東の辺境伯令嬢ロザリア。彼女はタダの才女ではない。

 王立学園には1年に1年のスキップ制度がある。彼女とその側近達は入学当初からスキップ制度を使いまくって、卒業単位と試験・実技課程をこなしている。

 この国の規定に家の相続に性別は関係ない。彼女は文武両道で十分次代辺境伯の資質を示している。

 王族は見極めと社交と外交も兼ねて、スキップできてもしないんだよね。

 6年かけて国内外情勢と人材の見極めと足場固めがマスト。

 ロザリア嬢とその側近が、次代辺境伯候補確実じゃなければ欲しいよね。

 彼ら3人は卒業パーティーの5~10日後に15歳になるんだよ。

 パーティー参加者の大半が17~19歳(留学生・遊学生)だから、銀糸に縁取られた紫系正装の彼らは可愛いし綺麗だし目立つ目立つ。

 みんな話しかけたいけど家格とかもあって、話しかけれないでいる。

 婚約者のはずのワーズ伯爵家のジョシュアがエスコートしていれば、皆んなの視線もここまでではないだろうが、彼女をエスコートしているのが側近のソレイユでは気になるだろう。

 学園に事前登録をして、彼と同じように認識を薄める魔道具を身につけ通う生徒はそこそこいる。

 学園に通う生徒の護衛も兼ねた生徒達だ。大人の護衛は完全に気配を消している。

 私にも当然付いているし、婚約者である西の辺境伯令嬢リリーナにもつけられている。

 今回のソレイユが魔道具をオフにしているのは珍しい。

 せっかくの王族特権だから声をかけに行こう。皆んな興味津々みたいだし。

 ゆったりと近寄り声をかける。

「やぁ!ロザリア嬢。今日は側近リーフ家の兄妹と一緒かい?」

「サフィア殿下にお声がけ頂き光栄です。
 ソレイユとディーアナはイトコですもの。側近と言うより幼馴染ですわ。
 今日は3人の髪と瞳の色が濃淡の違いはあれど近しいので、わたくしはラベンダー。ディーアナは緋紫。ソレイユは紫紺に縫い取りは銀で装いを揃えてみましたの」

「ワーズ伯爵家のジョシュア殿は?」

「エスコートの申しみはありませんでしたもの」

 笑顔の彼女に周りの皆んなは納得した。

 ワーズ伯爵家には問題はないが、末子のジョシュアは問題児である。

 出来すぎるくらい出来。将来性もあるロザリア嬢の婚約者がアレなのか?

 なぜ、両家と陛下が承認したかナゾだと言われている。

 そして和かな歓談中。ワーズ伯爵家末子ジョシュアが、トーイ男爵家の三女ビアナを腕にぶら下げトッて来た。

「ロザリア・アイビー!お前のような色気も可愛い気もない女との婚約は破棄してやる!」

(コレは何かな?市井の芸人のマネかな⁈
 私を楽しませてくれる気なのかな。ジョシュア殿はユーモアのセンスがあるみたいだね。
 ジョシュア殿は、王立学園から試験に落ちる方が難しいと言われる騎士団の入団試験に去年落ちて今年受かったんだったとか。
 そのためジョシュア殿は学園を1年留年している。
 黙っていれば東の女辺境伯の夫になれるのに、破棄するってか⁈
 ツコミどころしか無いんだけど。
 ジョシュア殿はたしか3日後に19歳になるんだよね。ロザリア嬢は10日後に15歳になられるはず。
 14歳の女性に色気を望むとか。ヤバめの趣味なのかジョシュア殿!!
 何よりも私とロザリア嬢の歓談中をぶった斬るとわ、いい度胸ですね~)

 私が一歩前に出るとロザリア嬢は、スーと静かに後ろに下がる。

「これはこれは、ワーズ伯爵家のジョシュア殿ではありませんか。
 執行部仲間でもあったロザリア嬢との歓談を遮られ、何事かと思いました。
 ロザリア嬢との婚約を破棄されるとか?
「破棄」と言うことは、ロザリア嬢が両家や国の瑕疵となるコトをなしたのでしょうか?
 両家に損害や名誉を傷つける行為をしたとか?国益を損なう行為をしたとか?犯罪行為に手を染めていたとか?
 それらを明確に示す証拠があるのですよね。
 でなければ、逆に「名誉毀損」で「婚約破棄」されますよ。
「名誉毀損」で「婚約破棄」となると賠償金も発生しますね~」

 サフィア殿下の言ってることは正論である。

(なかなか、楽しめそうだ)

 メガネ越しの眼が楽しげに細められた。

「ジョシュア殿は、とうぜんワーズ伯爵を通じてアイビー辺境伯に話は通してますよね。
 貴族の婚約・婚姻・出産・崩事などは両家から貴族院を通じ、宰相室を経て宰相閣下。陛下の承認がいります。
 届出してますよね」

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