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王立学園卒業パーティー ②
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「ジョシュア殿は、とうぜんワーズ伯爵を通じてアイビー辺境伯に話は通してますよね。
貴族の婚約・婚姻・出産・崩事などは両家から貴族院を通じ、宰相室を経て宰相閣下。陛下の承認がいります。
届出してますよね」
大勢の人たちが集まっているただなか。ロザリアに恥をかかせるつもりだったワーズ伯爵家末子ジョシュアは、サフィア第三王子殿下に遊ばれまくっている。
サフィア殿下が言及したことは正論だ。
ド直球すぎるストライクで、ジョシュアの瞳はピチピチ泳ぎまくっている。
そこにロザリアは参加する。
「サフィア殿下。よろしいでしょうか?」
「ん?どうしたのかな?」
ロザリアが無言でディアーナに手を差し出し、ディアーナはインベントリーを兼ねたポーチより重厚な二つ折りの書を渡す。
「ジョシュア様。わたくしとの婚約内容を把握したうえで解消を望まれるのですね。
婚約当初より毎年年明けに、両家契約内容を確認する書面を送っていたので解消結果についてもご存知ですわね」
「わかっているに決まっているだろ!
婚約当初から色気も可愛い気もない。お前の顔を見なくて良くなるかと思うと清々するわ」
声を大にして宣言するジョシュアを他所に、サフィア殿下がロザリアに声をかける。
「ねぇ。ロザリア嬢に聞いていいかな?ロザリア嬢とジョシュア殿が婚約したのって何時?」
どの家の誰と誰が婚約をしたかは年ごとに公表されていても、時期や詳細までは詳しくは知らされていない。
「そうですわね。ジョシュア様が11歳でわたくしが6歳の夏でしたわ」
「エッ!!」
わたくしの答えにサフィア殿下が眼を見開き息をのむ、ギャラリーと化している人たちも騒めく。
「6歳児に色気!ジョシュア殿はなかなか特殊な嗜好をしているのだな」
ジョシュア様は幼児に対して色気を望む、なかなかマニアックな嗜好をしているようだが、それを堂々と公言するあたりイサギ良いのかバカなのか?
ロザリアとしては、婚約が解消できるのはバンバンザイである。
「ロザリア嬢はどう思っているのかなぁ?」
「サフィア殿下さえよろしければ、わたくし達の婚約変更手続きにご協力いただけませんか?」
ロザリアは、ディアーナから受け取った二つ折りの書をサフィア殿下へと差し向けた。
「こちらは?」
「わたくしの父アイビー辺境伯とジョシュア様の父君ワーズ伯爵が交わした。わたくし達の婚約に関する『魔導契約書』ですわ。契約内容を取り決める話し合いに私もかかわりましたの。ジョシュア様から内容の変更を望まれたさい、速やかな対応が出来るよう記されていますわ。
内容変更には、当事者双方のサインと高位者による変更内容記載と承認のサインが記載されれば、直接宰相閣下経由で陛下に伝わるようになっています。
書に私の魔力を通しましたので、広げればサフィア殿下も内容を確認できましてよ」
「魔導契約」はあらゆる契約書における最もハイクラスのものである。
たいていは国と国。国と高位貴族との取り決めなどで用いられる契約書として使用されるのが普通だ。
それだけ縛りも厳しい権威のあるものである。
本来なら辺境伯爵家と伯爵家の婚約に使われたりはしない。
とうぜん契約を破ったときのペナルティは、家格の降格や平民落ちとかかなり厳しいのだ。
サフィアとしては眼の前の魔導契約書の内容に興味が尽きない。自分の瞳が押さえきれぬ好奇心から魔力の煌めきを帯びているのが自覚できる。
「そちらの契約書の『立ち会い者』になるかは、内容を確認してからでも良いかな?」
「よろしくお願いします」
ロザリアは礼をとって手にした『魔導契約書』をサフィア殿下に差し出した。
貴族の婚約・婚姻・出産・崩事などは両家から貴族院を通じ、宰相室を経て宰相閣下。陛下の承認がいります。
届出してますよね」
大勢の人たちが集まっているただなか。ロザリアに恥をかかせるつもりだったワーズ伯爵家末子ジョシュアは、サフィア第三王子殿下に遊ばれまくっている。
サフィア殿下が言及したことは正論だ。
ド直球すぎるストライクで、ジョシュアの瞳はピチピチ泳ぎまくっている。
そこにロザリアは参加する。
「サフィア殿下。よろしいでしょうか?」
「ん?どうしたのかな?」
ロザリアが無言でディアーナに手を差し出し、ディアーナはインベントリーを兼ねたポーチより重厚な二つ折りの書を渡す。
「ジョシュア様。わたくしとの婚約内容を把握したうえで解消を望まれるのですね。
婚約当初より毎年年明けに、両家契約内容を確認する書面を送っていたので解消結果についてもご存知ですわね」
「わかっているに決まっているだろ!
婚約当初から色気も可愛い気もない。お前の顔を見なくて良くなるかと思うと清々するわ」
声を大にして宣言するジョシュアを他所に、サフィア殿下がロザリアに声をかける。
「ねぇ。ロザリア嬢に聞いていいかな?ロザリア嬢とジョシュア殿が婚約したのって何時?」
どの家の誰と誰が婚約をしたかは年ごとに公表されていても、時期や詳細までは詳しくは知らされていない。
「そうですわね。ジョシュア様が11歳でわたくしが6歳の夏でしたわ」
「エッ!!」
わたくしの答えにサフィア殿下が眼を見開き息をのむ、ギャラリーと化している人たちも騒めく。
「6歳児に色気!ジョシュア殿はなかなか特殊な嗜好をしているのだな」
ジョシュア様は幼児に対して色気を望む、なかなかマニアックな嗜好をしているようだが、それを堂々と公言するあたりイサギ良いのかバカなのか?
ロザリアとしては、婚約が解消できるのはバンバンザイである。
「ロザリア嬢はどう思っているのかなぁ?」
「サフィア殿下さえよろしければ、わたくし達の婚約変更手続きにご協力いただけませんか?」
ロザリアは、ディアーナから受け取った二つ折りの書をサフィア殿下へと差し向けた。
「こちらは?」
「わたくしの父アイビー辺境伯とジョシュア様の父君ワーズ伯爵が交わした。わたくし達の婚約に関する『魔導契約書』ですわ。契約内容を取り決める話し合いに私もかかわりましたの。ジョシュア様から内容の変更を望まれたさい、速やかな対応が出来るよう記されていますわ。
内容変更には、当事者双方のサインと高位者による変更内容記載と承認のサインが記載されれば、直接宰相閣下経由で陛下に伝わるようになっています。
書に私の魔力を通しましたので、広げればサフィア殿下も内容を確認できましてよ」
「魔導契約」はあらゆる契約書における最もハイクラスのものである。
たいていは国と国。国と高位貴族との取り決めなどで用いられる契約書として使用されるのが普通だ。
それだけ縛りも厳しい権威のあるものである。
本来なら辺境伯爵家と伯爵家の婚約に使われたりはしない。
とうぜん契約を破ったときのペナルティは、家格の降格や平民落ちとかかなり厳しいのだ。
サフィアとしては眼の前の魔導契約書の内容に興味が尽きない。自分の瞳が押さえきれぬ好奇心から魔力の煌めきを帯びているのが自覚できる。
「そちらの契約書の『立ち会い者』になるかは、内容を確認してからでも良いかな?」
「よろしくお願いします」
ロザリアは礼をとって手にした『魔導契約書』をサフィア殿下に差し出した。
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