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父親たち 2
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ワーズ伯爵は、一人の父である前に伯爵家の当主で領主なのだ。
もう片方の父親アイビー辺境伯は、国王から送られてきた書簡にいささか驚いていた。
ワーズ伯爵には残念に思うが、こうなるような予感はかなり以前からあり驚かなかったのだ。
それよりもアイビー辺境伯を驚かせたのは、王家より第四王子クリスタが意思表示してきたら婿として迎えてもらいたいとの申し出のことだ。
王家直系の魔力についてと魔力コントロールに伴う話は有名だが、現王の子でパートナーが見つかっていないのは第四王子クリスタ殿下だけ。
ヘタをすればクリスタ殿下が『魔王』と化し、他の王の子らが討伐にあたる可能性も危ぶまれている。
実は王立学園入学時に、ロザリア嬢をクリスタ殿下がパートナーだと気づいていたらしい。
だが、そのときにはロザリアは既にワーズ伯爵家のジョシュアと婚約していた。
クリスタ殿下はロザリアが幸せなら王籍を抜け冒険者となり、アイビー辺境伯領で魔物狩をしてロザリアを助力しようと思っていたとか。
愛妻との間にもうけた我が娘ロザリアは跡取りとして優秀だ。昔から妙に引きがいいし出来過ぎるくらい出来るからこその危うさがある。
張りすぎた弦がある日ある時。きゅうに引きちぎれる時が来そうなそんなところが父として心配だ。
もう少し抜けてるところがあってもと願うのは贅沢なのか?
学園の長期休みにロザリアから聞いたところ学園入学の2年目の2度目のスキップ制度を使い四年生になると同時に、誘いを受け執行部の風紀委員となりクリスタ殿下と肩を並べていたらしい。
娘に付けた影護から、二人の仲は良好で学園でのコンビネーションも良かったとか。
家格や子息令嬢の将来背負うものによっては、学園だとしても各家が護衛をつけているのは当たり前。いま現在も学園卒業パーティーにも彼らが参加しているだろう。
あの子は幼いころより他の者より出来ることが早いし多かった。
だからいっそう周囲の観察を怠らぬよう鍛え。他者への気配りについて問い。あの子も慎重に行動できるようになったらしい。
クリスタ殿下の件はロザリアしだいとしか言えない。
アレは懐に入れたものには優しく寛容だが受け入れる基準が独特すぎて、父親である私にも理解しきれていないのだ。
我が娘ロザリアとワーズ伯爵子息ジョシュア殿との婚約は、通常の貴族の婚約どうり双方当主と本人達のサインが入った公式文章形式で提出された。
貴族家どうしの婚約は内容に問題がなく、家格が新興の伯爵家から下位なら貴族院を経て宰相室にまわっても2~3ヶ月ぐらいで承認される。
上位貴族家の場合は場合によっては、宰相室から宰相閣下を経て陛下の承認を得るのに議会が開かれる場合もあり、承認に半年から1年以上かかる場合も珍しくない。
それでも家どうしの契約である貴族家の婚約は、公文書形式の契約書が普通で『魔導契約書』は使われないものだ。
『魔導契約書』は国どうしか国と貴族家が契約をむすぶようなときに使われるモノ。
心あたりはあったが宰相閣下の眼はごまかせず見逃してもらえなかったようだ。
「婚約契約書」には双方の家名と当主サイン。婚約者当人のサイン以外に「婚約契約書」の草案者のフルネームサインと清書者のフルネームサインが入れられる。
草案者がロザリア本人で清書者がトーイ家長男というのも眼をひいただろう。
ちょうどロザリアの商会が話題に上がりはじめたタイミングで、宰相室の経済関係で利益や権利関係の書類の筆跡と同じ。新興ながら勢いがあり国の経済を潤している存在がロザリアだと知られており「婚約契約書」ではいけないんだろう。
それに貴族の婚約としては異例の個人契約になっているのに気付いたのだと思われる。ワーズ伯爵家のジョシュアに融資するのはアイビー辺境伯家のロザリア個人で、家も領地や親族・寄子にも一切関わりが徹底してないのだ。
良くある貴族の婚約や婚姻は、その家の親戚縁者に寄子だけでなく関係のある取引先や商家。果ては国や他国にまで影響を及ぼすこともあるけど。ロザリアの草案ではそれらの影響がほぼ個人に抑えられていた。
やりてのオニキス宰相閣下に気づかれ「婚約契約書」は陛下行きとなった挙句もれなくロザリア同行での王宮招待。
登城してみればワーズ伯爵も呼ばれており、ロザリアを気に入った宰相閣下と陛下により「婚約契約書」は『魔導契約書』へクラスアップ。
「また遊びにおいで」
「また会うのを楽しみにしているよ」
多忙な陛下と宰相閣下が満面の笑顔で子供を誘うのを私ははじめて眼にした。
~~~~~
この後。四人の父親から手紙を託された次席執事がパーティー会場へと向かう。
もう片方の父親アイビー辺境伯は、国王から送られてきた書簡にいささか驚いていた。
ワーズ伯爵には残念に思うが、こうなるような予感はかなり以前からあり驚かなかったのだ。
それよりもアイビー辺境伯を驚かせたのは、王家より第四王子クリスタが意思表示してきたら婿として迎えてもらいたいとの申し出のことだ。
王家直系の魔力についてと魔力コントロールに伴う話は有名だが、現王の子でパートナーが見つかっていないのは第四王子クリスタ殿下だけ。
ヘタをすればクリスタ殿下が『魔王』と化し、他の王の子らが討伐にあたる可能性も危ぶまれている。
実は王立学園入学時に、ロザリア嬢をクリスタ殿下がパートナーだと気づいていたらしい。
だが、そのときにはロザリアは既にワーズ伯爵家のジョシュアと婚約していた。
クリスタ殿下はロザリアが幸せなら王籍を抜け冒険者となり、アイビー辺境伯領で魔物狩をしてロザリアを助力しようと思っていたとか。
愛妻との間にもうけた我が娘ロザリアは跡取りとして優秀だ。昔から妙に引きがいいし出来過ぎるくらい出来るからこその危うさがある。
張りすぎた弦がある日ある時。きゅうに引きちぎれる時が来そうなそんなところが父として心配だ。
もう少し抜けてるところがあってもと願うのは贅沢なのか?
学園の長期休みにロザリアから聞いたところ学園入学の2年目の2度目のスキップ制度を使い四年生になると同時に、誘いを受け執行部の風紀委員となりクリスタ殿下と肩を並べていたらしい。
娘に付けた影護から、二人の仲は良好で学園でのコンビネーションも良かったとか。
家格や子息令嬢の将来背負うものによっては、学園だとしても各家が護衛をつけているのは当たり前。いま現在も学園卒業パーティーにも彼らが参加しているだろう。
あの子は幼いころより他の者より出来ることが早いし多かった。
だからいっそう周囲の観察を怠らぬよう鍛え。他者への気配りについて問い。あの子も慎重に行動できるようになったらしい。
クリスタ殿下の件はロザリアしだいとしか言えない。
アレは懐に入れたものには優しく寛容だが受け入れる基準が独特すぎて、父親である私にも理解しきれていないのだ。
我が娘ロザリアとワーズ伯爵子息ジョシュア殿との婚約は、通常の貴族の婚約どうり双方当主と本人達のサインが入った公式文章形式で提出された。
貴族家どうしの婚約は内容に問題がなく、家格が新興の伯爵家から下位なら貴族院を経て宰相室にまわっても2~3ヶ月ぐらいで承認される。
上位貴族家の場合は場合によっては、宰相室から宰相閣下を経て陛下の承認を得るのに議会が開かれる場合もあり、承認に半年から1年以上かかる場合も珍しくない。
それでも家どうしの契約である貴族家の婚約は、公文書形式の契約書が普通で『魔導契約書』は使われないものだ。
『魔導契約書』は国どうしか国と貴族家が契約をむすぶようなときに使われるモノ。
心あたりはあったが宰相閣下の眼はごまかせず見逃してもらえなかったようだ。
「婚約契約書」には双方の家名と当主サイン。婚約者当人のサイン以外に「婚約契約書」の草案者のフルネームサインと清書者のフルネームサインが入れられる。
草案者がロザリア本人で清書者がトーイ家長男というのも眼をひいただろう。
ちょうどロザリアの商会が話題に上がりはじめたタイミングで、宰相室の経済関係で利益や権利関係の書類の筆跡と同じ。新興ながら勢いがあり国の経済を潤している存在がロザリアだと知られており「婚約契約書」ではいけないんだろう。
それに貴族の婚約としては異例の個人契約になっているのに気付いたのだと思われる。ワーズ伯爵家のジョシュアに融資するのはアイビー辺境伯家のロザリア個人で、家も領地や親族・寄子にも一切関わりが徹底してないのだ。
良くある貴族の婚約や婚姻は、その家の親戚縁者に寄子だけでなく関係のある取引先や商家。果ては国や他国にまで影響を及ぼすこともあるけど。ロザリアの草案ではそれらの影響がほぼ個人に抑えられていた。
やりてのオニキス宰相閣下に気づかれ「婚約契約書」は陛下行きとなった挙句もれなくロザリア同行での王宮招待。
登城してみればワーズ伯爵も呼ばれており、ロザリアを気に入った宰相閣下と陛下により「婚約契約書」は『魔導契約書』へクラスアップ。
「また遊びにおいで」
「また会うのを楽しみにしているよ」
多忙な陛下と宰相閣下が満面の笑顔で子供を誘うのを私ははじめて眼にした。
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この後。四人の父親から手紙を託された次席執事がパーティー会場へと向かう。
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