「婚約破棄」ですか?私はかまいませんが本気ですか?

ヤバたん

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父親達からの手紙

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 王立学園卒業パーティー会場へと運ばれたのは四人の父親から子らへの手紙とロザリア辺境伯令嬢とジョシュア伯爵子息の婚約破棄に伴う品であった。
 陛下付き次席執事の行動は速く、『魔導契約書』が陛下のもとに到着からさして間をおかず会場に現れて、生徒たちを驚かせる。
 このところの子らの有り様を鑑み。アイビー辺境伯とワーズ伯爵は互いの子らの婚約は難しいと考え。もしもの時を見越し、事前に子らへの手紙を陛下に預けていた。

 陛下のサフィア殿下とクリスタ殿下への激励の手紙とロザリア嬢へのクリスタ殿下への父親からの添状。ワーズ伯爵子息ジョシュアとトーイ男爵家ビアナへの王命を書き添えたくらいだ。

 陛下が手紙を書いている横で、オニキス宰相が各位にロザリア嬢婚約に関わる采配を滞りなく進め。

 トーイ男爵が娘ビアナへの短いカードを記し、王都のタウンハウスの処理手続きと身内への連絡場所が王宮内に変更した連絡に勤しむ。
 もともとビアナは学園卒業後修道院行きが決まっていたのが、行き先が王国騎士団の宿舎に変わっただけで、どちらがビアナにとって良かったかは本人しだいだろう。


 《 国王陛下 二人の息子たちへ父親として 》

 我が息子サフィアとクリスタに激励を送ろう。
 サフィアは兄としてクリスタを見守ってほしい。
 ただ、父としてサフィアにも頑張ってもらいたいものだ。
 知る人は少ないがリリーナ嬢の母君とロザリア嬢の母君はたいへん仲の良い従妹同士だし、令嬢たちとエメラルダは恐ろしいことに頻繁に内輪の茶会を開いているらしい。
 発想のロザリア嬢に外交のエメラルダ。技能のリリーナ嬢を敵にまわさぬようはげめ。
 クリスタよ。ロザリア嬢については本人の判断まかせるとアイビー辺境伯より言知を得ておる。
 こころして口説くがよい。ちなみに辺境伯は夫人を口説くのに希望の鍛冶場製作とダンジョン産の素材使い放題で落としたそうだ。
 心して口説けよ。
 ただし、王立学園のスキップは認めない。王族の義務として人脈作りに励むように。

 《 国王陛下 息子の父としてロザリア嬢に 》

 一人の父親としてロザリア嬢に聞いてもらいたい話がある。
 そなたの父君である辺境伯には、すべての判断はそなたしだいと言われた。
 王立学園を卒業したらクリスタをアイビー辺境伯領に行かせようと思う。
 本人がそれを望んでいるのだが、良ければロザリア嬢の背を守らせてやってもらいたい。
 思う存分こき使ってよい。
 入学時に判明したようだが、クリスタのパートナーはロザリア嬢らしいのだ。親の身勝手ではあるが、あれが魔王になるのも他の子らが討伐に向かう姿をも見たくないものよ。
 民たちに被害が出るのも避けたい。
 認め難いがクリスタの魔力は、他の兄妹・親族が総がかりで漸と押さえ込めるかどうかだ。
 ムリを言ってすまぬ‥‥‥。

 《 アイビー辺境伯 娘ロザリアへ 》

 この処の行動と言動からジョシュア殿がロザ(ロザリアの愛称)に好意を持っていないのは感じていた。
 もし、婚約に不満を申し出てきたら好きにして良いとワーズ伯爵が申しておった。
 ロザの婚約者を辞めるということの意味もわかる年齢であろうし、ロザの好きにして良いよ。
 ロザがジョシュア殿に用立てた金貨600枚と婚約破棄は、ジョシュア殿が婚約中に他の女性に気を移した有責の賠償金600枚とともに、王国騎士団の規定により国が一括立て替えとなるらしい。
 王国の騎士団に入団するのは貴族子弟ばかりではなく才ある平民も多々いるのだが、家族の医療費や兄妹の学費・生活費とかで借財を抱えた状態のこともあり一時的に国が建て替えるのだ。
 基本的に王立騎士団は衣食住は国が保証するし、届出をすれば消耗品や家族の保護もしてもらえるので、借財は効率的に返済されるらしい。
 ジョシュア殿が借財返済にどれだけかかるかは、私たちには関わりないこととなる。
 クリスタ殿下のこともロザの判断しだいだと陛下に話してあるから。
 ただ、面倒でも各位への報告はするようにね。特にアマリア(妻)へは怠らぬように。

 《 国王陛下 ロザリアの婚約者だったワーズ伯爵子息ジョシュア殿に 》

 王国の騎士として励め。

 《 ワーズ伯爵 息子ジョシュアへ 》

 王立学園卒業と王国騎士団入団とのコトめでたく思う心より祝おう。
 私はそなたがそこまで貴族であることを重荷と感じとることができず、自立心が旺盛なことに気づけなかった不甲斐なさに恥いるばかりだ。
 ただただ、そなたを他の兄妹らと同じように王立学園に通わせ、家を出た後も貴族であり続けるスベを考え。そなたの祖父に相談した結果として、アイビー辺境伯家に婿入りすることで貴族席を維持でき。学園での諸費用を用立ててもらえるならと話を受け入れた。
 そなたにも良く説明したはずだったが、そなたは貴族席よりも好きな女性の手を取り。アイビー辺境伯家ロザリア嬢への借財返済をしつつ騎士団で愛すトーイ男爵家ビアナ嬢との日々を選ぶも一類である。
 王都タウンハウスには、明日午前中に次男ヴィラン夫妻と子供たちが移り管理することとなり。そなたの私物は王立騎士団宿舎倉庫に移動しておく。荷物の選別はそなたが個人でするように。
 王立学園卒業パーティーに出かける前に挨拶に来るかと思ったが、その機会もないようなので私はアイビー辺境伯に挨拶した後ワーズ伯爵領へ向かう。
 今後んは、嫡男オーグストに領地経営を引き継ぎに励む。貴族席を抜けるそなたに次はいつ会えるか分からぬが王国騎士として頑張るように。

 《 国王陛下 ワーズ伯爵子息ジョシュアの婚姻予定者トーイ男爵令嬢ビアナに 》

 ジョシュアと共に国のため励め。

 《 トーイ男爵 娘ビアナへ 》

 娶ってくれる相手がいたことは喜ばしい。
 末の弟も主人とおぼしき方と出会えたようなので、王都の屋敷は引き払い。陛下が用意してくれた王宮内の屋敷に家人共々移ることとした。
 連絡をとりたければ騎士団事務所を通じ、宰相室へ上申するようにな。
 そなたの私物は王立騎士団の職員用倉庫に預けておく。
 必要な物と不用な物とは自分で仕分けするよう。
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