妖言惑衆

奏琉

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幾本も幾本も鳥居を潜り抜けている間、小夜ちゃんから色々な話を聞いた。


小夜ちゃんが大切に持っていた鞠は、「主様」に貰ったのだそうだ。


それから、どうやら小夜ちゃんには両親がいないらしく。


おそらく「主様」に育てられたのだろう、と想定。


私にも父親は居ないが、両親を亡くしているよりも片親だけでも居てくれるということがどれだけ幸せなことなのか自覚した。


『あっ!』


小夜ちゃんが、持っていた鞠をポイッと投げ捨て走っていってしまう。


大切だと言っていたものなのに、、、


そのせいかついつい小夜ちゃんよりも鞠を目で追ってしまった。


テンテン、、、と転がっていった鞠を誰かの手が拾い上げる。


人だ。


顔をあげるとそこにいたのは、夕闇のせいか顔はよく見えないが私と同じ年位にみえる男の子。


なぜなら、彼は制服を着ていたから。


それも、私と同じ学校の制服を。


『その、狐面。』


そう言われて、狐面を持ったままだったのを思い出した。


『俺のなんだ。返してくれる?』


もちろん断る必要などない。


「持ち主がみつかってよかった。貴方も、ここに迷い込んでしまったの?」


私がそう切り出すと、彼は驚いたような表情をした。


『君は、誰かに呼ばれたわけじゃないのか?クソッ、彼岸だからか、、、』


そういった男の子の顔は、何かをとても後悔しているような、、、そんな顔だった。
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