妖言惑衆

奏琉

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どうやら、彼はこちらに迷いこんでしまった訳では無いようだ。


だとしたら、帰る方法を知っているかもしれない。


「あ、あの、、、」
『 おい。』


同時に声を出してしまったようで、手で口をおさえる。


男の子は、一呼吸置いてこちらに声をかけてくる。


『お前、どうやってこちらに来た。ここは常人が入れるような場所ではない。』


そんなこと言われたってこっちだってきたくてきた訳では無い。


「どうやってって、、、そんなのこっちが聞きたいわ!」


思わず怒鳴るように言ってしまう。


男の子はビックリした様子でこちらを見ながらポカンとしていた。


訳の分からないことを言われたからと言って彼に非がある訳ではない。


謝らなくては、と思い口を開き、、、


《ゴーン、、、ゴーン》


あたりに鐘の音が響き渡る。


それと時を同じく、今まで固く閉ざされていた本殿の扉がゆっくりと開きはじめる。


私は謝ることを忘れ、唖然としながら開いていく扉を見つめていた。
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