妖言惑衆

奏琉

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「僕達は捨て子でね。狐神の神使になるべく育てられて来たんだ。そして、今から8年前。ちょうど僕と縁が10歳になったとき、縁は狐神神社から姿を消した。」


悲しそうな、辛そうな表情をして話すすめていく。


きっと、話を聞いているだけでは想像出来ないほどの辛い思いをしてきたんだろう。


「再び縁が戻ってきた時、縁はあの姿になっていた。だから、僕は縁を元に戻すために5年かけて神使になったんだ。、、、どうしたの?」


話を聞いている中で私はいつの間にかボロボロと泣いてしまっていた。



『、、、私達がこんなに平和に生きてきた中にそんなことが起きていたなんて。私も手伝いたい。出来ることなんて限られてるかもしれない、それでも力になりたいの!』


私の中にある気持ちは好奇心ではなく、少しでも力になりたいと思う気持ちのみだ。


私のその言葉に、彼はブツブツと俯いて何かを言っている。


「もしか、、、が、、、選ばれ、、、」



少ししか聞こえないがそのようなことを言っているようだ。


それから、彼は顔をあげると真面目な顔を作り私に向き直る。



「君にはほんとに関係ない。勉強にも支障が出るかもしれない。それでもそう思える?」


もちろん返事はイエスに決まってる。


その意思を表すために大きく頷く。


「でもやっぱり、君に何も利がないのは、、、」



どこまで義理堅いのだろう。


申し訳なさそうな結の顔をみて、閃いた。


『だったら私に勉強を教えてくれない?そうすれば勉強に支障は出ないわ。』



結としっかり目を合わせる。


1秒、2秒、3秒、、、


微かに結が頷く。


よし、交渉成立。


『話もまとまったところで、私になにか聞きたいこととかある?』


私が聞きたいことを聞いたのだからこちらも答えなくてはフェアじゃないだろう。



「、、、ずっと気になってるんだけど、昨日も持っていたその細長い袋はなに?」
 


そこに来たか。



『護くんよ。』



私は昔から剣道をやっているので、相棒のような存在だ。


ただ、結はかなりほうけた顔をしている。



『、、、冗談よ。私、剣道やってるの。だから、護身用にって。』


納得してくれたようだ。


これでとりあえず交渉はまとまったしお互いにスッキリしただろう。
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