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第1章 異世界召喚
見知らぬ男
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あ~疲れた。
ちょっと今日は飲みすぎちゃった。
着替えるのも面倒だし、帰ってさっさと寝ちゃおう。
待っててね愛するわが子たち、もうすぐママが帰るからね。
店で着ていた白いドレスを着替えもせず、まだ着替えている女の子達に挨拶をして店を出た。
店の外の階段に、光沢感がある灰色が銀色に見えるスーツを着た身長170センチくらいの細身の、オレンジ色の髪の毛をした男性が立っていた。
とても整った顔立ちだが、理世は俗にイケメンと言われる男性にあまり興味がなく、オレンジ色の髪の毛に眉をしかめた。
今日は誰もアフターの申請をしていなかったはずよね。
なんかソワソワしてるし、誰かの彼氏かしら。
まだスーツに慣れてないようだし、二十代前半くらいかな。
足元も覚束ないっていうのに仕方ない、キッチリ挨拶だけしておこう。
「こんばんは~。もうお店終わりましたけど、誰かと待ち合わせですか?
私以外はまだ着替えているのでもう少しかかりそうですけど」
どんな警戒心をも解きほぐす、秘儀「営業スマイル」!!
だというのに若い男はわかりやすく狼狽えた。
ここまで目が泳いで慌てられるとなんだか申し訳なくなる。
私は不審者じゃないよ。
むしろこの場合、君が不審者よ。
「あの……ぼ、僕、リセさんという方を待ってるんです」
若い男はそういうと、恐縮しているのか、焦ったように早口でそういった。
ん?この子、私を待ってたの?
見覚えないなぁ。
仕事柄、人の顔覚えるの得意なんだけど、全く思い出せないわ。
オレンジの髪の毛で日本人離れしたイケメンなんてなかなか忘れなさそうだけど。
言い回しから考えてこの子も私に会った事なさそうだし、やっぱり初対面よね。
「私が理世ですけど、何かご用ですか?」
酔いで少しふらつきながらも、またにっこりと営業スマイルを浮かべた。
あんまり長く話すのはマズイわ。
お酒の周り具合が急加速してきたもの。
「は、はい!ウラノア様から言付かりまして、是非私どもの世界に召喚させていただきたく、ご説明にあがりました!!」
若い男は最初から何を言うか決めていたのか、オドオドしていたのが嘘みたいに目を輝かせて言った。
あ、いけない。
ぼ~っとしちゃって話半分も聞いてなかったわ。
聞き返したいけど、何度も同じことを説明させられると不機嫌になっちゃう人って多いのよね。
ん~と。
誰かに言われて何かの説明をしにきた__みたいな事を言ってたわよね。
うらな?うらの?
………あぁ!浦野さんか!!
最近めっきり来ないと思ってたら、新しいお客さんに紹介してくれてたのね。
けっこういいところあるじゃない。
で、何の説明って言ってたかしら。
商館がどうのこうのって言ってたような。
外人さんだから日本語使い慣れてないのかしら。
商館とやらで接待して欲しいってこと?
ダメだわ、さすがに分からない。
さりげなく聞き返してみよう。
「浦野さんの紹介でしたか~。
最近お見えにならなくて寂しかったんですよ~。接待のご依頼でひたら喜んでお受けしますよ。
いつ頃のご予定でひょうか?」
よし!ちょっと舌が回らなくなってきたけど、ギリギリ伝わるはずよ!
というか伝わって!!
「あぁ良かった!こんなに早く話が進むなんて。
実は出来るだけ早い方がいいんです。
向こうに持っていきたいものとかありますか?
長旅なのでできるだけ荷物は少ない方がありがたいんですが。」
やっぱり浦野さんの紹介で接待の依頼ってことでよさそう?
というか長旅って何?
こんな都会とも田舎とも言えない微妙な地域の夜のお店でわざわざホステスを出張させるなんて珍しい。
それ以上に、浦野さんの紹介とはいえ、流石に初対面で出張させようなんて不躾すぎないかしら。
そういうのって信頼関係が大事だと思うのだけど、ホステスにはそういうのいらないとでも思ってるのかしら。
あ、ダメ、眠気で意識飛びそう。
もうやんわり断ってさっさと帰りましょう。
「ごめんなはい、ペットがいるので長く家を離れたりはできないんです。
ヒィック、失礼。
他の女の子たちの都合も合せないといけないですしね。
それにあなたとは初対面ですし、できれば今度一度浦野さんとお越しになって、その時に改めてお話を進めまひょう?」
この酔った頭でできる最大限のやんわりお断りができたわ。
我ながら感心。
「ペットか……確かにそれは問題ですね。
リセさんだけでいいので他の方は良いとして、やはりウラノア様から直接の方がいいですよね。
すぐ戻ってウラノア様に伝えてきます!
お疲れのところ、すみませんでした。
では、失礼します!!」
若い男はまくしたてるようにそう言うと私が何か言う前に走り去っていった。
足が早いのか、もう姿も見えない。
何故か突然消えたように見えたけど。
突っ走るタイプの子なんだろうな。
まぁいいか、帰ろう。
早く愛しのわが子を愛でて疲れを癒したいわ。
完全にお酒が回ったのか、見事な千鳥足で時々電柱に手をつきながら、フラフラと家への道を進んでいった。
ちょっと今日は飲みすぎちゃった。
着替えるのも面倒だし、帰ってさっさと寝ちゃおう。
待っててね愛するわが子たち、もうすぐママが帰るからね。
店で着ていた白いドレスを着替えもせず、まだ着替えている女の子達に挨拶をして店を出た。
店の外の階段に、光沢感がある灰色が銀色に見えるスーツを着た身長170センチくらいの細身の、オレンジ色の髪の毛をした男性が立っていた。
とても整った顔立ちだが、理世は俗にイケメンと言われる男性にあまり興味がなく、オレンジ色の髪の毛に眉をしかめた。
今日は誰もアフターの申請をしていなかったはずよね。
なんかソワソワしてるし、誰かの彼氏かしら。
まだスーツに慣れてないようだし、二十代前半くらいかな。
足元も覚束ないっていうのに仕方ない、キッチリ挨拶だけしておこう。
「こんばんは~。もうお店終わりましたけど、誰かと待ち合わせですか?
私以外はまだ着替えているのでもう少しかかりそうですけど」
どんな警戒心をも解きほぐす、秘儀「営業スマイル」!!
だというのに若い男はわかりやすく狼狽えた。
ここまで目が泳いで慌てられるとなんだか申し訳なくなる。
私は不審者じゃないよ。
むしろこの場合、君が不審者よ。
「あの……ぼ、僕、リセさんという方を待ってるんです」
若い男はそういうと、恐縮しているのか、焦ったように早口でそういった。
ん?この子、私を待ってたの?
見覚えないなぁ。
仕事柄、人の顔覚えるの得意なんだけど、全く思い出せないわ。
オレンジの髪の毛で日本人離れしたイケメンなんてなかなか忘れなさそうだけど。
言い回しから考えてこの子も私に会った事なさそうだし、やっぱり初対面よね。
「私が理世ですけど、何かご用ですか?」
酔いで少しふらつきながらも、またにっこりと営業スマイルを浮かべた。
あんまり長く話すのはマズイわ。
お酒の周り具合が急加速してきたもの。
「は、はい!ウラノア様から言付かりまして、是非私どもの世界に召喚させていただきたく、ご説明にあがりました!!」
若い男は最初から何を言うか決めていたのか、オドオドしていたのが嘘みたいに目を輝かせて言った。
あ、いけない。
ぼ~っとしちゃって話半分も聞いてなかったわ。
聞き返したいけど、何度も同じことを説明させられると不機嫌になっちゃう人って多いのよね。
ん~と。
誰かに言われて何かの説明をしにきた__みたいな事を言ってたわよね。
うらな?うらの?
………あぁ!浦野さんか!!
最近めっきり来ないと思ってたら、新しいお客さんに紹介してくれてたのね。
けっこういいところあるじゃない。
で、何の説明って言ってたかしら。
商館がどうのこうのって言ってたような。
外人さんだから日本語使い慣れてないのかしら。
商館とやらで接待して欲しいってこと?
ダメだわ、さすがに分からない。
さりげなく聞き返してみよう。
「浦野さんの紹介でしたか~。
最近お見えにならなくて寂しかったんですよ~。接待のご依頼でひたら喜んでお受けしますよ。
いつ頃のご予定でひょうか?」
よし!ちょっと舌が回らなくなってきたけど、ギリギリ伝わるはずよ!
というか伝わって!!
「あぁ良かった!こんなに早く話が進むなんて。
実は出来るだけ早い方がいいんです。
向こうに持っていきたいものとかありますか?
長旅なのでできるだけ荷物は少ない方がありがたいんですが。」
やっぱり浦野さんの紹介で接待の依頼ってことでよさそう?
というか長旅って何?
こんな都会とも田舎とも言えない微妙な地域の夜のお店でわざわざホステスを出張させるなんて珍しい。
それ以上に、浦野さんの紹介とはいえ、流石に初対面で出張させようなんて不躾すぎないかしら。
そういうのって信頼関係が大事だと思うのだけど、ホステスにはそういうのいらないとでも思ってるのかしら。
あ、ダメ、眠気で意識飛びそう。
もうやんわり断ってさっさと帰りましょう。
「ごめんなはい、ペットがいるので長く家を離れたりはできないんです。
ヒィック、失礼。
他の女の子たちの都合も合せないといけないですしね。
それにあなたとは初対面ですし、できれば今度一度浦野さんとお越しになって、その時に改めてお話を進めまひょう?」
この酔った頭でできる最大限のやんわりお断りができたわ。
我ながら感心。
「ペットか……確かにそれは問題ですね。
リセさんだけでいいので他の方は良いとして、やはりウラノア様から直接の方がいいですよね。
すぐ戻ってウラノア様に伝えてきます!
お疲れのところ、すみませんでした。
では、失礼します!!」
若い男はまくしたてるようにそう言うと私が何か言う前に走り去っていった。
足が早いのか、もう姿も見えない。
何故か突然消えたように見えたけど。
突っ走るタイプの子なんだろうな。
まぁいいか、帰ろう。
早く愛しのわが子を愛でて疲れを癒したいわ。
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