【悲報】JKヒモ勇者様、初回配信中にうっかり『氷帝』と呼ばれた美少女配信者を助け、エンシェントドラゴンを一閃してバズってしまう。

シンギョウ ガク

文字の大きさ
13 / 48

Side:火村葵 交渉②

しおりを挟む

「んんっ! ゆいな、勝手に話を進めるな! 共同討伐者がいたなどと訂正したら、火に油を注ぐようなものだろが! 認めん! 私は認めんぞ!」


 黙って成り行きを見守っていた社長さんが、交渉の成立を認めないと喚き始めた。

 
「父さん、いや、社長。事態は緊急を要します。あと、1時間30分以内にこれ以外で葵様が納得する条件を提示できねば、この建物は木っ端みじんに破壊されるのですよ」


「だからと言って、虚偽報告を認めれば、会社ごと吹っ飛ぶ! 会社が潰れたら探索者たちが路頭に迷うんだぞ!」


「分かっております。今回の件は、わたくしも同罪だと思っております。ですので、視聴者やスポンサー様への謝罪会見は、わたくしが先頭に立って行います。そして、会社を存続させるため、社長には引責辞任をお願いしたく」


「わ、私が引責辞任だと!? 私が社長を辞任したら、誰が社長をやるつもりだ!」


「わたくしが引き受けます。新社長としてダンジョンスターズ社を切り盛りするつもりです」


「お前が社長だと……。できるわけが……」


「昨夜すでに日本政府の関係者様、大型スポンサー様からの許諾を取り付けました。許諾の条件が現社長の辞任となっております。もちろん、ダンジョンスターズ社の社長職を辞任してもらうだけで、父さんには日本探索者協会の会長職に専念してもらうつもりです」


 こりゃあ、社内クーデターってやつっすね。


 ゆいな嬢もなかなか食わせ者の経営者かも、会社の危機を利用して、義理の父を鮮やかに会社から追放してる。


 日本探索者協会は、日本政府から官僚を受け入れる天下り団体。


 免許交付や講習会などの実務作業は行っておらず、ダンジョンスターズ社が全ての業務を請け負ってるはず。


 ぶっちゃけ名誉職であって、権限は著しく制限されることになる。


「ゆいな、こんな暴挙が許されるとでも! 誰がこの会社を大きくしたと思っているんだ!」


 あのうろたえよう、きっと社長さんだけ何も知らされてなかったんだろうな。


 少し可愛そうって思うけど、あの態度と言動じゃ、部下が忠誠心を持つわけないっすよね。


「父さんには本当に申し訳ないと思いますが、これが貴方が大きくした会社を守る最善の方法です。それともこのまま交渉を成立させず、三郎様に建物ごと吹き飛ばされることを選択しますか?」


 いつもの表情に戻ったゆいな嬢、怖えっす。


 部下の人たちも社長さんが社長のままだとやべーって感じてるみたいっすね。


「貴様ら、ゆいなに味方するのか!」


「社長、先ほど暴れた男を我々では抑えられません。やつには銃も通じないし、最高強度のアンチマジック対策を施した社長室で易々とあんな威力の魔法を使いこなしました。あれは、化け物で逆らうべき相手ではないのです」


 サブローさんの人外の強さにビビってるから、ゆいな嬢の提案に乗って身の安全を図りたいって人が多数みたいっすね。


 あたしもさすがにあれにはビビったけど、いろいろとぶっ飛んでる人なので、しょうがないっす。


 サブローさんは、扱いさえ間違えなければ危険生物にはならないわけだし。


 ダンジョンの魔物よりか、よっぽど言うことを聞かせられるはず。


「くっ! 好きにしろ! 責任を取ってダンジョンスターズ社の社長は辞任してやる! ただし、今後いっさい私は謝罪はせんし、手は貸さないからな!」


 社長さんはそれだけ吐き捨てるように言うと、大きな足音を立てて社長室から出ていった。


「お見苦しいところをお見せしました。これで、わたくしがダンジョンスターズ社の社長となります。葵様の提示された条件での和解を改めてご提案させてもらいます」


 成り行きを見守っていたあたしに、ゆいな嬢が再度、交渉の成立を求めてきた。


 こちらとしては3つの条件さえ守ってもらえば、問題はない。


「こっちは問題ないっす。とりあえず、手土産のチョコバー12本入り3ダースだけは用意して欲しいっす」


「承知しております。時間もありませんし、すぐに用意をさせます」


 それから30分後、チョコバーを3ダースをゲットしたあたしは、サブローさんの魔法でできたクレーターを横目に見ながらアパートにダッシュで戻ることにした。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

異世界帰りの元勇者、日本に突然ダンジョンが出現したので「俺、バイト辞めますっ!」

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
俺、結城ミサオは異世界帰りの元勇者。 異世界では強大な力を持った魔王を倒しもてはやされていたのに、こっちの世界に戻ったら平凡なコンビニバイト。 せっかく強くなったっていうのにこれじゃ宝の持ち腐れだ。 そう思っていたら突然目の前にダンジョンが現れた。 これは天啓か。 俺は一も二もなくダンジョンへと向かっていくのだった。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

この世界にダンジョンが現れたようです ~チートな武器とスキルと魔法と従魔と仲間達と共に世界最強となる~

仮実谷 望
ファンタジー
主人公の増宮拓朗(ましみやたくろう)は20歳のニートである。 祖父母の家に居候している中、毎日の日課の自宅の蔵の確認を行う過程で謎の黒い穴を見つける。 試にその黒い穴に入ると謎の空間に到達する。 拓朗はその空間がダンジョンだと確信して興奮した。 さっそく蔵にある武器と防具で装備を整えてダンジョンに入ることになるのだが…… 暫くするとこの世界には異変が起きていた。 謎の怪物が現れて人を襲っているなどの目撃例が出ているようだ。 謎の黒い穴に入った若者が行方不明になったなどの事例も出ている。 そのころ拓朗は知ってか知らずか着実にレベルを上げて世界最強の探索者になっていた。 その後モンスターが街に現れるようになったら、狐の仮面を被りモンスターを退治しないといけないと奮起する。 その過程で他にもダンジョンで女子高生と出会いダンジョンの攻略を進め成長していく。 様々な登場人物が織りなす群像劇です。 主人公以外の視点も書くのでそこをご了承ください。 その後、七星家の七星ナナナと虹咲家の虹咲ナナカとの出会いが拓朗を成長させるきっかけになる。 ユキトとの出会いの中、拓朗は成長する。 タクロウは立派なヒーローとして覚醒する。 その後どんな敵が来ようとも敵を押しのける。倒す。そんな無敵のヒーロー稲荷仮面が活躍するヒーロー路線物も描いていきたいです。

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

現世にダンジョンができたので冒険者になった。

盾乃あに
ファンタジー
忠野健人は帰り道に狼を倒してしまう。『レベルアップ』なにそれ?そして周りはモンスターだらけでなんとか倒して行く。

現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!

おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。 ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。 過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。 ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。 世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。 やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。 至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!

無能扱いされ会社を辞めさせられ、モフモフがさみしさで命の危機に陥るが懸命なナデナデ配信によりバズる~色々あって心と音速の壁を突破するまで~

ぐうのすけ
ファンタジー
大岩翔(オオイワ カケル・20才)は部長の悪知恵により会社を辞めて家に帰った。 玄関を開けるとモフモフ用座布団の上にペットが座って待っているのだが様子がおかしい。 「きゅう、痩せたか?それに元気もない」 ペットをさみしくさせていたと反省したカケルはペットを頭に乗せて大穴(ダンジョン)へと走った。 だが、大穴に向かう途中で小麦粉の大袋を担いだJKとぶつかりそうになる。 「パンを咥えて遅刻遅刻~ではなく原材料を担ぐJKだと!」 この奇妙な出会いによりカケルはヒロイン達と心を通わせ、心に抱えた闇を超え、心と音速の壁を突破する。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...