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混乱 side充希
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――ブーーッ ブーーッ
ポケットの中のスマホが、設定された時刻を震えて告げる午前四時。
薄暗い部屋で瞼を開いた瞬間、密着して眠っている堀沢真乃が視界に飛び込んできた。
「……やらかした」
今日も仕事があるのに寝落ちしてしまった自分を殴りたい。
ほんの少しだけ開いた唇から、静かな呼吸が漏れ、吐息が俺の喉元をくすぐった。
頭は肩に寄りかかり、すっぽりと腕の中に収まって眠る堀沢真乃を一瞥して、減滅した。
(つーか……やっぱ男慣れしてんじゃん。経験ないって嘘だろ。)
「ん……」
寝返りを打った彼女が小さく呻き、俺のパーカーの裾を掴む。
「おい……堀沢。」
呼び掛けても起きる様子のない彼女の胸が静かに上下して、頬がわずかにピンク色に染まっている。
仕方なく、音を立てないようそっと彼女の頭の下から腕を引き抜いて立ち上がれば、「んっ」と小さく寝息を漏らして体を捩り、また背中を丸めて眠った。
その小さな背中に向かって溜息を吐いた。
六畳ほどのワンルーム。テーブルには市販の胃薬と未開封のビール缶が2つ。
とりあえずシャワーを浴びたくて、勝手にバスルームに入る。鏡の前に立ち、そこに映る自分を見つめた。
昨夜の記憶を掘り起こす。
強引に彼女を抱き寄せて、キスをした。それも、何度も何度も……息が出来ないほど。
(……やり過ぎたな。)
シャワーを止めて、タオルで顔を拭くと、温まった肌に朝の冷たい空気が刺さる。
もやもやしたまま着替えを済ませて部屋に戻れば、彼女はまだ眠っていた。
毛布の中で小さく丸まって幸せそうに唇を結んでいる。
ポケットの中のスマホが、設定された時刻を震えて告げる午前四時。
薄暗い部屋で瞼を開いた瞬間、密着して眠っている堀沢真乃が視界に飛び込んできた。
「……やらかした」
今日も仕事があるのに寝落ちしてしまった自分を殴りたい。
ほんの少しだけ開いた唇から、静かな呼吸が漏れ、吐息が俺の喉元をくすぐった。
頭は肩に寄りかかり、すっぽりと腕の中に収まって眠る堀沢真乃を一瞥して、減滅した。
(つーか……やっぱ男慣れしてんじゃん。経験ないって嘘だろ。)
「ん……」
寝返りを打った彼女が小さく呻き、俺のパーカーの裾を掴む。
「おい……堀沢。」
呼び掛けても起きる様子のない彼女の胸が静かに上下して、頬がわずかにピンク色に染まっている。
仕方なく、音を立てないようそっと彼女の頭の下から腕を引き抜いて立ち上がれば、「んっ」と小さく寝息を漏らして体を捩り、また背中を丸めて眠った。
その小さな背中に向かって溜息を吐いた。
六畳ほどのワンルーム。テーブルには市販の胃薬と未開封のビール缶が2つ。
とりあえずシャワーを浴びたくて、勝手にバスルームに入る。鏡の前に立ち、そこに映る自分を見つめた。
昨夜の記憶を掘り起こす。
強引に彼女を抱き寄せて、キスをした。それも、何度も何度も……息が出来ないほど。
(……やり過ぎたな。)
シャワーを止めて、タオルで顔を拭くと、温まった肌に朝の冷たい空気が刺さる。
もやもやしたまま着替えを済ませて部屋に戻れば、彼女はまだ眠っていた。
毛布の中で小さく丸まって幸せそうに唇を結んでいる。
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