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episode4
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「貴様……兵士如きが貴族に楯突く気か!」
ブランカは鼻で笑った。
「兵士?俺が?」
暗雲から顔を出した月明かりが彼の顔を照らすと、ジェラルド男爵の顔から血の気が引いた。
「グ、グレンゼールの王子……!?」
ジェラルド男爵は蒼白になって後ずさった。
「今更気づいたのか」
「そ、そんな……」
「"兵士如き"とは、よく言ってくれたな。その無礼、両国への反逆罪に加えさせてもらう」
ブランカの剣が月明かりを反射して鈍く光る。
「ま、待て!私は陛下の忠臣だ!これには深い理由が……」
「忠臣?聞いて呆れるな。」
ブランカの声は強い怒りがこもっている。
「反乱軍に内通していたのは、貴様だったのかジェラルド男爵。」
ジェラルド男爵は蒼白な顔を歪めた。
「……ち……違う。私は只、そう……宮を脱走した姫を連れ戻しに上がったのだ。」
「嘘よ!この耳で聞いたわ。反乱軍が企てた作戦を。」
ブランカは剣をジェラルド男爵の喉元に突きつけたまま続けた。
「今夜、陛下は内々に信用できる者だけで軍事会議を行う予定だった。内通者がいる事を知っていたのだ。だが、姫が宮を抜け出すという問題が発生した。……まぁ、おかげで内通者が分かったが……」
ジェラルド男爵は言葉を詰まらせた。
「姫を拉致した。その事実だけで、貴様が裏切り者だと証明されるだろう」
私は息を呑んだ。つまり、私が宮を抜け出した事が結果的に裏切り者を暴くことになったのだ。
ブランカは続けた。
「今頃、貴様の屋敷は家宅捜索されているだろう。反乱軍との連絡文書、資金提供の記録……全てが見つかるはずだ」
「……ぐぬぅ……だが、所詮は第3皇子。母国に居場所がないから他国に仕えているだけだろう。
そんな者に……この私が……!しかし、単身で乗り込んでくるとは!詰めが甘かったな!!」
ジェラルド男爵は額に汗を滲ませ、絶望的な表情のまま短剣を拾おうと手を伸ばした。
「ぐぁぁぁぁああああ!!!痛ッ!!!」
だが、ブランカの剣がその手首を打ち払う。
「動くな。次は切り落とす」
「くそぉぉぉ!!」
ジェラルド男爵は叫び声を上げながら、廃墟の奥へ逃げようとした。
けれど、その背後から複数の兵士が現れ、彼を取り囲んだ。
「だれが単身だって?馬鹿も休み休み言え。」
ブランカは冷徹に言い放った。
その時、廃墟の外から馬の蹄音が近づいてきた。それは複数の兵士が、一斉に廃墟を包囲する音。
「リュシエル様!」
扉が勢いよく開かれ、兵士が掲げる旗が見えた。
「剣を咥えた獅子……まさか、姫一人を探すのに……軍を、親衛隊を動かしたというのか!?」
……!?」
兵たちの最後方、漆黒の軍馬に跨がっているのは……
「リュシエルーーーーーーーーー!!!!!!」
鬼の……いや、魔王の形相をした、皇妃だ。
ブランカは鼻で笑った。
「兵士?俺が?」
暗雲から顔を出した月明かりが彼の顔を照らすと、ジェラルド男爵の顔から血の気が引いた。
「グ、グレンゼールの王子……!?」
ジェラルド男爵は蒼白になって後ずさった。
「今更気づいたのか」
「そ、そんな……」
「"兵士如き"とは、よく言ってくれたな。その無礼、両国への反逆罪に加えさせてもらう」
ブランカの剣が月明かりを反射して鈍く光る。
「ま、待て!私は陛下の忠臣だ!これには深い理由が……」
「忠臣?聞いて呆れるな。」
ブランカの声は強い怒りがこもっている。
「反乱軍に内通していたのは、貴様だったのかジェラルド男爵。」
ジェラルド男爵は蒼白な顔を歪めた。
「……ち……違う。私は只、そう……宮を脱走した姫を連れ戻しに上がったのだ。」
「嘘よ!この耳で聞いたわ。反乱軍が企てた作戦を。」
ブランカは剣をジェラルド男爵の喉元に突きつけたまま続けた。
「今夜、陛下は内々に信用できる者だけで軍事会議を行う予定だった。内通者がいる事を知っていたのだ。だが、姫が宮を抜け出すという問題が発生した。……まぁ、おかげで内通者が分かったが……」
ジェラルド男爵は言葉を詰まらせた。
「姫を拉致した。その事実だけで、貴様が裏切り者だと証明されるだろう」
私は息を呑んだ。つまり、私が宮を抜け出した事が結果的に裏切り者を暴くことになったのだ。
ブランカは続けた。
「今頃、貴様の屋敷は家宅捜索されているだろう。反乱軍との連絡文書、資金提供の記録……全てが見つかるはずだ」
「……ぐぬぅ……だが、所詮は第3皇子。母国に居場所がないから他国に仕えているだけだろう。
そんな者に……この私が……!しかし、単身で乗り込んでくるとは!詰めが甘かったな!!」
ジェラルド男爵は額に汗を滲ませ、絶望的な表情のまま短剣を拾おうと手を伸ばした。
「ぐぁぁぁぁああああ!!!痛ッ!!!」
だが、ブランカの剣がその手首を打ち払う。
「動くな。次は切り落とす」
「くそぉぉぉ!!」
ジェラルド男爵は叫び声を上げながら、廃墟の奥へ逃げようとした。
けれど、その背後から複数の兵士が現れ、彼を取り囲んだ。
「だれが単身だって?馬鹿も休み休み言え。」
ブランカは冷徹に言い放った。
その時、廃墟の外から馬の蹄音が近づいてきた。それは複数の兵士が、一斉に廃墟を包囲する音。
「リュシエル様!」
扉が勢いよく開かれ、兵士が掲げる旗が見えた。
「剣を咥えた獅子……まさか、姫一人を探すのに……軍を、親衛隊を動かしたというのか!?」
……!?」
兵たちの最後方、漆黒の軍馬に跨がっているのは……
「リュシエルーーーーーーーーー!!!!!!」
鬼の……いや、魔王の形相をした、皇妃だ。
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