異世界は鬼畜でした。〜クラス転移したが唯一スキルなしで見放された俺は最後の魔女と出会い最強に成り代わる〜

丸手音狐

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一章

14.魔法特訓

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「なんか気味悪くないか? この森」

「魔物がいっぱい居る森だから」

「魔物で特訓するってことか」

「そう」

 少し歩いた所でシノは止まりハルトの顔を見る。

「ハルトはまだ炎の魔法しか使えない。愛してくれないから愛してくれないから」

「それはごめん」

「でも魔法は魔法ってだけで強い。多分能力スキルより強い」

「そんなになのか」

「うん。魔法は可能性が無限大だから。それでハルトが愛してくれるまでは炎を特訓する」

「ありがとう」

「まずは見てて」

 シノがそう言うと奥の方にいるゴブリンの集団に対して指を向ける。

「行くよ。スーパーファイアレーザー」

 スーパーレーザーファイアーはスーパーでファイアなレーザーである。それを放つとゴブリンの集団に対してとてつもない速さで炎の光線が一直線に飛んでいき大爆発を起こした。ゴブリンの姿はもうなかった。

「なんだ今の名前は」

「てきとう。ハルトもやってみるといいよ」

「わかった」

「じゃあ今の魔法を打ってみて」

 ハルトは別のゴブリンの集団に指を向ける。

「スーパーファイアレーザー!」

 するとシノよりは威力が劣ってはいたがそれなりの速さで炎の光線が一直線に進んでいきゴブリンの集団がいるところで大爆発を起こした。

「魔法は創造。愛の誓約が本気を出せばもっと凄い事が出来る」

「これだけでも十分な気がしてきたな」

「全然。十分じゃない。全然。十分じゃない」

「二回言う必要あったか?」

「大事な事だから二回言った」

 二人は他愛もないやりとりをしながらゴブリンの死体があるところに歩いていった。ゴブリンは炎によってこんがり焼かれている。匂いはそこまで良くないが食べれなくはなさそうだ。だがゴブリンは基本的に不衛生な生き物なので食べれはきっとお腹を壊すだろう。

「てかおい。木が燃えてるぞ」

「当たり前。森で炎使ったから」

「なんで使わしたんだよ」

「消えるから大丈夫」

 ゆったりしている二人だが火は少しずつ他の木へと広がっていた。このまま放置していれば木造建築の建物ばかりの【カーシス村】に到達することになる。そうなればとんでもない大惨事になってしまう。広がってしまっている火をどうやって消すべきかとハルトが疑問に思っているとシノは空に対して指を向ける。ハルトは何をしているんだとポカンとしているとシノが何かを言い出した。

「特大水かけ」

「????」

 その瞬間上空から大量の水が一気に落ちてくる。水は途中で広範囲に拡散しながら下に落ちた事で広がっていた火を完全に消すことに成功した。

「おい。なんで俺にまでかけた」

「滝修行?」

「何が滝修行だァァァ!!!!」

 火を消す代償に二人はびしょびしょになってしまった。
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