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一章
13.カーシス村
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「結構広いんだな」
あれからしばらく歩いていた二人はようやく【カーシス村】についた。ハルトの想像していたひっそりとした村とは違い立派な畑もあればそれなりの家がいくつも建っていた。立地も何もかもが不便な位置にある【カーシス村】がこれほどなのはやはり王国の領内だからなのだろう。
「見ない顔の子達ね。どうしたの?」
無計画で村に入ったハルト達がここからどうするかと考えるために止まっていると女性の村民が声をかけてきた。
「あ、実は旅? みたいな事をしててそれでここに来たんですけど」
「旅でここに来る人なんて珍しいわね」
ハルトは【カーシス村】が【ロイゼン王国】との距離もそれほど近いとは言えない上に村の隣には魔物が生息すると言われている森も存在するためあまり人が来る事がないと馬車の男が独り言で話していた事を思い出す。
そして旅人や冒険者が来ない最大の理由が……
「宿がない!?!?」
人が来る事がないため必然的に宿がないのだ。なら宿を作れば人が来るんじゃないかと思われるが魔物の森がある村に来る馬鹿はそうそういないので宿を作るメリットがない。
「どうするか」
「野宿? ハルトと一緒ならいいよ」
「いや野宿はなぁ……」
するとハルトの言葉を遮って村民の女性が話しかける。
「お熱い二人、気に入った。うちで泊まっていくといいよ」
(お熱い二人ってのが気になるけど)
「いいんですか? ありがとうございます」
「私はアリア。よろしくね」
「俺はハルトです。それでこっちがシノです」
「よろしくね。ハルト、シノ。それで家には馬鹿の荷物があったりするけど気にしないでね。邪魔だと思うけど」
(馬鹿……???)
ハルトはアリアの最後の言葉が気になったがそこから余計な事に発展しそうな気がしたのでひとまず聞かないでおくことにした。そしてアリアが「ついてきて」と手で合図をしてハルト達を家まで案内をする。二階建ての木造の家に着き「どうぞどうぞ。入って」と言われハルトは軽く会釈しながら入る。荷物があって邪魔になるかもしれないと言っていたがそういう事もなく逆に平均よりも家具が整理されていた。
「寝るとこは一部屋なら空いてるけどそういう関係の二人ならそこで大丈夫よね」
「あ、いや俺達は別にそういう関係じゃなくて」
「もう夫婦」
「まだ違うだろ。変な事を言うなシノ」
「ふふ。仲がいいわね。それじゃあ部屋は二階上がって一番奥の部屋だから」
ハルトは礼を言って二階の奥の部屋へ向かうがシノは後ろで「まだ…まだ…まだ……うへ」とニヤニヤしながら呟いていた。きっと何かに目覚めたのだろう。チラっと後ろを見てしまったハルトはそんな事を思い見なかったことにする。
部屋の扉を開けるとやはりここも空き部屋とは思えないほどに綺麗にされておりしっかりとベッドや家具まで置かれていた。一体どこに荷物があるというのだろうか。
(アリアさんは綺麗好きなのかな)
ハルトは扉を開けたまま入口で部屋を見渡していると後ろからシノがぶつかってきた。シノは「痛っ」と言ってハルトの背中に抱きつく。
「痛いって言ったのになんで抱きつくんだよ」
「ぎゅーの誓約」
「どんな誓約だよ」
抱きついているシノをなんとか剥がしたあと一通り部屋を見たハルトは部屋を出て一階に降りた。遅れてシノも階段をスタスタと駆け降りてくる。
「ハルト、特訓する?」
「あぁ! 頼む!」
ハルトは少し外を見てきますとアリアに告げシノと一緒に家を出た。どこで特訓をするのかとハルトが疑問に思っているとシノは森の方へと向かい出した。
あれからしばらく歩いていた二人はようやく【カーシス村】についた。ハルトの想像していたひっそりとした村とは違い立派な畑もあればそれなりの家がいくつも建っていた。立地も何もかもが不便な位置にある【カーシス村】がこれほどなのはやはり王国の領内だからなのだろう。
「見ない顔の子達ね。どうしたの?」
無計画で村に入ったハルト達がここからどうするかと考えるために止まっていると女性の村民が声をかけてきた。
「あ、実は旅? みたいな事をしててそれでここに来たんですけど」
「旅でここに来る人なんて珍しいわね」
ハルトは【カーシス村】が【ロイゼン王国】との距離もそれほど近いとは言えない上に村の隣には魔物が生息すると言われている森も存在するためあまり人が来る事がないと馬車の男が独り言で話していた事を思い出す。
そして旅人や冒険者が来ない最大の理由が……
「宿がない!?!?」
人が来る事がないため必然的に宿がないのだ。なら宿を作れば人が来るんじゃないかと思われるが魔物の森がある村に来る馬鹿はそうそういないので宿を作るメリットがない。
「どうするか」
「野宿? ハルトと一緒ならいいよ」
「いや野宿はなぁ……」
するとハルトの言葉を遮って村民の女性が話しかける。
「お熱い二人、気に入った。うちで泊まっていくといいよ」
(お熱い二人ってのが気になるけど)
「いいんですか? ありがとうございます」
「私はアリア。よろしくね」
「俺はハルトです。それでこっちがシノです」
「よろしくね。ハルト、シノ。それで家には馬鹿の荷物があったりするけど気にしないでね。邪魔だと思うけど」
(馬鹿……???)
ハルトはアリアの最後の言葉が気になったがそこから余計な事に発展しそうな気がしたのでひとまず聞かないでおくことにした。そしてアリアが「ついてきて」と手で合図をしてハルト達を家まで案内をする。二階建ての木造の家に着き「どうぞどうぞ。入って」と言われハルトは軽く会釈しながら入る。荷物があって邪魔になるかもしれないと言っていたがそういう事もなく逆に平均よりも家具が整理されていた。
「寝るとこは一部屋なら空いてるけどそういう関係の二人ならそこで大丈夫よね」
「あ、いや俺達は別にそういう関係じゃなくて」
「もう夫婦」
「まだ違うだろ。変な事を言うなシノ」
「ふふ。仲がいいわね。それじゃあ部屋は二階上がって一番奥の部屋だから」
ハルトは礼を言って二階の奥の部屋へ向かうがシノは後ろで「まだ…まだ…まだ……うへ」とニヤニヤしながら呟いていた。きっと何かに目覚めたのだろう。チラっと後ろを見てしまったハルトはそんな事を思い見なかったことにする。
部屋の扉を開けるとやはりここも空き部屋とは思えないほどに綺麗にされておりしっかりとベッドや家具まで置かれていた。一体どこに荷物があるというのだろうか。
(アリアさんは綺麗好きなのかな)
ハルトは扉を開けたまま入口で部屋を見渡していると後ろからシノがぶつかってきた。シノは「痛っ」と言ってハルトの背中に抱きつく。
「痛いって言ったのになんで抱きつくんだよ」
「ぎゅーの誓約」
「どんな誓約だよ」
抱きついているシノをなんとか剥がしたあと一通り部屋を見たハルトは部屋を出て一階に降りた。遅れてシノも階段をスタスタと駆け降りてくる。
「ハルト、特訓する?」
「あぁ! 頼む!」
ハルトは少し外を見てきますとアリアに告げシノと一緒に家を出た。どこで特訓をするのかとハルトが疑問に思っているとシノは森の方へと向かい出した。
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