異世界は鬼畜でした。〜クラス転移したが唯一スキルなしで見放された俺は最後の魔女と出会い最強に成り代わる〜

丸手音狐

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一章

27.戦闘

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「そちらの手の内はもうわかっているのですよ。自分で言うのもあれですが能力スキルなしがどうこうできる相手ではないと思うのですが」

 互いにその場からは動かず距離を保ちながら話しを始めだした。ロイエルは相変わらずメガネを触っている。病的だろと思っているとロイエルがハルト達に提案をもちかけてくる。

「私はここで大人しく連行される事をおすすめしますよ。そちらの方が痛い思いをせずに済むので」

「それは無理。私はロ、ロエロ? を倒す」

「私はロイエルです!! 変な名前で呼ばないで頂きたい」

「うるさい」

 シノはロイエルに指を向ける。指を向けたという事はそういうことである。何の合図もなしにシノはまた火の魔法をぶっ放した。放たれた火の魔法はロイエルの目の前で大爆発を起こした。しかし火と砂埃が消えるとそこには当たり前の様にロイエルが立っていた。普通の人間なら消滅しているはずなのだがさすが神託官である。
 
「奇妙なうえに厄介な能力スキルですね。ならば先にこちらを消した方が楽に」

 ロイエルは能力スキルなしのハルトを最初に狙うという戦略に変更した。 
 
「せいぜい足掻くと良いでしょう」

 その瞬間ロイエルの頭上に剣やら斧やら槍が現れた。

「……そんなのありかよ!?」

 メガネをクイッと馴染む位置に動かし自慢気に何やら解説をしだすロイエル。

「私の能力スキルは【武器を操る】というものでありとあらゆる武器をこの様にして自由自在に操る事が出来るのです。なんとも素晴らしい能力スキルと思いませんか? これこそ神が託してくださった力なのです。もう一度チャンスを差し上げましょう。このまま大人しく連行されるか、それとも無駄に足掻いて死ぬか。どちらの選択をしても構いません。それが貴方の選んだ結果なのですから」

 ハルトはどうするかをシノとこっそり話そうとしたが二秒もかからず「ぶっ潰す」と即答する。それを聞いたロイエルはメガネを触りながら鼻で笑った。

「その選択尊重しましょう。そしてさようなら」

 放たれた武器の集合体はかなりの速さでハルトに向かっていく。
 
「ハルト」

 シノに言われはっとなったハルトは迫りくる集合体に指を向ける。ハルトはスゥーと息を吸いフゥーと息を吐く。そして大きな声で叫ぶ。

「爆ぜろォォォ!!!!」

 すると武器の集合体の前に大きな火の弾が現れる。武器の集合体がその大きな火の弾に激突した瞬間それは大爆発を起こすと同時に武器をどこかへ吹き飛ばしてしまった。

「い、今のは一体何をしたというのですか。まさかアーティファクト……」

 いつもならメガネを触っていそうなロイエルだが今回ばかりは触っていなかった。理由は簡単だ。能力スキルなしがいきなりわけのわからない力を使ったからだろう。それか単純に忘れていたかのどちらかだ。

「ハルト、ナイス」

「あぁ!!」

 ハルトとシノは見つめ合いガッツポーズをする。

「アーティファクトだよりとは。どこで手に入れたかはわかりませんが能力スキルなしにしてはよく考えた策など称賛いたしましょう。だがしかし【ロイゼン王国】神託官に対する無礼極まりない言動は称賛致しかねます。正直私は心が痛みます。村に来た客人とこの様に争うということは。でも私は神に託されたこの世界を守らなければならない。だから仕方ないのです。貴方達を殺してしまうということは!!!」

 ロイエルは体全体を動かし喋った後にメガネに触れた。そして再びロイエルの頭上に武器の集合体が現れる。

「シノ、来るぞ」

「うん」

 ハルトとシノはこれから来る攻撃に備えて魔法を放つ準備をする。

「死になさい!!!!」

 ロイエルが合図をすると武器の集合体は一斉にハルト達に接近してきた。

「行くぞ!!」

 
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