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一章
39.召喚者は動き出す
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「ちょっとぉ! 遅いですよ! 遅すぎてちょっと寝ましたよ私!!!」
「この詐欺師」
「私はそんな事しませんけどぉぉ! なになに負け惜しみですか??」
「結局一時間くらいかかったぞ。多分」
「それは歩いてるからですよ~。私はしっかりきっちり十五分でしたから」
「お前基準の時間なのかよ」
「えへへへ」
「えへへ事じゃないぞ。あーもういいから剣の練習早くやってくれ」
「任せてください! それ得意です」
ラムネは鞘から剣を抜き構える。そしてハッ、ハッと何度も剣を振り続ける。
「おぉ~!! これ凄いですよ。まるで既に私のものだったような感覚です~!!」
「合ったようでよかったよ。俺達はここで座って休んでるから終わったら言ってくれ」
「わかりましたぁ~。おらおらおらぁあああああ。空気よ滅べぇぇぇ!!」
練習なのかわからない事を始めるラムネを無視してハルトは地面に座り込んだ。しかしシノが未だに立っていたのでハルトが座らないのかと尋ねるがシノは【ロイゼン王国】の門の方を見つめ止まっていた。おーいと何度か声をかけても反応しないので仕方なくシノの足に触れると「んっっ……」と言ってようやくハルトを見つめる。
「どうしたんだ? 座らないのか」
「座る。でもハルトなんだか嫌な気配がする」
「嫌な気配?」
「うん。宿を出てからしばらくした頃から誰かがつけてきてる」
「早速神託官が俺達を狙ってきてるってことか」
「うん」
ハルトは座ろうとするシノの手に触れ支える。そしてシノはハルトにくっつく形で地面に座った。
座ったあと先程の話しの続きを始めシノは【ロイゼン王国】の門の方を見る。それに合わせてハルトも同じ様にその方角を見る。
「近づいてきてる」
「どうやらそうみたいだな」
こちらに走ってくる馬車。あれは明らかにこの間ロイエルが乗っていた王城の馬車である。
「おい、ラムネ」
「はい~」
「ちょうど良いところに練習台が来たみたいだ」
「それは誠のほんとですかぁ」
「もちろんだ。期待してるぞ」
「……期待。やってやりますよ。ドッカーン、シャキーン、ズバババーンって!!」
「全部剣では成せないような擬音だな」
ハルトとシノは立ち上がり横に並んでその馬車を出迎える準備をする。ラムネもシノと同じ様にハルトの隣に立った。
(今まで異世界なんて鬼畜だと思っていたが今のところは最初ほど鬼畜な事はなく順調に物事が進んでいる。ふっ、異世界楽勝かもしれんな)
@@
一方【ヒルアール王国】では動きがあった。
昨日の【ロイゼン王国】領内で発生した原因不明の爆発が九神の魔の災害の予兆なのではないかと半日刊世界情報誌のヘレボルスが主張した事により世界中では騒ぎになっていた。そこで【ヒルアール王国】に召喚されていた者達を【ロイゼン王国】へ調査として送り込む事が決定した。
そして彼は既に向かってきていた。
「この詐欺師」
「私はそんな事しませんけどぉぉ! なになに負け惜しみですか??」
「結局一時間くらいかかったぞ。多分」
「それは歩いてるからですよ~。私はしっかりきっちり十五分でしたから」
「お前基準の時間なのかよ」
「えへへへ」
「えへへ事じゃないぞ。あーもういいから剣の練習早くやってくれ」
「任せてください! それ得意です」
ラムネは鞘から剣を抜き構える。そしてハッ、ハッと何度も剣を振り続ける。
「おぉ~!! これ凄いですよ。まるで既に私のものだったような感覚です~!!」
「合ったようでよかったよ。俺達はここで座って休んでるから終わったら言ってくれ」
「わかりましたぁ~。おらおらおらぁあああああ。空気よ滅べぇぇぇ!!」
練習なのかわからない事を始めるラムネを無視してハルトは地面に座り込んだ。しかしシノが未だに立っていたのでハルトが座らないのかと尋ねるがシノは【ロイゼン王国】の門の方を見つめ止まっていた。おーいと何度か声をかけても反応しないので仕方なくシノの足に触れると「んっっ……」と言ってようやくハルトを見つめる。
「どうしたんだ? 座らないのか」
「座る。でもハルトなんだか嫌な気配がする」
「嫌な気配?」
「うん。宿を出てからしばらくした頃から誰かがつけてきてる」
「早速神託官が俺達を狙ってきてるってことか」
「うん」
ハルトは座ろうとするシノの手に触れ支える。そしてシノはハルトにくっつく形で地面に座った。
座ったあと先程の話しの続きを始めシノは【ロイゼン王国】の門の方を見る。それに合わせてハルトも同じ様にその方角を見る。
「近づいてきてる」
「どうやらそうみたいだな」
こちらに走ってくる馬車。あれは明らかにこの間ロイエルが乗っていた王城の馬車である。
「おい、ラムネ」
「はい~」
「ちょうど良いところに練習台が来たみたいだ」
「それは誠のほんとですかぁ」
「もちろんだ。期待してるぞ」
「……期待。やってやりますよ。ドッカーン、シャキーン、ズバババーンって!!」
「全部剣では成せないような擬音だな」
ハルトとシノは立ち上がり横に並んでその馬車を出迎える準備をする。ラムネもシノと同じ様にハルトの隣に立った。
(今まで異世界なんて鬼畜だと思っていたが今のところは最初ほど鬼畜な事はなく順調に物事が進んでいる。ふっ、異世界楽勝かもしれんな)
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一方【ヒルアール王国】では動きがあった。
昨日の【ロイゼン王国】領内で発生した原因不明の爆発が九神の魔の災害の予兆なのではないかと半日刊世界情報誌のヘレボルスが主張した事により世界中では騒ぎになっていた。そこで【ヒルアール王国】に召喚されていた者達を【ロイゼン王国】へ調査として送り込む事が決定した。
そして彼は既に向かってきていた。
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