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一章
38.競争
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「では神託官がいる城へ乗り込んでやりましょう!!!」
これから何をするかを決める話し合いでラムネは初っ端からとんでもない発言をする。もちろんハルトが馬鹿なのかと指摘すると「私のこの剣の感触を確かめたいんですよ~!」と柄にもなく必要性のありそうな事を言った。ただやはり感触を確かめる為だけに神託官のいる城にいきなり乗り込むのは自殺行為そのもの。ハルトは考えた結果あの草原で練習でもやれば良いんじゃないかと提案した。
草原と聞きラムネは一瞬固まったが「そこにしましょぉぉぉ!!」といきなり気合を入れ剣を持って立ち上がった。
「それじゃあ行くぞ」
「うん」
「れっつごーですよぉぉぉぉ!!!!!!!」
@@
ハルト達は宿の外に出た後街の中をてきとうにふらふらと歩いていた。何をしているのかと言うとどうやらハルトがもう歩きであそこまで行きたくないと言い出し馬車で行くことになったようでそれの為に今は馬車を探しているのだ。しかし異世界というのは想像していたよりもあまり馬車がなくどうにか見つける為に目に全集中を送り込んだハルトだったが見つからなかった。
「馬車がないんだが」
「なら徒歩です! こっからあの草原まで十五分とかそのくらいですから徒歩で! ね? ね? ねぇぇ!!!」
「十五分? 俺らはそんな早くつかなかったぞ」
「それは知りませ~ん。とりあえず早く行きましょう!! 一番最後の人は私が殴りましょうかぁ!!」
「変な罰ゲームをつけんな!」
そしてラムネは我先にと門がある方に走り出した。それに続いてハルトも走り出すが後ろでシノが全くついてきていないことに気づく。どうしたのかとハルトが声をかけるがシノは後ろのどこかを見つめており反応がなかった。しかしハルトがしつこく「シノシノシノシノシノ」と連呼しているとようやく反応しシノはハルトを見る。
「どうしたんだよ」
「いや。なんでも。それより、んっ」
シノはそう言いながら両手を広げて何かをアピールする。
「それをしろと?」
「うん」
ハルトは一度後ろを向きラムネの事を確認する。既にラムネは中々に距離が離れていた。そして再びシノを見たハルトは「お前が罰ゲームな」と言ってシノをおんぶする。おんぶををされたシノは思わず「んっ……」と声をあげ顔を少しばかり赤らめハルトの背中に顔くっつける。
準備が出来たハルトは「待ってこらァァァァ!!!」と叫びながら見たこともない速さでラムネの元へ走り出した。
「ハルト、速い速い。ファイト、ハルト」
「むむむッ!!! ハルトさん、やりますなぁ! 私に追いつくとはぁぁ!! しかし勝負はここから、トップスピードで行くぅぅぅ~~!!!」
「ハルト、がんばって」
なんとかラムネに追いついたハルトだったがラムネの心をより熱く燃やしてしまいさらに加速しだし再び引き離される。門の人に驚かせながらも門を通過し長い道を走り出したがもうハルトの体力の限界は近づいていた。
(まずい、このままだと負けてしまう……。それだと俺もシノもおしまいだ。だが俺はこんな所では諦めない! 鬼畜な異世界を乗り越えるんだぁぁぁあああ!!!!!)
異世界人生での今後の運命を左右する決断をしたハルトは体に残っている力をできるだけ絞り出す。
そして駆ける。
駆ける。
片足足を一秒ほど過去に置き去りにする。それと同時に体はやや前のめりに。
体は地面に進むが気持ちは前に一直線に進んでいく。
そしてこける。
(……うん。これは異世界が鬼畜なせい)
この後ハルトは大人しくシノをおんぶしたまま歩いて遥か先にいるラムネの元へ向かったのだった。
これから何をするかを決める話し合いでラムネは初っ端からとんでもない発言をする。もちろんハルトが馬鹿なのかと指摘すると「私のこの剣の感触を確かめたいんですよ~!」と柄にもなく必要性のありそうな事を言った。ただやはり感触を確かめる為だけに神託官のいる城にいきなり乗り込むのは自殺行為そのもの。ハルトは考えた結果あの草原で練習でもやれば良いんじゃないかと提案した。
草原と聞きラムネは一瞬固まったが「そこにしましょぉぉぉ!!」といきなり気合を入れ剣を持って立ち上がった。
「それじゃあ行くぞ」
「うん」
「れっつごーですよぉぉぉぉ!!!!!!!」
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ハルト達は宿の外に出た後街の中をてきとうにふらふらと歩いていた。何をしているのかと言うとどうやらハルトがもう歩きであそこまで行きたくないと言い出し馬車で行くことになったようでそれの為に今は馬車を探しているのだ。しかし異世界というのは想像していたよりもあまり馬車がなくどうにか見つける為に目に全集中を送り込んだハルトだったが見つからなかった。
「馬車がないんだが」
「なら徒歩です! こっからあの草原まで十五分とかそのくらいですから徒歩で! ね? ね? ねぇぇ!!!」
「十五分? 俺らはそんな早くつかなかったぞ」
「それは知りませ~ん。とりあえず早く行きましょう!! 一番最後の人は私が殴りましょうかぁ!!」
「変な罰ゲームをつけんな!」
そしてラムネは我先にと門がある方に走り出した。それに続いてハルトも走り出すが後ろでシノが全くついてきていないことに気づく。どうしたのかとハルトが声をかけるがシノは後ろのどこかを見つめており反応がなかった。しかしハルトがしつこく「シノシノシノシノシノ」と連呼しているとようやく反応しシノはハルトを見る。
「どうしたんだよ」
「いや。なんでも。それより、んっ」
シノはそう言いながら両手を広げて何かをアピールする。
「それをしろと?」
「うん」
ハルトは一度後ろを向きラムネの事を確認する。既にラムネは中々に距離が離れていた。そして再びシノを見たハルトは「お前が罰ゲームな」と言ってシノをおんぶする。おんぶををされたシノは思わず「んっ……」と声をあげ顔を少しばかり赤らめハルトの背中に顔くっつける。
準備が出来たハルトは「待ってこらァァァァ!!!」と叫びながら見たこともない速さでラムネの元へ走り出した。
「ハルト、速い速い。ファイト、ハルト」
「むむむッ!!! ハルトさん、やりますなぁ! 私に追いつくとはぁぁ!! しかし勝負はここから、トップスピードで行くぅぅぅ~~!!!」
「ハルト、がんばって」
なんとかラムネに追いついたハルトだったがラムネの心をより熱く燃やしてしまいさらに加速しだし再び引き離される。門の人に驚かせながらも門を通過し長い道を走り出したがもうハルトの体力の限界は近づいていた。
(まずい、このままだと負けてしまう……。それだと俺もシノもおしまいだ。だが俺はこんな所では諦めない! 鬼畜な異世界を乗り越えるんだぁぁぁあああ!!!!!)
異世界人生での今後の運命を左右する決断をしたハルトは体に残っている力をできるだけ絞り出す。
そして駆ける。
駆ける。
片足足を一秒ほど過去に置き去りにする。それと同時に体はやや前のめりに。
体は地面に進むが気持ちは前に一直線に進んでいく。
そしてこける。
(……うん。これは異世界が鬼畜なせい)
この後ハルトは大人しくシノをおんぶしたまま歩いて遥か先にいるラムネの元へ向かったのだった。
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