42 / 91
一章
42.激戦
しおりを挟む
「死んでくれ。死んでくれ。死んでくれ」
ロイエルの頭上に滞空していた数多の武器は一斉にかつ不規則に接近してくる。ラムネは接近してくる武器を剣で防ぎ避けていくがその度に別の角度から武器が勢いよく迫ってくる。一方ハルトとシノは近づいてくる武器に対して魔法を放っていた。ハルトは使える炎を全力で使用し迫る武器を爆破し弾き返す。シノは氷魔法を使用し広範囲の武器を連鎖して氷漬けにしていく。それでもなお武器はさらに迫ってくる。
「これじゃキリがないな」
「体力が削られていくだけ。どうにかしないと」
ハルトとシノは武器をどうにか避けたり魔法で撃ち落としたりしていると前で武器からの攻撃を防いでいたラムネが大声でハルト達に叫ぶ。
「ハルトさん、上!!!!」
「え?」
ロイエルはニヤリと微笑む。ハルトとシノがラムネの言葉を聞き上を見上げるとそこには大きな聖剣が地面めがけて落ちてきていた。二人は急いで避けようとするが大きな聖剣は一気に地面に落ち姿が見えなくなるほどの砂埃がたった。
「ハルトさん! シノさん!!」
ラムネは武器を躱し防ぎながら何度も呼びかけるが砂埃の中にいる二人からの返事は全くなかった。それを見ていたロイエルは一層笑顔になる。
「どうやらようやく死んだようですね。手間がかかる人たちでしたが面白かったです」
ロイエルはメガネに触れたあと最後に残っていたラムネに向かってさらに攻撃をしようとしたその時徐々に消えかけていた砂埃の中に一つの人影が現れる。
「ま、まさか!?」
「……フラグを綺麗に立ててくれてありがとなぁ」
「!?」
「ハルトさん!!!」
砂埃が完全に消えるとそこには頭、腕、足から血を流しながらもどうにか立っているハルトの姿があった。その後ろでは起き上がったシノがハルトに近づいていた。
「……ハルト。ありがと」
「あぁ、守れたならよかった」
「聖剣を完全に喰らっていたはずだというのに一体なぜなのですか」
ロイエルはメガネをより頻繁に触りながらハルトに問う。するとハルトは鼻で笑ったあとに答えた。
「この炎で燃やしただけだ」
「ど、どういうことなんですか。ありえない。聖剣を……」
実は聖剣が落下したあの時ハルトはシノに駆け寄り守るために覆いかぶさっていた。そして聖剣がハルト達に届く直前にほぼ自爆の様な事をして聖剣の威力を弱め消滅させていたのだ。しかしシノを守った代償はデカく体の様々な所から流血している上に立っているのもやっとのような状態だった。
「…で、でもその様子ではもう無理でしょう。さらにここからです!!」
ロイエルはそう言うと頭上に聖剣七本に武器が五十七本ほど現れた。それを見たシノは何を思ったのかハルトの前に立った。
「シノ、前に出たら危ないぞ」
「大丈夫。私に任せて」
「……わかった。ラムネこっちに来い」
「今行きます~!!」
ラムネがハルトのもとに戻ってきたのを確認するとシノはコートの中から一冊の本の様な物を取り出す。そしてそれをパラパラとめくりとあるページで止まり書かれている文字を見つめる。何かに気づいたハルトは顔を赤くして「なんでお前俺の手記持ってんだよ!! しまえ、返せ!!」とシノに言う。しかし「まだ嫌だ」と言ってまた手記に書かれている事を見て微笑む。後ろではハルトが恥ずかしさのあまりおかしくなってしまいそうだった。
ロイエルの頭上に滞空していた数多の武器は一斉にかつ不規則に接近してくる。ラムネは接近してくる武器を剣で防ぎ避けていくがその度に別の角度から武器が勢いよく迫ってくる。一方ハルトとシノは近づいてくる武器に対して魔法を放っていた。ハルトは使える炎を全力で使用し迫る武器を爆破し弾き返す。シノは氷魔法を使用し広範囲の武器を連鎖して氷漬けにしていく。それでもなお武器はさらに迫ってくる。
「これじゃキリがないな」
「体力が削られていくだけ。どうにかしないと」
ハルトとシノは武器をどうにか避けたり魔法で撃ち落としたりしていると前で武器からの攻撃を防いでいたラムネが大声でハルト達に叫ぶ。
「ハルトさん、上!!!!」
「え?」
ロイエルはニヤリと微笑む。ハルトとシノがラムネの言葉を聞き上を見上げるとそこには大きな聖剣が地面めがけて落ちてきていた。二人は急いで避けようとするが大きな聖剣は一気に地面に落ち姿が見えなくなるほどの砂埃がたった。
「ハルトさん! シノさん!!」
ラムネは武器を躱し防ぎながら何度も呼びかけるが砂埃の中にいる二人からの返事は全くなかった。それを見ていたロイエルは一層笑顔になる。
「どうやらようやく死んだようですね。手間がかかる人たちでしたが面白かったです」
ロイエルはメガネに触れたあと最後に残っていたラムネに向かってさらに攻撃をしようとしたその時徐々に消えかけていた砂埃の中に一つの人影が現れる。
「ま、まさか!?」
「……フラグを綺麗に立ててくれてありがとなぁ」
「!?」
「ハルトさん!!!」
砂埃が完全に消えるとそこには頭、腕、足から血を流しながらもどうにか立っているハルトの姿があった。その後ろでは起き上がったシノがハルトに近づいていた。
「……ハルト。ありがと」
「あぁ、守れたならよかった」
「聖剣を完全に喰らっていたはずだというのに一体なぜなのですか」
ロイエルはメガネをより頻繁に触りながらハルトに問う。するとハルトは鼻で笑ったあとに答えた。
「この炎で燃やしただけだ」
「ど、どういうことなんですか。ありえない。聖剣を……」
実は聖剣が落下したあの時ハルトはシノに駆け寄り守るために覆いかぶさっていた。そして聖剣がハルト達に届く直前にほぼ自爆の様な事をして聖剣の威力を弱め消滅させていたのだ。しかしシノを守った代償はデカく体の様々な所から流血している上に立っているのもやっとのような状態だった。
「…で、でもその様子ではもう無理でしょう。さらにここからです!!」
ロイエルはそう言うと頭上に聖剣七本に武器が五十七本ほど現れた。それを見たシノは何を思ったのかハルトの前に立った。
「シノ、前に出たら危ないぞ」
「大丈夫。私に任せて」
「……わかった。ラムネこっちに来い」
「今行きます~!!」
ラムネがハルトのもとに戻ってきたのを確認するとシノはコートの中から一冊の本の様な物を取り出す。そしてそれをパラパラとめくりとあるページで止まり書かれている文字を見つめる。何かに気づいたハルトは顔を赤くして「なんでお前俺の手記持ってんだよ!! しまえ、返せ!!」とシノに言う。しかし「まだ嫌だ」と言ってまた手記に書かれている事を見て微笑む。後ろではハルトが恥ずかしさのあまりおかしくなってしまいそうだった。
0
あなたにおすすめの小説
ハズレスキル【地図化(マッピング)】で追放された俺、実は未踏破ダンジョンの隠し通路やギミックを全て見通せる世界で唯一の『攻略神』でした
夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ちだったユキナガは、戦闘に役立たない【地図化】スキルを理由に「無能」と罵られ、追放された。
しかし、孤独の中で己のスキルと向き合った彼は、その真価に覚醒する。彼の脳内に広がるのは、モンスター、トラップ、隠し通路に至るまで、ダンジョンの全てを完璧に映し出す三次元マップだった。これは最強の『攻略神』の眼だ――。
彼はその圧倒的な情報力を武器に、同じく不遇なスキルを持つ仲間たちの才能を見出し、不可能と言われたダンジョンを次々と制覇していく。知略と分析で全てを先読みし、完璧な指示で仲間を導く『指揮官』の成り上がり譚。
一方、彼を失った勇者パーティは迷走を始める……。爽快なダンジョン攻略とカタルシス溢れる英雄譚が、今、始まる!
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
勇者じゃないと追放された最強職【なんでも屋】は、スキル【DIY】で異世界を無双します
華音 楓
ファンタジー
旧題:re:birth 〜勇者じゃないと追放された最強職【何でも屋】は、異世界でチートスキル【DIY】で無双します~
「役立たずの貴様は、この城から出ていけ!」
国王から殺気を含んだ声で告げられた海人は頷く他なかった。
ある日、異世界に魔王討伐の為に主人公「石立海人」(いしだてかいと)は、勇者として召喚された。
その際に、判明したスキルは、誰にも理解されない【DIY】と【なんでも屋】という隠れ最強職であった。
だが、勇者職を有していなかった主人公は、誰にも理解されることなく勇者ではないという理由で王族を含む全ての城関係者から露骨な侮蔑を受ける事になる。
城に滞在したままでは、命の危険性があった海人は、城から半ば追放される形で王城から追放されることになる。 僅かな金銭で追放された海人は、生活費用を稼ぐ為に冒険者として登録し、生きていくことを余儀なくされた。
この物語は、多くの仲間と出会い、ダンジョンを攻略し、成りあがっていくストーリーである。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる