89 / 91
二章
88.夢はさらに現実へ
しおりを挟む
ハルト達は料理を食べ終えたあと各々好きなような事をする時間になったがやはりリルのこともあってなのかテンションが低く無言の時間が続いていた。
そしてその日は特に何もすることはなく終わった。
翌日、目を覚ましシノと一緒に一階の椅子に座っていたハルト。
ラムネが起きてくるのをぼーっとしながら待っていると誰かが扉をドンドンと叩いてくる音が聞こえてきた。
こんな時間に誰だ? と思いながら立ち上がり扉の方へと向かう。
ゆっくりと扉を開けるとそこにはアインスが立っていた。
「新しい情報を手に入れた。共有をしたいから入ってもいいか?」
「……あぁ」
ハルトは一瞬入れることを躊躇ったが結局アインスを家の中に案内した。
ハルトはシノの隣の椅子に座りアインスは反対側に座った。
家に入り座ってすぐ本題の入るのかと思いきやアインスはまずラムネはどこにいるのかと聞いた。
それに対してハルトは「まだ寝てる」と答える。
そして次にリルはどこにいるのかと聞いてきた。
なんと答えるのが正しいのか、本当の事を言うべきなのかと迷いはしたがこれももしかしたらこれからの【レアルタ】で起こる問題の解決に繋がるかもしれないと思い真実を打ち明けることにした。
「リルは……死んだ。あいつらにやられたんだ……」
「あいつらとは……まさか!?」
「あぁ、あいつらはルーシアとクロードと名乗っていた」
「そうか」
「それでアインスが新しく手に入れた情報ってのは何なんだ?」
「あいつらを目撃したということを報告しようと思っていたのだがそっちが接触までしているのなら私が情報を伝える必要はなさそうだ。それよりあいつらともしや戦ったりしたのか?」
「一応、ルーシアの方は攻撃したり近づいたりすると速度が落ちて何も出来なかった。クロードの方は結界みたいなのをいろんな使い方をしていた」
「話しを聞く限りクロードに関してはどうにかなりそうだが問題はルーシアという女の方のようだ。速度が減速する効果対象の範囲によってはもはや勝ち目はないだろう」
「何か弱点はないのか……自身を減速されない為にルーシアから離れ遠距離攻撃を行ったとしてもその攻撃は減速される……となるともう勝つ手段なんて」
「諦めるのはまだ早い。必ず弱点があるはずだ」
ハルトは本当にルーシアをどうにかすることが出来るのかと思っていた。
そもそもルーシアを倒す前提条件としてまずクロードを倒さなければならない。倒さないでいるとクロードの防御結界によって弱点かもしれない部分を補われてしまう。
ハルトがそれ以降無言でいるとシノが裾を引っ張り窓を指さしていた。
窓に視線を向けると外にはどこかへと走って行く大量の人々がいた。その誰しもの表情は夢の都で浮かべることのない恐怖の表情をしていた。
アインスも外の異常さに気付き椅子から立ち上がって窓に近づく。
その時大きな音と共に激しく【レアルタ】全体が揺れ始める。
アインスはとっさに壁の突起にしがみつき耐えハルトはシノを抑えどうにか耐える。
「なんだよこれ!!」
「わからない。ただ言えるとすればあいつらが核に何かをしたのかもしれない」
ゴゴゴォォォォォ!!!
地が唸るような音が揺れと共にひたすら鳴り続ける。
しばらくすると揺れはおさまり静寂が訪れるかと思いきや二階からズタズタと慌てて降りてくるラムネ。
「い、今の何なんですかぁ!!!」
「聞かれてもわからん。こっちも聞きたいくらいだ」
ハルトがラムネの方を見てそう言った時どこかでパリンッという何かが割れたような音が聞こえてきた。
アインスがまさかとポツリと呟きハルトはアインスのいる窓まで行き外の様子を確認する。しかし外は何ら変わりなくあるとすれば人が焦りながら走っていることくらいだろう。
「今の音は何だったんだ?」
「割れたんだ」
「割れた?」
「あぁ、核保管庫を守る結界が誰かに破壊された」
「そ、それじゃあまずくないか!」
「いや、まだ核保管庫自体にもさらに強力な防御結界が張られているらしい。それが本当だとするならまだ核は安全なはずだ」
「なら最後の砦が破壊される前に核保管庫に向かうしかない!!」
そう言ってハルト達は急いで家を飛び出て離れた位置にある核保管庫を目指して走り出す。
しかし前からは沢山の人が走ってきていて走るのには非常に邪魔でしかたがなかった。この人々をどうすることにも出来ないのでただひたすら前からやってくる人達はどうにか避け時間をかけてどんどん核保管庫へと近づいていく。
どうやらこの逃げる人々は核保管庫方面から来ている者が多い。その為近づくに連れて人の量も増えてさらに進みにくくなりはじめる。
ここでハルトは【ロイゼン王国】での事を思い出す。
シノに全員が浮遊魔法を付与してもらえば人混みを避けてしかも歩きよりも早く移動できるため最悪の出来事が起こる前に到着することができるのではないかと考えた。
そこでハルトはシノに全員に浮遊魔法をかけれるかと聞いてみるとシノはすぐに「うん」と答える。一人ひとりに指をさしながら付与していくと体が徐々に軽くなり始め宙に浮いた。
走って逃げている人達は逃げながら浮遊しだしたハルト達を見てとても驚いた表情をしていた。
「これなら行けるぞ!!」
「やっぱり空中から見る【レアルタ】は絶景ですぅ!!」
「今そんなこと言ってる場合じゃない。しっかりハルトについてって」
「しかしこの空中を浮く能力はすごいな」
ハルト、シノ、ラムネはもう【ロイゼン王国】で一度浮遊魔法を使っているので感覚には慣れているのかスイスイと宙を移動していく。アインスは最初こそ驚いて慌てていたがすぐに状況を理解しものの数秒で浮遊を使いこなしていた。
浮遊魔法を使ったことで確かに徒歩よりかは移動速度が上昇したのだがそれでも核保管庫までの距離はまだまだあった。
さらにどうにか移動速度をあげられないかとハルトが考えている時核保管庫である大きな鉄の建物の一部が崩壊を始めた。
ハルトはまだ最後の結界が壊されていないのになぜと思っているとアインスが何かを言い始めた。
「まさかあの時の音はあれほどの高技術で生成された二つの防御結界を同時に破壊したというのか……」
「そんなことあるのか?!」
ハルト達は崩れ行く核保管庫を見ながらその場に滞空し始める。
「もう夢の都は終わりですよぉ……」
「いいや、まだ諦めるには早い。核が奪われない限りこの世界は消えることはない」
「なら早く行きましょう!!」
「あぁ」
「うん」
ハルト達は最後の希望を胸に核保管庫へと進みだした。
そしてその日は特に何もすることはなく終わった。
翌日、目を覚ましシノと一緒に一階の椅子に座っていたハルト。
ラムネが起きてくるのをぼーっとしながら待っていると誰かが扉をドンドンと叩いてくる音が聞こえてきた。
こんな時間に誰だ? と思いながら立ち上がり扉の方へと向かう。
ゆっくりと扉を開けるとそこにはアインスが立っていた。
「新しい情報を手に入れた。共有をしたいから入ってもいいか?」
「……あぁ」
ハルトは一瞬入れることを躊躇ったが結局アインスを家の中に案内した。
ハルトはシノの隣の椅子に座りアインスは反対側に座った。
家に入り座ってすぐ本題の入るのかと思いきやアインスはまずラムネはどこにいるのかと聞いた。
それに対してハルトは「まだ寝てる」と答える。
そして次にリルはどこにいるのかと聞いてきた。
なんと答えるのが正しいのか、本当の事を言うべきなのかと迷いはしたがこれももしかしたらこれからの【レアルタ】で起こる問題の解決に繋がるかもしれないと思い真実を打ち明けることにした。
「リルは……死んだ。あいつらにやられたんだ……」
「あいつらとは……まさか!?」
「あぁ、あいつらはルーシアとクロードと名乗っていた」
「そうか」
「それでアインスが新しく手に入れた情報ってのは何なんだ?」
「あいつらを目撃したということを報告しようと思っていたのだがそっちが接触までしているのなら私が情報を伝える必要はなさそうだ。それよりあいつらともしや戦ったりしたのか?」
「一応、ルーシアの方は攻撃したり近づいたりすると速度が落ちて何も出来なかった。クロードの方は結界みたいなのをいろんな使い方をしていた」
「話しを聞く限りクロードに関してはどうにかなりそうだが問題はルーシアという女の方のようだ。速度が減速する効果対象の範囲によってはもはや勝ち目はないだろう」
「何か弱点はないのか……自身を減速されない為にルーシアから離れ遠距離攻撃を行ったとしてもその攻撃は減速される……となるともう勝つ手段なんて」
「諦めるのはまだ早い。必ず弱点があるはずだ」
ハルトは本当にルーシアをどうにかすることが出来るのかと思っていた。
そもそもルーシアを倒す前提条件としてまずクロードを倒さなければならない。倒さないでいるとクロードの防御結界によって弱点かもしれない部分を補われてしまう。
ハルトがそれ以降無言でいるとシノが裾を引っ張り窓を指さしていた。
窓に視線を向けると外にはどこかへと走って行く大量の人々がいた。その誰しもの表情は夢の都で浮かべることのない恐怖の表情をしていた。
アインスも外の異常さに気付き椅子から立ち上がって窓に近づく。
その時大きな音と共に激しく【レアルタ】全体が揺れ始める。
アインスはとっさに壁の突起にしがみつき耐えハルトはシノを抑えどうにか耐える。
「なんだよこれ!!」
「わからない。ただ言えるとすればあいつらが核に何かをしたのかもしれない」
ゴゴゴォォォォォ!!!
地が唸るような音が揺れと共にひたすら鳴り続ける。
しばらくすると揺れはおさまり静寂が訪れるかと思いきや二階からズタズタと慌てて降りてくるラムネ。
「い、今の何なんですかぁ!!!」
「聞かれてもわからん。こっちも聞きたいくらいだ」
ハルトがラムネの方を見てそう言った時どこかでパリンッという何かが割れたような音が聞こえてきた。
アインスがまさかとポツリと呟きハルトはアインスのいる窓まで行き外の様子を確認する。しかし外は何ら変わりなくあるとすれば人が焦りながら走っていることくらいだろう。
「今の音は何だったんだ?」
「割れたんだ」
「割れた?」
「あぁ、核保管庫を守る結界が誰かに破壊された」
「そ、それじゃあまずくないか!」
「いや、まだ核保管庫自体にもさらに強力な防御結界が張られているらしい。それが本当だとするならまだ核は安全なはずだ」
「なら最後の砦が破壊される前に核保管庫に向かうしかない!!」
そう言ってハルト達は急いで家を飛び出て離れた位置にある核保管庫を目指して走り出す。
しかし前からは沢山の人が走ってきていて走るのには非常に邪魔でしかたがなかった。この人々をどうすることにも出来ないのでただひたすら前からやってくる人達はどうにか避け時間をかけてどんどん核保管庫へと近づいていく。
どうやらこの逃げる人々は核保管庫方面から来ている者が多い。その為近づくに連れて人の量も増えてさらに進みにくくなりはじめる。
ここでハルトは【ロイゼン王国】での事を思い出す。
シノに全員が浮遊魔法を付与してもらえば人混みを避けてしかも歩きよりも早く移動できるため最悪の出来事が起こる前に到着することができるのではないかと考えた。
そこでハルトはシノに全員に浮遊魔法をかけれるかと聞いてみるとシノはすぐに「うん」と答える。一人ひとりに指をさしながら付与していくと体が徐々に軽くなり始め宙に浮いた。
走って逃げている人達は逃げながら浮遊しだしたハルト達を見てとても驚いた表情をしていた。
「これなら行けるぞ!!」
「やっぱり空中から見る【レアルタ】は絶景ですぅ!!」
「今そんなこと言ってる場合じゃない。しっかりハルトについてって」
「しかしこの空中を浮く能力はすごいな」
ハルト、シノ、ラムネはもう【ロイゼン王国】で一度浮遊魔法を使っているので感覚には慣れているのかスイスイと宙を移動していく。アインスは最初こそ驚いて慌てていたがすぐに状況を理解しものの数秒で浮遊を使いこなしていた。
浮遊魔法を使ったことで確かに徒歩よりかは移動速度が上昇したのだがそれでも核保管庫までの距離はまだまだあった。
さらにどうにか移動速度をあげられないかとハルトが考えている時核保管庫である大きな鉄の建物の一部が崩壊を始めた。
ハルトはまだ最後の結界が壊されていないのになぜと思っているとアインスが何かを言い始めた。
「まさかあの時の音はあれほどの高技術で生成された二つの防御結界を同時に破壊したというのか……」
「そんなことあるのか?!」
ハルト達は崩れ行く核保管庫を見ながらその場に滞空し始める。
「もう夢の都は終わりですよぉ……」
「いいや、まだ諦めるには早い。核が奪われない限りこの世界は消えることはない」
「なら早く行きましょう!!」
「あぁ」
「うん」
ハルト達は最後の希望を胸に核保管庫へと進みだした。
0
あなたにおすすめの小説
ハズレスキル【地図化(マッピング)】で追放された俺、実は未踏破ダンジョンの隠し通路やギミックを全て見通せる世界で唯一の『攻略神』でした
夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ちだったユキナガは、戦闘に役立たない【地図化】スキルを理由に「無能」と罵られ、追放された。
しかし、孤独の中で己のスキルと向き合った彼は、その真価に覚醒する。彼の脳内に広がるのは、モンスター、トラップ、隠し通路に至るまで、ダンジョンの全てを完璧に映し出す三次元マップだった。これは最強の『攻略神』の眼だ――。
彼はその圧倒的な情報力を武器に、同じく不遇なスキルを持つ仲間たちの才能を見出し、不可能と言われたダンジョンを次々と制覇していく。知略と分析で全てを先読みし、完璧な指示で仲間を導く『指揮官』の成り上がり譚。
一方、彼を失った勇者パーティは迷走を始める……。爽快なダンジョン攻略とカタルシス溢れる英雄譚が、今、始まる!
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
勇者じゃないと追放された最強職【なんでも屋】は、スキル【DIY】で異世界を無双します
華音 楓
ファンタジー
旧題:re:birth 〜勇者じゃないと追放された最強職【何でも屋】は、異世界でチートスキル【DIY】で無双します~
「役立たずの貴様は、この城から出ていけ!」
国王から殺気を含んだ声で告げられた海人は頷く他なかった。
ある日、異世界に魔王討伐の為に主人公「石立海人」(いしだてかいと)は、勇者として召喚された。
その際に、判明したスキルは、誰にも理解されない【DIY】と【なんでも屋】という隠れ最強職であった。
だが、勇者職を有していなかった主人公は、誰にも理解されることなく勇者ではないという理由で王族を含む全ての城関係者から露骨な侮蔑を受ける事になる。
城に滞在したままでは、命の危険性があった海人は、城から半ば追放される形で王城から追放されることになる。 僅かな金銭で追放された海人は、生活費用を稼ぐ為に冒険者として登録し、生きていくことを余儀なくされた。
この物語は、多くの仲間と出会い、ダンジョンを攻略し、成りあがっていくストーリーである。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる